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2022年1月21日 (金)

・都心での新星景写真 現像方法

前回は撮影方法を記載しました。

今回は撮影したデータを仕上げる手順です。
この方法は人によっても違うので、あくまで私がやっている方法。
もっといい手順があるかもしれない。

●必要なソフト
 Photoshop

 Sequator
 

これらを高速に動かせるハイスペックマシンがあると
イライラせずに済みます。

参考までに私のマシン(2022/1)
windows11
Corei7-11700
32GB
GeForce GTX1650


●Step1 最初の現像
私はRAW状態でコンポジットするのではなく、
最初に現像を行ってしまって、ノイズ処理や赤い星雲の炙り出しを
ある程度行います。

Photoshop CameraRAWで撮影したRAWデータを一括で開く。
(ここはLightroomでもよい)

天体改造機だと赤っぽく色被りしているので
最初にホワイトバランスをいじります。

Resize180389

ホワイトバランス調整アイコンにして、
赤い星雲がいないあたりを選択して大まかに合わせる。
光害とかの影響で色被りがある場合はいくつかのポイントを選択して
一番バランスが良さげなところに合わせておきます。

Resize180390

次に大まかな露出の決定。
露光量はちょっとオーバーになる程度に上げて、
ハイライトと白レベルを思いっきり落とします。
ハイライトを落とすのは、
例えばオリオン大星雲の中心付近が白飛びしないようにするためです。

Resize180391

あと、レンズの倍率色収差も行っておきます
Resize180392

歪みと周辺減光は補正してしまうとコンポジットしたときに補正痕が出るので
ここはいじらないでおきます。


次が一番キモになる部分です。
Resize180394

カーブを細かく調整して赤い星雲が浮かび上がるようにします。
またこの画像で言うと画面の上部の暗い部分を少し明るくなるように、
画面下部の明るい部分の輝度を下げてフラットに近づけます。

このカーブを調整する際は諧調が破綻しないように気を付ける必要があります。
Resize180393

トーンカーブのいじり方でも記載しましたが、
極端にしすぎると諧調が破綻して写真としておかしなことになります。

ここまで来たらテクスチャと明瞭度をいじって
星を強調します。
もし空の状況が良くて、星が写りすぎている場合は、
明瞭度を逆に下げてもよい。

Resize180395

最後に、ノイズを若干除去しておきます。
Resize180396

この調整をすべての画像に適用します。
Resize180397

ダークとフラットも撮っている場合は、それにも適用。
(フラットはホワイトバランスを再度合わせなおす)

保存は、情報量を残すために16bitのTIFFにしておきます。

Resize180398

一旦TIFFに仕上げたら、
Sequatorでコンポジットします。
使い方は以前の記事でも記載しました。

枚数が多ければ多いほど、ノイズ除去だけでなく
細かい部分が出てきます。

ダークやフラットを撮っている場合、
ダークは「ノイズ画像」、フラットは「ケラレ画像」
のところに入れればよいです。

ただ場合によっては、コンポジット結果に逆にノイズが載るときがあるので
その際は入れない。

合成方法は「積む」にしておきます。
ソフトフィルターを使っている場合、最適選択にすると
星の位置合わせが失敗して周辺部の解像が劣化することが多い。
Resize180399


光害除去は「複雑」で右から二番目の強さにするとちょうどよいことが多い。
結果が破綻したりした場合はさらに弱めたものも作っておくとよいです。


星空のコンポジットが終わったら、
固定撮影をした地上風景と合成していきます。
星空と地上をレイヤーごとに読み込みます。

Resize180400
地上レイヤーはコピーして二つ作っておきました。

まず地上レイヤーを選択し、
選択範囲→空を選択をして、空部分を選択し、Delボタンを押して削除します。
Resize180401

この状態で地上レイヤが問題なければこれでOK。
建物とかがきえてしまう場合、保険で作っておいたコピーした地上レイヤーで
きえてしまう部分などを補間します。

Resize180402

星空部分に発生している色や輝度のムラを補正したり、
全体の色味を地上と揃えたりします。


CameraRAWフィルターを起動
ナローバンドフィルターを使うと
青がシアンや緑っぽくなってしまうので
青の色相を変えます。

Resize180403

次に、輝度ムラを補正します。
ムラになっている部分をマスクのブラシツールで塗っていきます。
Resize180404

この部分だけ、不自然にならない程度に
露光量を下げたりシャドーを下げたりします。
また、単純に下げるだけだと、星の光も弱くなってしまうので、
テクスチャと明瞭度を上げます。
ムラが目立たなくなるまで、この作業を繰り返します。

