・光と分光感度 第1回:光の色
写真は被写体というより
正確には光を撮影したものです。
その「光」というものについて何なのかということを
少しずつ書いていきたいと思います。
最初はカメラや写真とはあまり関係ないことに感じるかと思いますが
最終的にはホワイトバランスやセンサーの特性にまでつながる話なので
知っておくと理解が深まると思います。
ウィキペディアとか見るとすごい詳しく書いてありますが
このブログではなるべく数式とか記号を使わず
図で説明したいと思います。
光の進む速さとか時間の概念とかは別分野になるので割愛します。
まず、光とは波(エネルギー)であり粒子でもあります。
光のイメージ
写真では波の性質が重要になることが多いので
波としての光を考えていきたいと思います。
光(可視光線)は電磁波の一種です。
波なので波長という概念があります。
波長とは波の山と山の間隔です。
同じ電磁波でも波長が異なると
用途がかなり異なることが分かります。
とても短い波長だと、X線などの放射線の一部になります。
長くなってくると紫外線。
400nm(ナノメートル)ぐらいから人間の目に見える光で
400nm~700nm位まで目に見える可視光線となります。
それよりも長いと、赤外線、ラジオの電波等になっていきます。
ここから先は可視光線領域だけ考えていきます。
人間の目に見える波長がだいたい350nm~780nm位です。
光の色はこの波長によって決まります。
例えば、下の青は大体470nm、緑が550nm、赤が610nmの波長です。
(もちろんモニタの性能によって多少違います)
パソコンのモニタやテレビ、スマホの液晶画面を
虫眼鏡などで拡大してみるとR(レッド)G(グリーン)B(ブルー)の
三つの光源で成り立っていることが分かると思います。
液晶モニタの拡大写真
このRGBの三色がいわゆる「光の三原色」と言われています。
液晶モニタではこの三色の波長である
470nm、550nm、610nmの光だけを出しているわけではありません。
実際にはそのほかの波長の光も混ざってしまっています。
上の図のような横軸が波長で縦軸がその波長での光の強さを表したグラフを
分光分布図
といいます。
何色の光がどれだけ含まれているかを表しています。
一般的に光の三原色を混ぜれば白になり、
混ぜる比率を変えることでどんな色でも作り出せるといわれています。
しかし、それは間違っています。
次回は原色について説明していきます。
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