2025年6月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          
無料ブログはココログ

2025年6月 5日 (木)

・ブログをnoteに引っ越します

このブログを2012年に開設して13年弱続けてきましたが、noteに移転することにしました。
これまで通り、写真や画像処理、光学に関する技術紹介や雑感などを中心に発信していきます。

移転先


なぜnoteに移転したのか

これまで使っていたココログは、長年お世話になった愛着ある場所ではありますが、
いくつかの理由から新しい環境へ移ることにしました。

1 画像などのアップロード容量がいっぱいに近づき、今後の運用が厳しくなってきたこと
(特に元サイズで画像がUPできないのが厳しい)

2 noteの方が、シンプルで使いやすい投稿環境であること

3 スマホでも見やすく、写真や文章がより美しく表示されること

このような理由から、これからの記事はnoteで継続していくことにしました。

今後の「虹色の旋律」について

noteではこれまで通り、

撮影や画像処理のテクニック紹介

光学に関するちょっとした解説や小ネタ

日々の撮影から生まれる雑感や作品の紹介

などをマイペースに発信していきます。

このココログで続けてきた13年分の記事は情報的にもかなりの資産なので
消さずに残しておきます。
(どこかのタイミングでローカルで見れるzip形式にしたい…)

もしよければnoteで「フォロー」や「スキ」などを通じて、引き続きご覧いただけると嬉しいです。

これからもよろしくお願いいたします。

2025年6月 1日 (日)

・ChatGPTとホットピクセル除去ソフト作成

ホットピクセルが発生した場合、取り除くためには
大きく二つの方法があります。


1:photoshopのダスト&クラッチ機能をつかう。
2:一つ一つスタンプツールなどで塗りつぶす

1は一気にできますが、画像全体の解像度が若干下がるのが弱点
2は数が多いと面倒くさいのが弱点

ダストクラッチ
Result_all_20250601164701

なので、ホットピクセルを検出して除外できるソフトを作りたいなと
ずっと思っていました。

そして最近は
ChatGPTがGPT-4oになり、プログラミングの性能も大幅に上がりました。
ホットピクセルが発生している画像を見せて、
こういうノイズを除去するプログラムを作りたい、というとアルゴリズム含めて考えてくれます。

Hot Hot2

 

 

 

複数の案を提案してくれて、その中から選んだり、
こういう方法もいいかもと議論しながら進められる。
最終的にはアルゴはほとんど自分で考えましたが…

誤検出を無くすなどで仕様がかなり細かくなってくるとなかなか
思った通りの出力は一発で返してくれない…。
Hot4
 


最終的には、カメラの機種や撮影環境によって、
ホットピクセルの出方も異なるので、パラメータを自分で設定できるようにしました。

Hot3

各パラメータの意味

・color_thresh
Averaged_output4

上の図のようにホットピクセルに色がついているとき、
周辺との色の違いで判断して補正するパラメータ。
この値が大きい程大きい色付きのホットピクセルだけしか補正されなくなります。
大きくすれば誤補正も減ります。

・val_thresh
ホットピクセルは周辺より輝度が高いので、その輝度の差で見つけるための閾値です。
この値が大きい程、周辺との輝度が高い部分しか見つけなくなります。

・max_area
ホットピクセルの面積です。
1だと1ピクセルだけのホットピクセルしか見つけません。

・expend_radius
下の図のように色が周辺まで広がってるようなホットピクセルで、
補正後に補正痕が残る場合はこの値を大きくしてください。
Averaged_output5

補正痕が残った例
Averaged_output5_output


・GPUを使用
GeForceのグラボを積んでる場合はこのボタンで高速化できます
(それでも画像サイズによってはかなり時間かかる)

・DCT除外を使用
木の葉っぱなど細かい模様のところで誤検出が起きる場合、
このチェックを入れることで、画像の高周波部分を検出から除外できます。
(ただし時間がさらにかかります)

矢印のところは誤補正していたのが、DCT除外オンだと誤補正せずに元と同じ形状になっています。
18_20250601165201

あと、パラメータ調整するとき、全体を緩めにしすぎると
ものすごい時間かかるので注意してください。
これでも、頑張って高速化しました…。
(GPTが高速化のところはなかなか気が利かず)

