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2013年10月15日 (火)

・回折限界とは

カメラをやっているとよく聞く言葉の一つに
「絞りすぎると回折の影響で解像度が下がるよ」

このブログでも過去に触れたことがある内容です。
絞ることで被写界深度が深くなり
手前から奥までピントが合う(ように見える)のですが、
絞りすぎは良くないと。
だけど何故そうなるのかを理解している人は少ないと思います。

光は光子(物質)であり、また波(エネルギー)でもあります。
波には波長が長いほど(周波数が低いほど)障害物の陰に回り込みやすい
という性質を持っています。

Photo_2

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この回り込む現象を回折現象といいます。
携帯電話などでよく言われるプラチナバンド。
プラチナバンドは800MHz~900MHz帯の周波数の電波です。
現在多く使われているのは1.5GHz~帯です。
波長の長い800MHz帯の方が建物の陰などに電波が回り込みやすく
つながりやすいです(プラチナバンドという名前のゆえん)。

電波も光(可視光線)も波長が違うだけで同じものなので
結局は同じことが起こります。
ただし、光は電波に比べて波長が非常に短く直進性が強いので
通常はあまり気になりません。

しかし、光の通過する開口部が小さいほど回折現象は大きくなり
画素ピッチが小さくなるほど、少しの回折でもうつる写真への影響は大きくなります。

18_4  

小さな開口部を通過すると、
エアリーディスクと呼ばれる光の広がりが現れます。
この広がりが隣り合う二つの点光源同士で重なってしまうと
ぼやけてしまいます。
エアリーディスクの大きさをxとすると以下の式によって回折限界が分かります。

x = 1.22 * (λf/d);

λは波長、fはレンズの焦点距離、dは開口部の直径である。

(f/d)はF値なので、
x = 1.22 * (波長) * (F値) になります。

波長が長いほど(赤い光ほど)エアリーディスクが大きくなります。
絞りを絞るほどエアリーディスクが大きくなります。
550nmの波長の光(緑色の光)で上記式に当てはめると以下の様になります。

F2.8    1.88μm
F4.0    2.38μm
F5.6    3.76μm
F8.0    5.37μm
F11    7.38μm
F16    10.74μm
F22    14.76μm

これでセンサの画素ピッチと比較してみると…

高級コンデジ:1200万画素で1/1.7inchセンサ:回折限界 F2.8
一眼レフ    :1400万画素でAPS-Cセンサ     :回折限界 F8.0
一眼レフ  :2400万画素でAPS-Cセンサ    :回折限界 F5.6
一眼レフ  :2100万画素でフルサイズ   :回折限界 F11

回折限界よりもF値を大きくしても解像度は絶対に上がりません。
ただし、F値を大きくするとレンズの収差が抑えられていくので
収差による解像度の低下は改善される可能性はあります。


まぁ、等倍で見なけりゃわからないんですけどね。
普通に使う分には、自分の表現に合わせて絞りを決めていいと思います。
このカメラだとF5.6より絞ってはだめだ、と決めてしまっては
表現の幅が狭まります。

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