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2024年11月13日 (水)

・写真編集時の周辺環境について

写真の色味を整えたり、RAW現像をPCで作業するときの作業環境は大事という話です。
写真に限らず動画編集でも同じ。

・外光が入らず明るさが一定の部屋
 こういう部屋はNG
 Download
 
 目は明るさや色に順応してしまうので
 明るさや色が変わると同じ画像を見ていても違う色などに見えてしまいます。
 Resezed188066


グレーの円はすべて同じ明るさだが、左のほうが暗く見える。
色についても同じです。
黒い点を20秒見つめていて、その後画面全体が白くなると、見ていた色の補色が残像で見える。
Iro

 

 
なので、写真編集時には窓はカーテンやブラインドで閉めたほうが良い。
また、部屋の照明は電球色とかのLEDではなく、5500Kの白色、演色性が高いものが良いでしょう。


 


照明の変更ができない場合は、電気を消して暗くしてしまうというのも手。

また、照明だけでなくPCのほうを向いて作業したときに目に入る壁紙なども
無彩色にしておくのが良いです。
PCの壁紙も無彩色にしておくのがおすすめ。
私は自分で撮った写真をグレースケールにして使用してます。
Hikakumei_result


2024年11月 2日 (土)

・クアッドピクセルのさらに上をいくセンサー


5年前にクアッドピクセルのセンサーについて記事を書いていましたが、
この仕組みのセンサーは進化し続けています。

Quad_20241102204101

クアッドピクセルセンサーの次に出たのが
オクタピクセルセンサーです。
その名前の通り、8つの画素でひとまとまりになったものです。

Sensor-1
図の中の〇はオンチップレンズ(マイクロレンズアレイ)を表したもの。

クアッドセンサーの各画素がデュアルピクセルになり、
すべての画素で像面位相差ができるようになったセンサーです。

さらにシャオミRedmi Note 13 Pro+ 5Gなどの2億画素のスマホは
16画素でひとまとまりのセンサーです。
Sensor-2_20241102204201
サムスンのは各画素にオンチップレンズがある模様。

フルサイズ一眼でも4000万画素くらいなのに、
スマホに2億画素も必要ないと思うかもしれません。
このセンサーは実際には16画素加算(ピクセルビニング)で使用されます。
2億÷16 = 1250万画素で基本的には使用します。
画素加算することでノイズにも強くなります。

最近はこの手のセンサーはロスレスズーム機能で使用してます。
下の図のように白枠で囲った4画素ずつを画素加算することで
1250万画素のまま、解像度を落とさずに2倍ズームができます。
Sensor-3

さらに画素加算をまったくしないと4倍ロスレスズームもできます。
Sensor-4

※画素加算しない分画質が下がるのと、
 レンズ解像度が上がるわけではないのには注意。

スマホは全部このセンサーにすればいいじゃんと思うかもしれませんが、
欠点もあります。
一番はコスト。このセンサーを積むとスマホの値段にコストが跳ね返ってきます。
また、画素数が多いので電力も高い。
読み出し速度も遅くなる、などがあります。
なので、スマホ端末のたーげとユーザに応じてセンサも使い分ける必要があります。

2024年10月30日 (水)

・彗星を撮った時の設定2

紫金山・アトラス彗星は去ってしまいましたが、
次の大彗星が来た時に備えてメモしておきます。

彗星を撮影できる時間帯は2つあります。
一つ目は日の出前。
前回の記事で書きました。

今回は日の入り後に彗星が見えるときの撮影の設定です。
撮影場所の探し方などは日の出前の時と同じです。
彗星が見える方角にだけ注意。


日の入り後の彗星撮影で一番難しかったのは
彗星が見える場所の探し方でした。

日の出前の撮影の時は、空が暗いので
そのあたりの方角にカメラを向ければ容易に発見できました。
日の入り後の場合は、空が明るいのでなかなか見つけられない。

私はstarwalk2を使ってARの力で発見。
Resezed187986

いつも紹介していたソフトはstarwalk(無印)なのに注意。
2も有料でお金かかるのですがそれだけの価値はあります。

AR重畳で彗星の位置を示してくれるので場所をすぐに特定できる。

 