コードはこちら

ダウンロード - hotpixel_removal.zip

(二次配布禁止)

pythonなので、必要なライブラリをインストールして使ってください。
ライブラリインストールコマンド

pip install opencv-python numpy torch pillow piexif scipy scikit-image PyQt5

実行は以下のコマンドです。
python hotpixel_gui.py

 

おすすめパラメータ
このようにホットピクセルが大きくて色付きがあるとき
Averaged_output4
color_thresh:19
val_thresh:42
max_area:16
expend_radius:4
出力
Averaged_output4_output  


ホットピクセルが点状のノイズの時
_imgp8006_2
color_thresh:17
val_thresh:21
max_area:14
expend_radius:1
出力
_imgp8006_2_output

 

 

2025年5月 2日 (金)

・狭い場所での新星景写真の作り方のコツ

新星景写真は追尾で撮影した星空部分と、
固定で撮影した地上部分を合わせて一枚の写真にする方法です。

追尾撮影+コンポジットして作った星空画像
Resized_190508

地上部分の写真
Resized_190501

この二つを重ねればいいだけなのですが、
このような左右が囲まれていたりする狭い場所では問題が起こります。

Resized_190509

星は動くために追尾撮影するのですが、
狭い場所だと、時間をかけるほど左右の壁などが画角内で占める面積が広くなる。

Newsatr-1
この写真の場合だと星が右上に動いていくため、
右側の岩が画角内に入ってくることになってしまう。

これを避けるためには、追尾開始時の構図を注意すればよい。

Newsatr-2

追尾撮影するのが例えば2時間だとすれば、
1時間後に本来撮りたい構図(水平がちゃんと出てる構図)になるように
あらかじめ赤道儀で傾けた状態でスタートします。
(星は1時間で12°動く)

前半部分をコンポジットしたもの
Resized_190511

後半部分をコンポジットしたもの
Resized_190512

これを空の右半分と左半分に使います。
Newsatr-3

こうすることで星の動きによる制限をなるべく排除した状態で
新星景写真を撮ることができます。

2025年4月25日 (金)

・歪曲収差補正前提のレンズと星撮影

ミラーレスカメラ専用のレンズには、デジタルで補正することが前提で
歪曲収差が比較的残ったレンズがあります。

これがわかる過去の記事
特に注意が必要なのが、Adobeや純正のRAW現像ソフトを使用しても
この歪曲収差が補正された状態で画面に表示されることです。

※レンズ補正の項目をオフにしても、補正されてることに注意!!

天体写真だと大量の写真を合成(コンポジット)する手法がありますが、
その際に歪曲収差補正がされていると、
補正されたときの跡が強調されて目立ってしまいます。
空にスジのような模様が発生。

Resezed190440
比較明合成だと明確。

Resezed190439
コンポジットでも、星写真の現像で極端な画像処理をすると目立つ

こういうことが起きてしまうと、光学的に歪曲が補正されてるレンズが欲しくなります。
ただ、歪曲も少なくて、周辺まで像性能が良い広角レンズは最近はほとんど発売されない…。


2025年4月 6日 (日)

・紫外線で色が変わる眼鏡

最近、日差しが強いところに行くとまぶしく感じるので、
JINSの紫外線に当たるとサングラスのようになる眼鏡を買ってみました。

リンク

屋内などでは透明な普通の眼鏡なのですが、太陽光下にいると紫外線に反応して
色が付きサングラスのようになります。

屋内
Resezed190428

屋外
Resezed190429

ところで、写真撮影をしていると色表現が重要になってきます。
しかし、サングラスによって偏った色になってしまっては正しい色の認識ができなくなる。
(脳内ホワイトバランスである程度は低減されるとはいえ)

JINSではガラスの色がいくつか選べますが、影響が少なそうであろうグレーにしました。
(ブラウンやグリーン、パープルもある)

グレーを選んだとはいえ、ニュートラルなグレーではない感じがしたので
カメラで確認しました。

メガネレンズ無しで撮影した画像がこちら
Resezed190426

色が変わったメガネレンズ越しに撮影した画像がこちら
Resezed190427

ホワイトバランスは眼鏡無しで撮影したものに合わせています。
画像を見るとわずかに青紫色になっているのがわかる。
グラフで見ると以下。
Ab

グラフでも、レンズ越しだと青紫方向に5ほど色がついています。
そこまで大きくないとはいえ、写真撮影時には気を付けたほうがよさそう。

2025年3月21日 (金)