Resize180405

ホワイトバランスも少し変更しました。
画像の最周辺はムラが大きく発生して補正が難しいので
トリミングでカットしてしまう。
Resize180406

こうしてできた結果がこちらです。
Resize180407

2022年1月15日 (土)

・DFA21mm limitedで角形フィルター使用方法

ペンタックスの新しいフルフレーム用limitedレンズの
DFA21mmを購入しました。

ペンタックスのフルフレーム用の超広角20mm相当のレンズは
ほとんどありません。
純正の15-30mmかSAMYANGの20mmF1.8くらい。

純正の15-30mmは前玉が出っ張っているため、
角形フィルタを付けようとすると、フィルタ幅150mmの大きなものを付ける必要があります。
一方、焦点距離20mmくらいであればフィルタ幅100mmのものが使えるので経済的。


DFA21mmは径が67mmの溝が切ってあるので
円形フィルタは使えるのですが、フード一体型のため角形フィルタは使えないと思われた。
なぜフード一体型のデザインにした!
FA31mmみたいでかっこいいけどさ…

 

21mmという超広角焦点距離は、風景や花火で使いたい。
しかし、その際ハーフNDなどの角形フィルタが使えないのはツライ。

何とか既存のフィルターホルダーでDFA21mmに流用できるのはないかと
フィルタホルダを取り扱っているKANIのオフィスにお邪魔しました。

その結果、工夫すれば使えるものがありました!
オリンパスのED7-14mmf2.8pro用のホルダーアダプタです。

そのまま使うと隙間が空いてしまうため、
スポンジがついた遮光パットを切って張っています。
Resize180309

大体、2枚重ねにするとぴったりです。

遮光シールは、角型のNDにつける遮光パットの中心部分を切って流用。

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KANIフィルター 100mm角用遮光パット 5枚入 / ガスケット
価格:1500円(税込、送料別) (2022/1/15時点)

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こんな感じでレンズにつけられます。
Resize180310 

Resize180308

フィルタホルダーを斜め45度にしたときのみ僅かに四隅がけられますが
正位置(縦横)で使う分には全く問題ありません。

DFA21mm良いレンズだけど、角形使えないのがなーと思っていた方は
この方法で対応可能。

2022年1月 9日 (日)

・都心での新星景写真 撮影方法


新星景写真とは、日周運動で動く星と静止している地上を
両方止めて撮った写真です。

Resize180306

撮り方

赤道儀を使った写真と使っていない写真を合成するのが一般的な方法です。
赤道儀がない場合、広角で星が動かないくらいの露光時間(5秒とか)で
感度を上げた状態で撮影したものを複数合成してノイズを消す方法もあります。

その場合のやり方の記事


新星景写真では地上風景は星とコラボして面白いものを入れることになります。
富士山とか。
ただ、星という撮影対象上、空の暗い場所でという前提がついてしまいます。
都心で星を撮る場合は比較明合成をした軌跡が一般的。

Resize180307

何とか都心でも新星景写真を撮れないものかとチャレンジしてみました。
(空のきれいな場所で撮影した星空と都心の空を合成するのは個人的にNG)

時間をかけて撮影することで、何とか都心でも新星景写真が撮れました。

Resize180303

撮ってる時の様子
Resize180305

4時間露光するとこれくらい映ります。
Resize180304

露光時間を延ばせば伸ばすほどノイズが少なくなり、暗い星も映る。
今回は撮影方法を記載しておきます。
ただ、いろいろ特殊な機材を使うので初心者向きではない。


●必要な道具
 天体改造カメラ
 デュアルナローバンドフィルター


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STC Astro-Duo Narrowband Filter Canon APS-C (Kiss X7/Kiss X7i/Kiss X8i/8000D/ 70D/80D/7DII)
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 赤道儀


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 ソフトフィルター


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ケンコー・トキナー KenkoTokina PRO1D プロソフトン クリア(W) 82mm PRO1DPROSOFTONCLEAR82
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●撮影場所決め
さすがに画角内に強い街灯が入るようなところだと
ゴーストがでてしまって画像処理が大変になります。
Googleストリートビューなどで確認。

