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2023年5月26日 (金)

・AI系画像処理ソフトの比較

前回はDxOのPureRAW3の性能をチェックしてみましたが。
TopazLabのPhotoAIも購入したので、
これもどんな性能なのかチェック。

比較は
オリジナル
Photoshop 強化(パラメータ最大)
DxO PureRAW3(PrimeXD)
PhotoAI(デフォルト設定)

撮影はPentaxKP。
それぞれの画像はクリックで拡大可能。

まずはISO 100

_raw_imgp3869_all

拡大
_raw_imgp3869_all1

TopazのPhotoAIは細かい模様が溶けてるし、
エッジ部分が妙にジャギジャギしてるところもあったり、
かなり不自然です。
PhotoAIは低感度の元の良い写真には使わないほうがいいかも。
一方PureRAW3はディティールがしゃっきりとして一段良くなったように見えます。

ISO 1600
_raw_imgp3873_all
PhotoAIはノイズがかなり消えていますが、ディティールも消えています。
強化はディティールが残っていますが、ノイズが消え切れていない。
PureRAW3は怖いくらいきれいにノイズが消えている。
ただ、布の模様も消えてしまっているが、、

ISO 6400
_raw_imgp3875_all
ここに来るといきなりPhotoAIが良くなります。
入力画像はかなりノイズが厳しくなってきていますが、
PhotoAIはそれなりにノイズを消して、ディティールも残している。
PureRAW3は本来無い模様を作り出しているように見えますが
ノイズは少なくて一見キレイ。
強化は色ノイズは抑えているものの、ノイズ多め。

ISO 12800
_raw_imgp3875_all
ノイズの影響なのか、露出が変わってしまっている。
PhotoAIはものすごく細かいような模様があるが、作り出した模様で
実物と違っている。
PhotoAIもそこまでひどくないが同様の傾向。
強化はくさびチャートの下の部分など不自然にべたっとした場所があります。

ISO 51200
_raw_imgp3878_all

ここまでくるともはや何が写っているかわからない。
強化がノイズは少なく、色が一番きれいに出ています。
これくらいノイズがひどいとさすがに使えない。

ISO 20万
_raw_imgp3880_all
ノイズまみれで情報がほとんどなくなってきていますが
PhotoAIは紫色のノイズは消してくれています。
強化が何とか頑張って絵を作ろうとしているのがわかる。

ISO 40万
_raw_imgp3881_all
PureRAW3はノイズ部分をあきらめました。黒く塗りつぶされる。
ただし、情報がある明るい部分はかなりきれいにしてくれている。
強化はここまで来ても何とか絵を作ろうと頑張っています。
PhotoAIは頑張ったけど無理でしたって感じ。

AI系の処理と言っても、ソフトによってかなり結果が異なります。
目的に合わせて使い分ける必要がありそうです。

2023年5月 2日 (火)

・DxO PureRAW3で天体画像のノイズ処理

ノイズ処理やシャープネス処理の性能が非常に優秀と話題の
DxOのPureRAW3を購入しました。

Resezed182857

処理前処理後
Cb_0001

普通のシーンでの比較はほかのサイトなどでいくらでもあるので
今回は星景写真にフォーカスして記載します。
PureRaw3で処理した画像をコンポジットするとどうなるのか、、なども。

元の写真
Resezed_raw_imgp1007

PhotoshopのAIノイズ除去
Resezed_raw_imgp1007nr


PureRAW3のDeepPEIME処理
Resezed_raw_imgp1007dng_dxo_deepprime

PureRAW3のDeepPEIME_XD処理
(処理時間はかかるがリッチな処理を行う)
Resezed_raw_imgp1007dng_dxo_deepprimexd


拡大して比較
(PureRAW3だけ露出暗めになったので、0.5EVほど持ち上げています)
2_20230502214401

Photoshopのノイズ除去はとりあえずパラメータを50%にしています。
下のPureRAW3に比べるとノイズが残っていますが、細かな星は一番残っています。
PureRAW3 Primeはノイズはかなり消えていますが、小さな星も消えてしまってるように見えます。
PrimeXDはうねうねした線のような模様が浮かんできていて、星空では使えなさそう。