・CanonのNeural Network Upscalingの性能チェック

キヤノンがR1に搭載したx2のアップスケール機能を
PCで使えるようにしたツールが公開されているので使ってみました。
月額275円です。(初回1か月は無料)

AIを用いたアップスケール技術は以前に書いた記事のように、
情報が足りない部分を生成するので、文字などが変になることが良く起きます。
カメラでそれが起きたらまずいだろうと思うのですが果たして。

キヤノンのこのツールはどんなカメラで撮った画像も入れられるので、
今回はiPhone14で撮影した画像を使います。
iPhoneで撮影時にデジタルズームで2倍した写真と比較します。
また、TopazPhotoAIもアップスケール機能があるのでそれとも比較してみました。

まずは一般シーン
Resezed190404

拡大(クリックでさらに拡大)
Img_4101_all  
こう見てみると、iPhoneが一番自然な画像になってます。
遠くの木も他二つは絵画調になってるのですがiPhoneは大丈夫。
キヤノンは高速度悪露の斜め線がジャギーになってしまってるのも気になります。

次に問題が起きそうな文字がある看板シーン
Resezed190403

拡大
Img_4109_all

こう見るとiPhoneとTopazがやばいことになってるのがはっきりわかります。
キヤノンは頑張って拡大してる感じがしますが、
他の二つは完全に文字が違う物に変形しています。
やはりキヤノンは無いものを生成するというのは抑える方向で作っているようです。
その代わり、一般シーンではない情報を生成することもないので、
他の二社に比べて性能が落ちるように見えるのかもしれません。

写真としてはこれが正解だと思います。

2025年3月 2日 (日)

・KANI Partial Soft Focus Lite フィルターを実写比較

KANIフィルターから先日発売されたばかりの
ハーフソフト系フィルターの
パーシャルソフトフォーカスライトをさっそく実写で使用してきました。


 

メーカーによると、既存のパーシャルソフトの半分の効果とのこと。
既存のだと効果が強すぎると感じていたので、これはとてもうれしい商品です。

既存製品との比較写真は公式に載っているので
他社製品と比較をしました。

比較した製品はこちら
・ケンコー ソフトンクリアフィルター
ソフト効果が弱く星景写真で一番好んで使ってる製品


 

・ケンコー ハーフプロソフトンA


[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

100X125ハ-フプロソフトンA ケンコー ハーフプロソフトン(A) 100×125mm
価格:19,688円(税込、送料別) (2025/3/2時点)

楽天で購入

 


KANIのパーシャルソフトよりも弱めでよく使っていたハーフフト系フィルター。

・KANI プレミアムホワイトミストフィルタNo5


[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

KANI ホワイトプレミアムミスト No.5 100x100mm / 角型 ソフトフィルター
価格:19,470円(税込、送料別) (2025/3/2時点)

楽天で購入

 


星景でも使えるということでKANI公式も一押しのフィルター


さっそく実写比較写真です。

パーシャルソフトライト
Resezedpsoflite

ケンコーソフトンクリア
Resezedsofcl

ケンコーハーフプロソフトン
Resezedhsof

ホワイトミストNo5
Resezedwm


拡大
Psoflite_all

これを見ると、新製品のパーシャルソフトライトは
ソフトンクリアとほぼ同等です。
ソフトの具合もいい感じ。

ホワイトミストはソフトの具合が上品な感じで
他とは少し違うので好みが分かれそう。
強く拡散することがないので星雲とかでいい感じに使える気がします。

 

2025年2月28日 (金)

・CP+2025

Resezed190358

今年もカメラと写真のイベント、CP+に行ってきました。
去年の記事

私が気になったアイテムの紹介をします。

シグマブース
木曜午前のVIP/プレス専用時間ですでに行列。
  Resezed190353


Sigma bf
Resezed190349
シグマから突如発表されたフルサイズミラーレス。
アルミ削り出しのボディが美しい。
また、操作ボタンがボタン兼タッチ式になってます。