あと、どの天体とどの建築物を組み合わせるか、
その場合どこから撮ればよいかをよく考える必要があります。
オリオン座であれば、真西に沈むので、コラボしたい建造物の東で撮ればよい。
例えば下の図のようにスカイツリーとオリオン座のコラボであれば、
スカイツリーより東にある開けた場所に行けばよい。

2_20220110233701

地図を見てみると、荒川沿いの堤防、平井大橋付近だったら良さそう

Map_20220109231001


●撮影時刻
撮影したい星座が何時にどの方角に来るかは星座アプリを使えばわかります。
例えば上の図で描いたようなスカイツリーとオリオン座であれば、
1/10だと午前2:30くらいになります。
では、2:30に撮影できるように準備しておけばいいのかというと、そうではありません。

一枚撮りであれば、それでいいのですが、
都心部で星景を炙り出すためには大量の枚数を合成する必要があります。
せめて2時間は撮影しておきたいところ。
一枚30秒露光であれば240枚を合成しないと微恒星は出てこない。
2:30に行ってそこから撮り始めるとすぐにオリオン座が沈んでしまうので、
2時間前の0:30には撮り始めたい。

3_20220110233701

2時間で動く分、星の位置が違うので、
その部分が隠れないような広い場所で撮る必要があります。

 

●撮影方法
撮影場所についたら、赤道儀などをセット。
この時カメラにはまだナローバンドフィルターは装着しない。
「最終的に撮りたい構図」を決めます。
この時、撮りたい構図より少し広めの焦点処理にしておくのがコツです。
後の画像処理で、画像周辺はカブリなどが発生することがあります。
これは取り除くのが難しいのでトリミング前提で構図を決めます。
この時に、地上の固定撮影も済ませておくとよいです。 4_20220110233701

撮影開始時の時点ではその場所に天体がいないので、
極軸周りに雲台を回転させ、撮りたい天体を構図に入れます。
この状態で赤道儀のスイッチを入れ、
カメラにもナローバンドフィルターを装着。
ナローバンドフィルターを入れるとピントがずれるので、ピントを合わせなおして
撮影スタート。
インターバル撮影にして後は放置。
露光量は白飛びしないくらいで感度は高め。
ナローバンドを入れるとかなりISO感度を上げないと星が写りません。

必要に応じてソフトフィルターも付ける。

後はバッテリー残量を定期的に確認しながら放置。
都心部だと人が真夜中でも結構いたりするので、
必要に応じてワイヤーロックを三脚とカメラにつけておくとちょっと安心です。



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サンワサプライ SL-57 パソコンセキュリティワイヤーロック 南京錠 タイプ
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これで撮影は終了です。
次回、画像処理で星を炙り出していきます

2022年1月 6日 (木)

・どこまでが合成写真か

フォトコンテストなどでは合成写真はNGというものもあります。
確かに下の写真のような明らかな合成写真は「写真ではない、CGだ」
と感じる。

Resize180295

ただし、下の写真のようなものだとどうだろう。
Resize180291

見かけることも多い、星の軌跡を撮影したものです。
こういう写真は、現在ではほとんどが「比較明合成」という方法で
複数の写真を合成して作られた画像です。

作り方

画像合成や画像処理がどこまでOKかは、
フォトコンテストの規約などでもそれぞれ決められていたりしますが、
自分の中でも、「ここまではOKとする」というポリシーを決めておいた方が良いです。
でないと、何でもできてしまう。

どこまでOKかは、写真の使い方や人によっても異なりますが
いくつか例はあります。


・JPEG撮ってだしのみOK
この決め方をしている人も多いと思います。
個人的にはこの決め方はあまりイケてないなと思ってしまいます。
JPEG撮ってだしだと、どうしてもメーカの絵作りに左右されてしまいます。
色の出方だとかコントラストだとか。
また、インターバル合成機能がついているカメラとついていないカメラ等、
カメラについている機能によって撮れる表現の幅も変わってしまう。
※機能ではなく、大判カメラや特定のレンズでしかできない表現とかもありますが…。

 

・カメラ内でできる処理までOK
これもカメラの機能によって表現の幅が変わってしまう、
また、スマホカメラならアプリで何でもできてしまう、という点で
個人的には無し。

