・光と分光感度 第3回:カメラのセンサの分光感度
第2回で光の三原色の赤青緑について書きました。
人が使う分には赤青緑の三原色で特に問題が発生しないので
パソコンやテレビ、カメラなどではこの三色で色を表します。
カメラ上で色を記録するには、人間の目の錐体と同じ仕組みが必要です。
つまり、赤を感じるセンサ、緑を感じるセンサ、青を感じるセンサ
が必要になります。
デジタルカメラのセンサーは輝度(明るさ)だけを電気信号に変えるので
そのままでは色は表現できません。
色の表現を実現する為に、センサの表面に
青の光だけを透過するカラーフィルタ、
同様に緑と赤の光それぞれだけを透過するカラーフィルタが
ついています。
それが格子状に並んでベイヤー配列をなしています。
ただし、RGBそれぞれのセンサが特定の波長のみに反応してしまうと
問題が起こります。
上の図のように完全に分離していると
赤と緑の中間である黄色-オレンジの光に全く反応しなくなってしまいます。
じゃあ、人間の目には黄色が見えるのはなぜ?
ということになってしまいます。
人間の目における分光感度は下のグラフの様になっています。
出典:wikipedia
黄色の波長は大体580nmです。
この光があたった時に反応する錐体は
赤:10 緑:7
位の割合です。
つまり、RGBの割合が10:7:0で刺激を受けると黄色と脳が判断します。
3つの錐体の反応する範囲がそれぞれ重なっているので
こういった判断ができます。
ちょっと見方を変えてみると、
580nmの光と、
緑の光(550nm)と赤の光(650nm)の二つの光が同時に光っているものは同じに見えます。
どちらの場合も
赤:10 緑:7
の刺激が与えられてると区別がつかないためです。
赤と緑の光が混ざると黄色に見えるはずです。
完全に黄色です。
だけど、拡大してみるとやっぱり緑と赤です。
緑の波長の光と赤の波長の光を混ぜて黄色に見せています。
570nmの波長の黄色ではありません。
570nmの波長の黄色はディスプレイでは絶対に表せないです。
プリンタで上の画像をプリントすれば、大体570nmの黄色になります。
話が脱線してきて書いていてもよくわからなくなりましたが
脱線したまま続けたいと思います。
目の分光感度のグラフで、赤の錐体の感じる波長は青の錐体と
重なる所があまりありません。
赤と緑は重なる部分があるので混ぜると黄色になることが理解できます。
じゃあ、赤(650nm)と青(450nm)の光を混ぜるとどうなっちゃうの??
次回、幻覚の色マゼンタ(ピンク)について
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