・光と分光感度 第2回:光の三原色は間違い
光の三原色とは
赤 R 緑 G 青 B
の三色です。
この三色の混合割合でどんな色でも再現できるといわれていますが
これは間違いです。
正確には「障害がない人のニンゲンの目で見てほとんどの色が再現できる」
です。
そもそもなぜRGBなのかというと
人間の目の網膜にある色を感じる細胞(錐体)には三種類あり
赤によく反応する細胞、緑によく反応する細胞、青によく反応する細胞
の三種類があるためです。
それぞれの錐体細胞の感じる光の分光分布図
※wikipediaより
それぞれの錐体がどれだけ反応したかによって
脳でその割合を計算して色を識別しています。
赤と青と緑がある反応を示せば
総合して脳は「白」と認識しているにすぎないのです。
当然それぞれの錐体の数には個人差があるので
同じものを見ても、脳が認識する色彩は違う可能性があります。
例えば下の二つの赤の違いが分かりますか?
私は識別できません。
重ねてみるとこんな感じです。
微妙に違います(液晶の質によっては分からないかも)。
重ねなくても、緑色に反応する錐体と赤色に反応する錐体を多く持っている人には
違いがはっきり分かるかもしれません。
逆に赤の錐体を全く持っていない人(色覚異常)にとっては違いが分かりません。
下の文字が読めない人が日本人男性では4.5%いるそうです。
私の弟もそうです。
違う色の図
しかし、生まれたときから見ている世界の色がそもそも違うので
色覚異常の人にとっては、見ている世界は異常でもなんでもありません。
その人にとってはそれが普通であって、他人に指摘されたり
検査を受けないと違いに気づかないものです。
動物の中には赤外線まで見ることのできる種類もいます。
人間には(普通の人は)見えません。
見えないからと言って異常だとか言わないのと同じです。
話が少しずれましたが人間の目において青緑赤に反応する
細胞があるのでそれが光の三原色になりました。
赤の錐体が無い人にとっては光は2原色です。
また、女性の中には4原色の人もいるらしいです(自覚は不可能)。
つまり、光の三原色RGBは大多数の人間の都合のよいように作られただけで
色の概念というものは個人個人や動物によって違うものです。
次回は人間の目の分光感度とセンサーの分光感度について
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