・被写界深度と錯乱円の関係
あなたは錯乱円と言うものをご存知ですか?
ご存じない?そうですか、そんな事は全く問題ではありません。
レンズ設計者とかカメラ開発者とかしか知らなくても問題ないので気にしないでください。
知ってると写真撮影時にちょっとだけ役に立つかもしれないです。役に立たないかも。
許容錯乱円をマスターするとボケの理解が激変、
今まで「なんでセンサーサイズが大きいとボケるのかなぁ」と悩んでいた
中級カメラマンでさえも積極的にウンチクを垂れるようになり、
周りの写真仲間ががマイナス18倍楽しくなる事でしょう!
錯乱円とはパープルフリンジの記事の時に書いた
球面収差によって焦点が一点に定まらないという原因から来ています
(それ以外も有りますが)
光軸を横にとった平面図では
像面上の光軸の幅でしかわかりません。
上の図の像面に写る像を表した右のぼやけた円が錯乱円です。
この錯乱円の大きさが十分に小さくて、写真として問題ないぎりぎりの大きさを
許容錯乱円といいます。
フィルムカメラではフィルムのフォーマットサイズによって
許容錯乱円の大きさを決められていました。
小サイズ | APS-C | 22.5mm x 15.0 mm | 0.019 mm |
---|---|---|---|
35mm | 36 mm x 24 mm | 0.026 mm | |
中判 | 645 | 56 mm x 42 mm | 0.043 mm |
6x6 | 56 mm x 56 mm | 0.049 mm | |
6x7 | 56 mm x 69 mm | 0.055 mm | |
6x9 | 56 mm x 84 mm | 0.062 mm | |
6x12 | 56 mm x 112 mm | 0.077 mm | |
6x17 | 56 mm x 168 mm | 0.109 mm | |
大判 | 4x5 | 102 mm x 127 mm | 0.100 mm |
5x7 | 127 mm x 178 mm | 0.135 mm | |
8x10 | 203 mm x 254mm | 0.200 mm |
(参考:Wikipedia)
デジタルカメラでは画素ピッチ(一つ一つの画素の大きさ)より
錯乱円が小さければ、解像度に影響しないので、
それが許容錯乱円になります。
(ただ、一般的にいまだにフィルムと同様の数値を用いているのは如何なものか
と思います)
下の図は許容錯乱円と被写界深度を表した図です。
奥の被写体と手前の被写体の錯乱円が
許容錯乱円よりも小さければピントが合ったのと同等です。
錯乱円が許容錯乱円に入る範囲が被写界深度です。
絞りを開放にすると被写界深度が浅くなります。
錯乱円の大きさがボケの大きさでもあるので、
開放のほうがボケることも同様に分かります。
(訂正)作図が間違っていたので直しました
カメラマン仲間にウンチクたれて
18倍うざがられましょう。
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