また、空がそれなりに開けてる場所なら同じ目的の方がほかにもいると思うので
その人に聞くというのも手の一つ。
同じ趣味の仲間として情報交換するのも楽しいです。

日の入りから40分後にようやくとらえた彗星
Resezed187982

見つけさえすれば後は簡単。
赤道儀使う場合は、都心での新星景写真の撮り方のように構図を決める。


赤道儀がない場合は、
焦点距離70mmくらいの場合は
まだ明るいうちは、シャッター速度優先で大体2秒くらいにシャッター速度を固定して、
絞りとISO感度で明るさを調整して撮ります。

だんだん空が暗くなってくると彗星がはっきり映ります。
Resezed187987

ただ、地平線に近づくほど、空気が霞んでいるので、
ベストの位置で撮るのが難しい…。
(高い山なら、低い空でも空気が澄んでるけど)

沈む彗星の現像結果

Resezed187988  

また、その翌週に富士山と彗星。
Resezed187989  

三回目の撮影では、星も結構写り、コンポジット合成ができたので
彗星のアンチテールも映し出すことができました。

2024年10月 5日 (土)

・彗星を撮った時の設定

今まで彗星を撮るタイミングはあったのですが
今回の紫金山アトラス彗星で初めて彗星撮影に成功しました。

Resezed187860

忘れないように設定などをメモしておきます。


彗星が良く見えるのときは太陽の近くにいるので
日の出前か日没後のわずかな時間しか見えない。
見える方角は日の出前の時は東、日没後は西の空。

なので、彗星を見る場合は東か西の空が開けてる場所である必要があり。

また、彗星が見える細かい方角は、太陽の近くにいるということなので
日の出や日没の方向を確認すればよい。
今回は日の出前に見える彗星を撮影したのでその時を例として記載しておきます。


Img_3035
LightTrackというアプリで日の出の方向がわかるので、
これとGoogleストリートビューで撮影場所を探す。
特に前景と合わせたい場合はちゃんと方角があってるか注意が必要。

また、彗星は低い空に見えるので薄い雲の影響も受けやすいので
なるべく標高が高い場所のほうがいい。
今回の彗星程度明るければ海沿いでも十分だと思いますが…。

彗星が地平線から昇る時刻もStarWalkというアプリで確認しました。
Img_3066
大体4:30。

後は現地に1時間前くらいには行ってセッティング。

普通の星などの天体を撮るときは、コンポジットを行って
ノイズ除去とかするけど、彗星だと位置合わせがうまくいかないことがあるみたいなので
一枚撮りで感度を下げることにしました。
なのでシャッター速度を長くするために赤道儀を使用しています。
極軸合わせは方位磁針で大雑把に合わせただけでも十分です。

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レンズは70-180の望遠ズーム。


 


KANIの光害カットフィルターも付けました。

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光害カットフィルターを付けておくと、夜明け前の空の色もいい感じになります。

そろそろ彗星が出てくる、という時間になっても目視では全然わかりませんでした。
双眼鏡も持ってきましたが全然わからない…。

でも撮影するとわかりました。
Atras

彗星の尾が写っていました。
今回の彗星は尾がながい。

Resezed187851
彗星が出てきてすぐの時の露出は以下の設定でした。
F3.5
ISO640
30sec

もうちょっとISO感度下げて60secにしてもよいかもしれない。
時間が限られる彗星撮影であんまり長秒にしたくないけど…。
ISO6400まで上げれば、赤道儀はなくても撮れる。

20分後。だいぶ明るくなって、彗星の位置も高くなってきている。
Resezed187852
これくらいになると設定は以下でした
F5.6
ISO125
25sec
大体4段分くらい明るくなっていました。
これくらい明るくなると、尾の淡い部分がほとんど映らなくなってしまっていました。
日の出の50分くらい前です。
10月中旬以降は夕方に見れるのでこれの逆になります。

2024年9月12日 (木)

・面内ブレ(ブラー)を防ぐ

動画撮影時は面内ブレと面間ブレ、二つのブレに気を付ける必要があります。
以前書いた面内ぶれと面間ブレの記事。


面間ブレは、電子手振れ補正や、
動画編集ソフトでのスタビライズ機能で補正することが可能。

電子手振れ補正機能のみのカメラで撮影すると
以下のような動画が撮れる場合があります。

Photo_20240912223201

手振れは抑えられているのですが、何となくぼやけたような映像になっています。
この現象は面内ブラーとかにじみとか残像ブレとか言われたりします。

一枚切り出し。
Blur




一枚切り出しで見てみると、普通に手振れしたような画像になっている。
この手ぶれ(面内ブレ)によって動画ではぼやけたように見えてしまうのです。
ただ、この面内ブラーは電子手振れ補正をかける前の動画では目立ちません。