 

・一枚の撮影画像だけ使う
この考え方は1枚のRAWを自由に現像できて
ありえない合成はできないという観点で比較的良い決め方かなと思います。
天体など特殊な撮影では応用が利きませんが…。
ただ、カメラの内部処理を知っている身からするとうーん、と感じることもあります。
この考え方だと、最近のスマホの写真はほぼすべてNG。
スマホは一回の撮影に見えて、
画像を重ね合わせてノイズを減らしたり
露出を変えた複数の撮影画像を用いてダイナミックレンジを広げたりしています。

最近だと1枚の画像から深度Mapを作ってライティングを変えたりとかもできちゃうから…。

Resize180294 Resize180293

また簡単なところだと一枚の写真でもこういうのは作れる。
Resize180296

 

・その場にあるものを消さない、無いものを足さない
私は個人的にこのルールを守るようにしています。
これを守るということは、電線を消したり
その場にはいない動物を付け加えたりはできません。

ただし例外として、時間差で撮影した画像内で現れるものなどは足したりしてもよい。
こういうルールだと、天体の比較明合成もOKになるし、
動く天体と地上を両方止めた新星景写真もOKになります。

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明るいうちに背景を撮影して、そのあとに飛ぶヒメボタルを合成
というのもこのルールであればOK。
こういうとり方。

Resize180297

カメラ起因によるセンサーのごみの映り込みや
ゴーストなどは本来そこには存在しないものなので消してもいい。
また、光学的に実現できる方法(PLフィルタで反射を取り除くとか)も
個人的にOKとしています。

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光学的なリフレクションはもちろんOK。


ここまで記載したルールはあくまで私が思いつくものなので
そのほかの観点で考えることも当然あると思います。

2021年12月28日 (火)

・pentaxの新しいカスタムイメージ「里び」

ペンタックスの一眼レフに
新しいカスタムイメージ(画像仕上げモード)が搭載されました。
里び、というモードで、今まであった「雅」の逆になるようなモードです。
雅は再度が高く派手ながら、しっとりとしたイメージの仕上げですが、
里びはフィルムライクで空がシアンっぽくなるおとなしめの仕上げです。

雅で現像
Resize180282

里びで現像
Resize180283

植物緑とか空のある風景シーンだと
リバーサルフィルムっぽい雅のほうが良いかも。

いろいろと里びで撮影してみた中、ハマるシーンとして
「花火」がありました。


雅で現像
Resize180287

里びで現像
Resize180286

好みもあるかとは思いますが、
雅で撮影をすると赤い花火は色飽和をしてしまう。
また、青の輝度が低く背景の黒に埋もれてしまうこともあります。
しかし、里びは彩度が低い画像仕上げなので、色飽和せず、
青も輝度が高く出やすい。

そのほかの花火のシーン

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ちなみに私は細かい設定は以下のようにしています。
Resize180288

2021年12月26日 (日)

・スイッチホルダーの活用場所

角型フィルターメーカからスイッチホルダーという
フィルターホルダーが出ています。


 

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NiSi ニシ Vホルダー Switch NiSi nis-v6sw
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これは二枚の角型フィルターをそれぞれ
角度を変えて装着できるアイテムです。

Resize180275


どんな時に使えるのか、例を示します。

Resize180277

このシーンでは空が明るい。
また、太陽に近い画面右側の空のほうが明るくなっています。

なので、2枚のハーフNDを下の図のように使います。
赤で塗った部分と、緑で塗った部分がそれぞれのNDがかかる位置。
Resize180278

撮影時の様子
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完成写真
Resize180281

左右に強い光源があるシーンとかでも
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撮影の様子
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完成写真
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2021年12月17日 (金)

・電子先幕による玉ボケ欠け

SONYのカメラで撮ると玉ボケが欠けるんだけど、
という話をまれに聞きます。
最近はニコンやキヤノンもミラーレスを出しているので
条件によって、同様に発生する場合があります。

玉ボケ欠けが発生している画像
Resize180164

玉ボケがちゃんと写っている画像
Resize180163  

_raw_dsc09023_all

欠けるのと欠けないのでは何が違うのかというと
メカシャッターを使っているか電子先幕を使っているかの違いです。


メカシャッターの動き
Resize151913_20211217223701


電子先幕の記事でも記載しましたが、
撮像素子上の先幕と、メカ後幕では位置に違いがあるため
両方を同じ速度で動かすと画面の上部と下部で輝度差分が出てしまいます。
特にスリット走行になったときは顕著。