Resezed190359
例えば再生ボタンをタッチすると直前に撮影した画像が表示され、
ボタンを押し込むと再生モードに移行します。

また、ハプティクス(スマホとかで微振動でタッチした感覚とか伝えるやつ)が入っており、
ボタンの押した感覚はハプティクスで表現しています。
電源入れた状態でずっと触っていたのですが、
ずっと物理ボタンを押し込んだ感覚だと思っていました。
電源を切るとボタンを押した感覚がなくなる。それくらい自然でした。

Resezed190360
一眼によくあるシャッター速優先とか絞り優先の概念であるPASMモードがないのも新しい。
SS,ISO,F値はそれぞれAUTOか値かを選べるようになっており、
例えば、F値以外をAUTOにすると、絞り優先モード相当になります。
ISOだけAUTOにするとペンタックスのTAvモードにできます。


ずっと持ってると手に角が食い込んで痛いのでは?という疑問に関しては
スナップフォトのように必要な時だけ取り出す使い方であればそこまで気にならなそうです。
望遠レンズを付けてずっと構えてると痛いかも。

Resezed190357

Resezed190356
一応、背面の右下と正面の右下は角が丸くなっていて若干緩和されます。


Askarブース
天体望遠鏡のメーカー。
その界隈ではかなり評判の高いメーカーです。
ガチ勢の知人がいたので、
300mmくらいでフルサイズ対応で、
スカイメモsに乗せられるくらいのおすすめ望遠鏡を聞いてきました。
アンドロメダやバラ星雲を撮りたい。

Resezed190351
SQA55がおすすめっぽい。
焦点距離264mm、F4.8
絞りも入ってますが、性能的に使う必要ないとのこと。


KANIfilterブース
Resezed190352
いつもお世話になっているKANIフィルター。
人気商品のハーフソフトフィルターの効果が弱いバージョンがでました。


 


早速購入したので、近々比較撮影をしてみます。
またサイズ展開が豊富な手袋も個人的に気になってます。
試着したところ私の手にはLサイズが合いそう。


ケンコーブース

ヒーター付き角形フィルター
Resezed190354
フィルターホルダーにヒーターが内蔵されているものがありますが
こちらは角型フィルターにヒーターがついている。
ヒーティングホルダーはフィルターが1つしかつけられないのですが
これであれば複数重ねて使うことができそう。
ソフト+光害カットとかND64+ハーフNDとか。
ただこの製品は写真にある3種類しかない…。
アタッチメントタイプで好きな角形フィルターにつけられるようなのが欲しい。


コシナーブース

フォクトレンダー
PORTRAIT HELIAR75mm F1.8
Resezed190350

キヤノンのマクロレンズのように球面収差をコントロールすることで
リングボケにしたりできます。
蛍撮影用に欲しい。

2025年2月19日 (水)

・KP用のUSBカプラー

以前の記事で星撮影など長時間撮影時に
USBカプラー(ダミーバッテリー)が便利だと書きました。

ペンタックスの入門機(K-70とかKFであればそのまま使えるのですが、
KPだとそのままだと使えないというトラップがありました。
Dummy

KPは図の赤丸の位置にバッテリーを抑えるツメがあります。
ちょうどツメの位置がダミーバッテリーの切り欠きの部分にあたるので
バッテリーを固定できません。

そこで、ダミーバッテリーの切り欠き部分を部分にエポキシパテで埋めてみました。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

タミヤ エポキシ造形パテ(速硬化タイプ)【87051】
価格:484円(税込、送料別) (2025/2/19時点)

楽天で購入

 

 

Resezed190334
これで問題なく使えます。
パテは盛りすぎるとカメラに入らなくなるので少しずつ盛っていくのがよい。

2025年1月24日 (金)

・超光害地での星空現像の手順

以前に都会での新星景写真の撮り方を記事にしました。

その時に現像編で現像方法を記載しましたが、そこでは書ききれなかった細かい処理などを
動画でキャプチャーしたので共有しておきます。


この方法は私の独学の手順なので、
もっといい方法があったり効率の良い方法があったりするかもしれません。

«・RAWだとなぜ白飛びが(ある程度)救えるのか=RAWからjpegまでの流れ