Timeline-1

手振れ補正をかけるまえは、そもそも画面全体のブレがひどいのと
面内のブレの方向と画面全体のブレの方向が一致するので、
あまり気になりません。
面内ブラーは電子式手振れ補正をすると目立つ現象です。


この現象を防ぐ方法として一番効果的なのは光学手振れ補正を使用することです。
ただし、カメラに機能がついてない場合は使えません。
その場合は、シャッター速度をなるべく早くするのことで対策できる。

ただし、その分ISO感度を上げて撮影する必要があるため
夜間などはノイズが目立ってしまいます。
最近は動画編集ソフトでのノイズ除去も優秀なので
面内ブラーよりはノイズのほうがましです。
ただ、夜間は1/100(西日本は1/120)より早くするとフリッカーが出る場合があるので注意。

2024年9月 1日 (日)

・星をより輝くように見える現像方法 (疑似ソフトフィルター)

星景写真や天体写真ではソフトフィルターを使用して
明るい星を大きく映すことが良くありますが、画像処理で何とかならないか考えました。

広角レンズで実際のソフトフィルターを使うと
画像周辺部では星像が放射方向に延びてしまったりします。

Resezed187569

また単純にソフトフィルターを持っていくのを忘れたり…。

そこで画像処理で何とかしようといろいろ考えた結果を共有します。


まずフォトショップなどのレイヤー処理ができるソフトで
画像を読み込みます。
読み込んだ後に、同じレイヤーを作成して二つに。
Softfilter-1

下側のレイヤーだけトーンカーブなどを使用して明るくしておく。
1_20240901001101

上のレイヤーにマスクを貼って
下の明るくしたレイヤーが見えないようにします。
2_20240901001101

明るい星の部分だけブラシでマスクを除去(黒で塗る)
すると星の部分だけ明るくしたレイヤーが見えるようになります
Softfilter-2

処理前と処理後のアニメーション
Output

この処理方法が現状では一番自然に見える気がします。
ソフトフィルターという名前の通り、
ぼかした画像と比較明合成するなども試しましたが
それではうまくいきませんでした。

2024年8月12日 (月)

・アトムレンズの黄変を直す2

前回の記事


アトムレンズと呼ばれる放射線を発する硝材を使って作られたレンズは
時間がたつと黄色に変色する問題を抱えています。
紫外線を当てると改善するという話があり、前回試しましたが、
当てた時間が短かったのかあまり効果がありませんでした。

そこで今回は1週間以上炎天下に置き変化を確認してみました。

確認方法は、
太陽光下に置く前と置いた後で、同じ被写体、同じ光源で撮影。
現像時に同じパラメータで現像して、色の違いを確認します。

2_20240812223301

撮影した画像がこちら

太陽光にあてる前
Resezed187440


太陽光にあてた後

Resezed187439

太陽にあてた後の色を基準として、その色がグレーになるように
ホワイトバランスをそろえました。

見た目でも、太陽にあてる前のほうが若干アンバーっぽい色になってるのがわかります。

数値で評価すると子のようになります。

1_20240812223301

Δabで2以上離れていて、
beforは黄色方向にずれています。
前回と明らかに異なり、これはしっかりと紫外線で黄変が改善してると言えます。

2024年7月31日 (水)

・laowa 10mmF2.8 ZERO-Dを確認

ニコンZ用の超広角レンズとして購入してみました。
発売日前に予約したのに、届くのに3か月くらいかかった…。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

LAOWA 10mm F2.8 ZERO-D FF (AF) ソニーE用 《納期約2ヶ月》
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今までフルサイズ用超広角レンズはペンタックスKマウントでLaowa12mmを使ってたので
そこからさらに2mmも広角に。
Zマウント用ではAFも使えます。
(電子接点との接触が少し悪いので、レンズ装着時に注意。
うまくAF動かないときはレンズを回したりすれば行けました)

開放から1段ごとに絞って撮影

F2.8
Resezed187346

F4.0
Resezed187345

F5.6
Resezed187347 

F8.0
Resezed187343

F11
Resezed187344

中心部付近を拡大
_dsc_9318_all

中心付近は開放でもかなり解像度が高い!