カメラを横から見た図
Tamabokeh-1


スリット幅は一定でも撮像素子の下側に行くほど当たる光の幅が細くなっています。
つまり下側に行くほど暗くなってしまいます。

これを防ぐために、電子先幕の速さを早くすることで
撮像素子のどの部分も同じ幅の光が当たるようにする必要があります。
(メカ後幕の速度をコントロールするのは非常に難しい)
Tamabokeh-2


先幕の速さをどれだけ変えればいいのかは、
射出瞳までの距離や瞳径によっても変わるので、
レンズや絞りによって制御を変更する必要もあります。


このように、画面に輝度ムラが出ないように制御を行っても
玉ボケは欠けてしまいます。

玉ボケはセンサ面がピント位置より前か後にあるときに生じます。
Tamabokeh-3


この図はピント位置より後にあるので、後ボケが玉ボケになった時。
また、瞳の上のほうから入る光線と下のほうから入る光線を書いています。

まず下のほうから入る光を考えてみます。
Tamabokeh-4


露光ムラをなくすために、電子先幕はだんだん早くなり
撮像素子の下のほうに行くにつれてスリット幅が広くなります。
右の図のほうがスリット幅が広い。

電子先幕が開いてから、メカ後幕が閉じるまでにかかる時間が
図で記載した部分の幅です(幕速が一定と仮定)

次に瞳の上のほうから入る光。
Tamabokeh-5


上のほうから入る光だと
撮像素子に光が当たる時間が短いことがわかります。


メカシャッターが前側にあることによって、
ひさしの様に上側からくる光を遮ります。
逆に下からくる光は遮りにくいです。
軒先に庇をつけても、地面からの照り返しは防げないのと一緒。

Tamabokeh-6

このように瞳の上側の光はたくさん露光し、
下側の光の露光時間が短くなり、玉ボケにもムラができてしまいます。
(画像としては上下が逆になる)

 

2021年12月11日 (土)

・天体写真に写りこんだセンサごみ除去

一眼カメラで厄介なセンサー上のゴミ

レンズ交換時にホコリが入らないように気を付けたり、
マメにセンサークリーニングしたりしても
どうしても映り込んでしまうことがあります。

一般的なシーンであれば、Photoshopなどの画像処理ツールで消すことができます。

ゴミあり
10_20211211234901

処理後
11_20211211234901

仕組みとしては、ゴミのある部分に似た領域をコピペして見えないようにしているだけです。

天体写真だとこのゴミゴミ消しが厄介。

Resize180149
この写真では二か所にゴミが映り込んでしまいました。
天体写真の場合は、フラット撮影というグレー一面を同じ条件で撮影することで
このゴミや周辺減光を低減させることができます。
しかしこの写真を撮った時はフラットを撮影していなかった…。

photoshopで頑張って消してみました。
1_1_

オリオン座のベテルギウス(オレンジの星)の上と、そのちょっと右にゴミが映り込んでいます。

3_20211211235101
単純にスポット修復ブラシツールを使うと、ゴミは消えましたが、
ベテルギウスも消えました。
これだとオリオン座じゃなくなってしまう…。

私の考えた工夫方法はこうです。
まずは、同じ画像をレイヤーにしてコピーします。
4_

次に、コピーしたレイヤーに対して、スポット修復ブラシツールでゴミを消す。
5_2

このままだとベテルギウスも消えてしまうので、
レイヤーの合成方法を比較明にするとベテルギウスも復活します。
6_20211211235101

ただしこの方法だと、スポット修復ブラシツールで
本来無い星も作り出してしまうので、気になる方は
生み出された星をスポット修復ブラシツールで消していけばよいです。

また、比較明で合成をすると、ゴミが合った部分が若干明るめになってしまいます。
これは、ノイズ(明部と暗部のざらざら)の明るいほうだけ合成されるためです。
この場合は、不透明度を若干下げるなどをして調整すれば目立たなくなります。

Resize180150

これくらいは目立たなくできました。

 

2021年11月30日 (火)