これらの画像を17枚コンポジット(Sequatorを使用)した結果を見てみます。

元の写真
Resezedoriginal

PhotoshopのAIノイズ除去
Resezed


PureRAW3のDeepPEIME処理
Resezedprime_

PureRAW3のDeepPEIME_XD処理
(処理時間はかかるがリッチな処理を行う)
Resezedprime_xd

これも拡大して比較
3_20230502214801

オリジナルに比べて、処理した画像はすべて、色がしっかりと出ています。
薄い星雲の色なども出ている。

コンポジット後ではPrimeXDで出ていたうねうねした線がなくなり、
逆に暗い星とかもしっかり出ています。またノイズも少なめ。

コンポジット前提であればXD処理が良く、一枚撮影ならノーマルのPrime処理が良さそう。

また、PhotoshopのAIノイズ除去も結構優秀なので、
この差分にPureRAW3のソフト代14000円出せるかどうかは難しいところ。

2023年4月25日 (火)

・AI生成画像がフォトコンで優勝



世界的に大きなフォトコンで、AI生成画像(写真ではない)が
優勝してしまいました。

Resize182748
優勝作品
Pseudomnesia: The Electrician(訳‐偽りの記憶: 電気屋)


ただ、この作品を応募したエルダグセンさんは生成系AIによる問題提起が目的で
受賞は辞退したとの事。


写真の評価の専門家がAI生成画像と写真の区別がつかないほどまで
AIが進化したというのはかなり凄いことです。

また、受賞を辞退したとはいえ、
生成画像で芸術的な作品を作り上げたエルダグセンさんの能力も十分に凄い。
また、彼も言っていますが、写真は[Photography] つまり日本語だと光画。
光を用いてフィルムや撮像素子に像を結んだものです。
一方、AIによる画像は入力した言葉をもとに絵を作っていくので[PromptoGraphy]。

ChatGPTを作成したOpenAIのサービスの一つ、DALL-E2で同じようなことが試せます。

最近はChatGPTを含め、生成系AIが話題となっていますが
私はこれらに否定的なわけではありません。
国によっては法律で規制なども考えているところすらあるようですが、
AIはうまく利用することが大事で、人類の発展につながります。

写真においても、自分じゃ思いつかない構図や設定を教えてくれるかもしれません。
AIが作ってくれた画像をもとに自分のオリジナリティを考えることもできる。

生成系AIはまだまだ可能性があるので、上手に使うことで
自分の撮影や編集の技術を上げていくこともできるかと思います。

 

2023年4月 2日 (日)

さきたま古墳

今年は4/1のエイプリルフールネタが思いつかなくて書けませんでした。
ぱっと見、正しそうなんだけど、よくよく考えると間違っている。
ただし、機材とかに損害が出ないネタ、、、って難しい。
レンズ改造するとこんなことができます。みたいなウソを書いちゃうと取り返しがつかないし…。

今年は桜が去年より早く、予定が狂いましたが何とか何か所か回れました。

さきたま古墳は今年はリベンジ。
この場所で天の川が撮りたかった。

Resize182588

ちょうど天の川の方向に都心があるので光害が厳しいのですが、
赤道儀で追尾2時間、強力な光害カットフィルター、天体改造カメラを使うことで何とか写せた。
ただ、画角をちょっと失敗したので来年リベンジかな。

軌跡はうまく撮影できた。人工衛星?が多いけど。
Resize182590

この時期は、レンズヒーターとかがないとレンズが曇ってしまう。
Resize182591

若干曇ったのが逆にいい感じになった。

初めて日の出までいましたが、光が差し込むときれい。
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ただ、日の出までいると帰りの道が混むのが大変…。

2023年3月 9日 (木)

・夜間桜を照らす場合の定常光とストロボの違い

定常光とストロボの記事


夜間に桜を撮影する場合、自分でライトアップする手法があります。
※ほかに撮影者がいる場合は声がけする等注意をしてください。

自分でライトアップする場合、ライトアップ機材がいくつかあります。
・ワイヤレスストロボ
・LEDライト


別の場所複数から桜全体を照らしてあげたほうが、
イベントで行っている桜ライトアップの様に自然な感じになりやすく、
桜の木の立体感も出やすいです。

1_20230309230601


複数の光源で照らす場合のストロボとLEDライトの特徴

・ストロボ
光の当たる場所の調整が難しい。
背景とのバランスは、ストロボの発光量のほかに
絞りとISO感度で調整。
ストロボ自体が瞬間光なので、風などが強いときにも止められる利点があります。


・LEDライト
光が当たる場所の調整がしやすい。
一晩照らすにはバッテリー注意。
背景とLEDライトの明るさのバランス調整が難しい。
夜明けや、夕暮れなど外光が明るくなると光量が全然足りなくなります。
夜間はあんなに明るく感じたライトも、日光の前では無力…。

 