6割くらいの中間像高あたり
_dsc_9318_all1
この付近は解像度が凄い悪く、係留禁止の看板の文字がほとんど読めません。

8割像高あたり
_dsc_9318_all2
先ほどの6割像高のあたりとは異なり、この部分のほうが看板の文字が読めます。
通常は周辺に行くほど解像度が下がる物ですが、
このレンズでは中間でいったん解像度が下がった後、その外側は若干解像度が上がります。
超広角レンズで、歪曲収差頑張って補正した影響が出てるのかもしれない。

最 周辺部
_dsc_9318_all3  

流石にこのあたりはコマ収差などが厳しい。
絞っても像性能はあまり改善しない。

 

天体撮影に使えたらいいなーと思い星空撮影。

 

F2.8開放で撮影
Resezed187351

 

SNSようで小さいサイズで見れば問題ありませんが、
少し拡大すると星の放射方向への流れがとても気になります。
とくに6割像高程度の位置でも流れている。

Result2

また、周辺光量落ちが大きく、
最周辺部(9割像高あたり)ではノイズに埋もれてしまっています。
可能ならF4.0くらいまで絞らないと厳しい。
星空撮影にはこのレンズは厳しいという印象。
パースを活かした写真を撮るのには良さそうです。

Resezed187348

Resezed187349

Resezed187350

 

2024年7月28日 (日)

・laowa 45mm F0.95で星撮影/ホタル撮影

超大口径レンズが活きる暗所での撮影、
星撮影とホタル撮影でlaowa45mmF0.95を使ってみました。


・ホタル撮影
絞り開放F0.95で撮った結果がこちらです

Resezed187338

前回のチャート撮影時では口径食厳しいかなと思ったのですが
実撮影で意外とそれほど気にならない。

F2.0相当まで絞った場合
 Resezed187339

口径食はほとんど気にならなくなりました。
ただ、ボケの大きさは小さくなるので、ここは意図した表現になるように調整すれば良さそう。


・星撮影
絞り開放はさすがに厳しいのでF2.0まで絞って撮影

Resezed187340

周辺部

Result_20240728201701

F2でそれなりにコマ収差は気にならなくなります。
気になるならF2.8まだ絞ればよさそう。

この開放F値でこの値段であれば結構お買い得です。

 


2024年7月21日 (日)

・キヤノンのフラグシップミラーレスEOS R1がついに発表

キヤノン・ニコン・ソニーと
一眼レフからミラーレスに本格移行して数年
ついにキャノンからもミラーレスフラグシップ機が発表されました。
個人的に気になった部分をまとめておきます。

・メカシャッター時最高12コマ連写
 一眼レフのEOS1DXの時は16連写でした。
 一眼レフ時のほうがミラーを動かすなどハードルが高いのに。
 電子シャッター時は40コマですが、電子シャッターの歪補正の性能が上がり
 メカシャッターはあんまり必要ないということの割り切りだろう。
 実際他社機ではメカシャッターを搭載していない機種も増えている。
 
 
・AIによる超解像とノイズ除去機能
 AIで400%に拡大する機能がありますが、この機能には実物を見るまでは
 まだ懐疑的です。
 ハイスペックグラボを積んだPC用のソフトすら
 超解像では不自然な画像に場合もあるし処理時間もそれなりにかかります。
 
 レンズ情報や画像処理の詳細がわかっているとはいえ、
 そこまで高精度にできるとも思えません。
 
 理由のひとつ目は、それだけの専用の画像データを果たして集められているのか。
 超解像をやるためには数千万枚などのオーダーで学習データを集めます。
 新規センサーで新規の絵作りの画像をこれだけ集められるのか疑問。
 
 理由の二つ目は、専用のセンサーレンズ画像処理をしている
 iPhoneのデジタルズームですら微妙だからです。
 iPhoneのデジタルズームも超解像を使用してますが、
 特に文字は象形文字のように不自然になることが知られています。
 Img_2406
 
 スポーツ用のカメラだと、選手のユニフォームに印字されたスポンサー名などが
 こういう風に象形文字になってしまうとかなり怒られると思う。
 
 
AFについてはかなり凄そうですが、使ってみないとわからないので
ここでは言及いたしません。

 

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