・撮像素子とは

このブログの記事カテゴリに「撮像素子関連」というものがあるが
そもそも撮像素子について詳しく説明している記事がありませんでした。

撮像素子とはその名前の通り、
フィルムに変わり、光による像を映して電気信号へと変換する素子です。
センサーとかCCDとかCMOSとか記載することもありますが、
それは実は正確ではありません。
センサーは、単に外部の情報を収集する装置のことだし、
CCDやCMOSは回路の種類の名前です。

撮像素子は、複数のフォトダイオードが
碁盤の目状にずらっと並んでいます。
このフォトダイオードの数が画素数。

Image-3

フォトダイオードの詳しい仕組みはここでは説明しませんが、
基本的には光が当たると電荷が貯まります。
強い光ほどたくさん電荷が貯まります。

 

CCDとはこの貯まった電荷を伝送する素子の名前。
下の図の緑の部分がCCD、オレンジが光電変換素子です
青がトランスファーゲート

Image-1

フォトダイオードにたまった電荷がゲートを通り最初のCCDに移ります。
次に隣のCCDに電圧をかけることで電荷が移動します。
これを繰り返すことで、電荷を運んでいきます。

Image-2

下の図のような16x16画素のCCDイメージャに像が投影された時を考えます。
17_20211130180901

白いところほど明るく、電荷がたくさんたまります。
電荷は白い丸で表しています。

下のアニメーションのように、
縦のCCDと横のCCDをうまく使って電荷を伝送していきます。
最後の出力部分でアンプとAD変換が行われてデジタルデータになります。

 

これを見るとわかりますが、すべての画素の電荷が同時にCCDに移されるので
ローリング歪みは発生しません。グローバルシャッターです。
ただし、電荷の転送の間は露光できなかったり、
電荷の伝送に電圧をかけるので電力が大きかったり制約があるので、
ライブビューや動画撮影は難しいという欠点があります。

Image-1_20211130180901


最近ほとんどのカメラで使われているCMOSは
以下の図のようになっています。

Image-5

緑の部分がCMOSです。
CMOSイメージャでの電荷読み出しは
行選択回路と列選択回路で座標を指定して行われます。
Image-6
赤いところを読み出し。
順番に指定して読み出ししていくので、ローリング歪みが生じます。
また、CCDに比べると、
フォトダイオードの周りに回路が沢山ついているのがわかります。
これによって、フォトダイオードの位置が井戸底のようになって
感度が下がってしまいます。

また、アンプがCCDでは出力の手前に一つついているのに対して
CMOSでは各画素についています。
これによりアンプの画素ごとのバラツキがノイズにつながります。

こんな感じで原理的にはCMOSのほうが高感度に弱いのですが、
最近はマイクロレンズの最適化、裏面照射、など
様々な技術を用いることでCCDよりも高感度を実現しています。

CCDで様々な技術を用いて高感度化させればいいと思うかもしれませんが、
CCDは特殊なプロセスで製造されるため、専用工場が必要になってしまいます。
なので流用が効きやすいCMOSのほうに投資されたという背景があります。

 


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2021年11月25日 (木)

・半導体不足

世界的な半導体不足がカメラにも影響してきました。
各社が製品の供給不足でお届けまで時間がかかる、
となっています。

これまでに車の納車が遅れるだとかいろいろニュースになっていましたが
ついにソニーも特定機種のカメラの受注ができないという状態に。

半導体は、電化製品にはもれなく使われています。
何かを制御するには半導体が必要。

Resize180135
100均のLEDライト。
これも、ライトの点滅モードとか制御するのにつかわれている。

不足の一番の原因はコロナ。
世界各地でロックダウンが起きたりして、
半導体工場が稼働できなかったり、材料が入ってこなかったりしました。
物流も混乱していて、それによる調達問題も生じています。
また、コロナによってPCやゲームの需要が一気に増えたことも原因です。

カメラ関係の半導体だと2020年に起きた旭化成の工場の火災も大きい。
ナノオーダープロセスの半導体工場だと、空気中のわずかなホコリも製品に影響してしまうので
クリーンルーム内で作られていたりするので
工場を再度立ち上げるのにも非常に時間がかかります。

半導体を作る設備のパーツすら不足している状態。
この状況がいつまで続くかは専門家でも意見が分かれている状態です。

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