何もライティングせずに撮影
Resize182552

夜間にストロボでライティングして撮影
Resize182553

暗い…
ISO感度が低すぎたり、F値が高すぎて、カメラ内に入る光量が少なかったのが原因です。
5_20230309230901

ISO感度上げてシャッター速度も伸ばして撮影
Resize182555

4_20230309230901
ストロボの光量と背景の光量が同じくらいになり、桜が目立たない。
背景のごちゃごちゃが目立ってしまう…

絞りを開いたり、ISO感度を上げて、シャッター速度を短く
Resize182554

6_20230309231001


LEDライトでライトアップして撮影。
Resize182556

2_20230309231101
LEDライトの明るさを調整すれば背景との明るさバランス調整ができますが
結構難しいです。LEDライトの明るさの調整幅も少ないし。
特に周りが暗い場所で、星空と一緒に撮影しようとするとLEDライトは光量調整が難しい。
星に露出を合わせると、LEDライトが明るすぎて白飛びしてしまう。

ただ、ライトアップ自体の難易度はストロボよりかなり簡単です。
どのあたりに光が当たってないのか、とかわかりやすいので。


空が明るくなってきたときのLEDライティング
Resize182557
8_20230309231301

LEDのライトがほとんどわかりません。

ストロボを使うと空が多少明るくても桜を照らせます。
Resize182558
9_20230309231301

できればすべてのライトアップ機材を持っていきたいところですが、
そうすると荷物が増えるので、
どんな写真が撮りたいかのイメージをもって機材を選定するとよいです。

 

2023年2月19日 (日)

・ChatGPTで自分だけの画像処理ソフトを作る

2022年に、これはすごいと話題になったサービス、chatGPT

AIで色々な回答をしてくれるチャット形式のサービスです。

そんなのAIりんなとか昔からあったじゃんと思われるかもしれないが、
できることが段違い。


例えば天の川をアーチ描くように撮影する方法が知りたい場合。

AIりんなに聞いてみた。
Photo_20230219012201

イラっ。

ChatGPTに聞くとこんな感じ。


Gpt

かなり具体的に教えてくれます。
もうこのブログいらなくない?ってくらいに結構具体的に答えてくれる。
それだけでなく、プログラミングもやってくれます。
Panorama

プログラミングの知識がなくてもできちゃいます!
コードの解説もしてくれる。


さて、最近私が解決したいと思っている問題が
星の軌跡写真を撮った時に、飛行機の線が映り込んじゃうこと。
Resize182470

一枚一枚飛行機の線を黒で塗りつぶしていけば解決できるのですが
面倒くさい。

じゃあ、飛行機領域を自動で認識して自動で黒く塗りつぶすプログラムを作ればいいじゃない。
だけど、飛行機の線と星をちゃんんと区別して飛行機の線だけ黒く塗りつぶしてほしい。
そんなアルゴリズムが思いつかない。

ChatGPT様お願いします。

おおー、なるほど。こうやれば飛行機の軌跡を消せるのか。
だけど飛行機の軌跡って直線とは限らないんだよな。

Hikoki1

あとインターバル撮影をする関係上、前後の二枚の画像から飛行機の検出ができるはず!
Hikoki2

オーできた!
閾値をコマンドラインから入力できるような仕様のほうが融通が利くはず。
Hikoki3

気を利かせて、入力する画像も引数で与えられるようにしてくれた。
この作成してくれたスクリプトを用いて以下の二枚の画像から
飛行機の線を黒塗りしてもらおうか。
Resize182472 Resize182471

 

結果
_raw_imgp1403_removeplane _raw_imgp1403_removeplane
ちゃんと飛行機の軌跡部分を黒塗りしてくれている!
だけど二枚の画像で飛行機いないほうも塗っちゃってるじゃん

これを解決するためにChatGPTにいろいろ質問したのですが
なかなかうまくいかなかったのでここは仕方なく自分で実装しました。

================================
#それぞれの画像に対して、飛行機がいないほうは黒塗りをやめる
imgdeff1 = cv2.absdiff(img1,img1org)
imgdeff1 = cv2.cvtColor(imgdeff1, cv2.COLOR_BGR2GRAY)
ret, thresh1 = cv2.threshold(imgdeff1, 100, 255, cv2.THRESH_BINARY)
mask1 = cv2.medianBlur(thresh1, 5)

# 画像にマスクを適用する
masked_img1_1 = cv2.bitwise_and(img1, img1, mask=mask1)
masked_img1_2 = cv2.bitwise_and(img1org, img1org, mask=cv2.bitwise_not(mask1))
result1 = cv2.add(masked_img1_1, masked_img1_2)
================================
ただ、画像の差分をとる方法とか二値化する方法とかはChatGPTに聞きました。
google検索でも調べられますが、chatGPTだとこれまでのやり取りを考慮して
的確な方法を教えてくれる。

これまでは2枚の画像だけ。フォルダ内の画像を順次読み込んで全部自動で処理してくれるようにしてほしい・
Hikoki4

ハイできました。

上のコードだと飛行機を除去する部分が省略されているので今までに作ったものとマージして完成!

