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2013年10月17日 (木)

・蛍光灯のフリッカー

蛍光灯は点滅をしています。
切れかけの蛍光灯なら目で見てもよくわかりますが、
真新しい蛍光灯でも一秒間に100回or120回点滅しています。
この点滅のことをフリッカーといいます。

最近の家庭の蛍光灯はインバータータイプなので
フリッカーはほとんど出ませんが
昔ながらの黒い小さい電球みたいなのを使う
グロースタータータイプの蛍光灯では顕著に出ます。

え、いきなり何の話してるの?
と思うかもしれませんが、蛍光灯下での撮影では
このフリッカーがかなり厄介な存在になります。

下の写真を見てください。

Resize049169

これはライン読み出しの電子シャッターで撮影した画像です。
電子シャッターは携帯のカメラとかで使われているシャッターです。
シャッター音がしません(盗撮防止で音鳴らしてるけど)。
詳しい仕組みはいづれ書くとして
この写真はカメラによる不具合ではありません。

次の写真は一眼レフで撮影しました。
フォーカルプレーンシャッターでスリット走行状態です。

Resize049170

暗い所と明るい所があります。
これもカメラの故障ではありません。

最後の写真です。
一眼レフでスリット走行にならない1/125ssで撮影しました。

Resize049171_2
Resize049172

暗く撮れた画像と明るく撮れた画像があります。
AEが壊れたわけではありません。

これらはすべて蛍光灯のフリッカー(点滅)によるものです。
ではどうしたら防げるのか。


一般的に家庭やオフィスの電源は交流電源です。
交流電源は波になっています。
東京とかの東日本は50Hz、大阪などの西日本は60Hzです。
交流のマイナス側は折り返して考えられるので
東京では100Hz、大阪では120Hzで点滅しています。
下の図は東京での例です。横軸が時間。

Resize049177

一つの山は1/100ssです。
シャッター速度が1/100より長い場合は
いつ撮影しても山の面積(露光量)は同じです。
下の図で赤い部分と青い部分の面積は同じです。

Resize049178

※ y=∫|sinθ|dθ を計算すると分かります。

シャッター速度が1/60とか1/80ならばフリッカーの影響は出ません。

しかし、1/100よりシャッター速度が速い場合、
シャッターを切るタイミングによっては露光量が同じになりません。

Resize049179

赤い部分と青い部分で面積が違います。
そのため、暗くなったり明るくなったりするのです。

蛍光灯のフリッカーも閃光発光と同じようなものなので
スリット走行や電子シャッターの時には
「ストロボ同調速度について」と同じような現象が起きてしまいます。

これが最初の方に載せた写真の原因です。

グロースタータータイプの蛍光灯下では
シャッター速度を遅くする必要があります。

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コメント

はじめまして。フリッカー勉強中の者です。
突然の書込にて失礼しますが、記事中に誤りを見つけましたのでお伝えします。


>シャッター速度が1/100より長い場合は
>いつ撮影しても山の面積(露光量)は同じです。
>※ y=∫|sinθ|dθ を計算すると分かります。
露光量が一定となるのは、シャッタースピード:1/100の整数倍(=山の数がちょうど整数個)のときのみです。
1/80などでは一定となりません。(ただし、シャッタースピードが長いときには、フリッカーの影響は小さくなりますね。)


また、積分すべきは電源電圧波形(sin波)でなく、蛍光灯の照度波形ですね。
(もし、既にご承知でしたら(これらが似ていると考えて簡易的にsin波を積分しているのだとしたら)すみません。)
参考: http://blog.zaq.ne.jp/igarage/article/1094/


以上、ご参考までにお伝えします。失礼しました。


こんにちは。
ご指摘どうもありがとうございます。

蛍光灯の点滅の波形については
大雑把にsin波なら計算しやすいし、
実使用上あまり問題にならないかなと思って
記載しました。
精確な波形については測定していなかったので
リンク先のページはとても勉強になります。
整数倍でなければ確実に一緒にはならないですね。
劣化してリプルが大きくなったりしたら問題も大きそう。
何Evまで誤差として許容するかなども考慮する必要がありそうです。

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