ダウンロード - plane4.py

 

ついでに単枚画像で直線部分を検出したときにそこも黒塗りするようにしました。


飛行機の線を消した後引かう明合成するとこんな感じに。
Resize182469  

まだ完璧じゃない部分がありますが、パラメータの設定とか調整すればいい感じになりそう。

 

2023年2月 5日 (日)

・暗い光源のほうが色がついて見える

水銀灯はかなり緑っぽい色の光源ですが、
人間の目には白い光に見えます。

Imgp7782

人間の目は、明るい光源ほど色味が感じられにくいという特性があります。
そのため、まぶしく輝いている水銀灯は色が感じられない。

1_20230205154301
右の輝度が低い緑のほうが色がついているように見える

テレビの画面とかもそうですが、白いと思っていても白くないものはたくさんあります。

 

2022年12月21日 (水)

・被写体によってピント位置が異なるレンズがある

1m離れたところにある被写体にピントを合わせる場合、
ピント位置は一つしかないはずです。

Lens-1

しかし、解像の甘いレンズなどでは同じ距離であっても
被写体の周波数によってピント位置がずれる場合があります。

以前にかいたスポットダイアグラムで考えてみます。

下の図のようなスポットダイアグラムになるレンズを考えてみます。
Lens-2

このレンズだと、ピント位置だとちょっと解像が甘いかなーと感じるレンズです。
このレンズで周波数の異なる被写体を撮った時にどうなるか考えてみます。

まず正しいピント位置に合わせたとき
Lens-3

高周波な被写体も低周波な被写体も、ピントはあっていますが
コントラストが下がって若干甘く感じられる状態です。

ピント位置をちょっとずらしたとき
Lens-4

高周波成分の被写体は全然解像していなくてピントが合っていない状態ですが、
低周波の被写体だとコントラストがついて、こちらのほうがピントが合っているように見えます。

このように、真のピント位置は一点なのですが
被写体によってはそこから少しずれた部分でピントが良く見える場合があります。

 

2022年11月25日 (金)

・望遠での花火撮影での注意点

花火大会を鑑賞するには音とか迫力とかが感じられる近くのほうがいいです。
しかし、写真撮影となると、望遠レンズを使うので
距離が離れていても問題なかったりします。

以前の打ちあがる高さの計算の記事

花火をちょっと遠くから撮るメリットとしては、
花火の大きさがちゃんと再現される、というものもあります。

Resize182133

会場で撮影すると、
低く上がる花火と高く上がる花火が同じくらいの大きさに見えます。
高く上がる花火のほうが大きいのですが、距離が遠い分ちいさく見えるため。

遠くで撮影すると、どちらも距離の比率的に同じくらいになるので、
高く上がる花火が大きいということが良くわかります。
Resize182132

望遠での花火撮影時の一番の課題はブレです。
Resize182134

拡大
_raw_imgp1271

ちょっとでもブレると、花火の線がグニャグニャになります。

三脚がガッチリしていないものだと、シャッターショックでNG。
望遠レンズの鏡筒が細いとそれだけでNG。
風が吹くとNG。

ブレ対策は徹底的にしなくてはいけません。
・ミラーレスならば無音シャッター(電子シャッター)
・がっちりした三脚・雲台を使う
・70-200F2.8のような鏡筒がガッチリしたレンズを使う。
・安い望遠ズームしかない場合は、レンズサポートを使う
 


 


風が強い場合は傘で防ぐ

2022年11月 1日 (火)

・タイポロジー

写真表現講座の課題で一つテーマを決めて撮影してくる、というものがあり
悩んだ結果、タイポロジーという

違う物だけど、似たような構造物を並べる

というので挑戦してみました。

選んだ被写体が螺旋階段。

ココス秋葉原店
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秋葉原UDX

 

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上智大学 聖イグナチオ教会鐘楼

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アップルストア渋谷
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昭和記念公園 花みどり文化センター

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江の島エルサムコッキング苑

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溝の口 ウェルタワー

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