・センサで重要な性能、ダイナミックレンジ
センサーサイズが大きいほうがいい、
高感度性能がいい
とよく言われますが、
センサー性能にはどのようなものがあるのか。
DxOというところがセンサーのスコアを出しています。
そこで評価項目として挙げられているのが以下の三つです
・高感度耐性
・色の再現性
・ダイナミックレンジ
まずは高感度性能ですが
これはISO感度を上げてもどれだけノイズが少ないかを表します。
5年くらい前のデジタルカメラではISO1600でノイズだらけで
使い物になりませんでしたが
最近はISO102600など桁違いに増えています。
もちろんこの性能がいいほうが、暗い所でもきれいに撮れます。
また、高感度性能が良いカメラは低感度でのノイズも良くなります。
次に色の再現性。
色がくすむことなく、どれだけ正確に表せるかを示しています。
これは現在のCMOSセンサーよりCCDセンサーの方が
発色が綺麗だったとよく言われます。
高感度は使い物になりませんが、この発色のためだけに
CCDのカメラを手元に残している人も少なくありません。
最後にダイナミックレンジ
これは非常に重要な要素です。
ダイナミックレンジとは
明るい部分と暗い部分が混在するシーンで
明るい部分と暗い部分がどれだけ表せるかを示すものです。
下の画像では木の影の暗い部分がつぶれてしまっています。
木の影を明るくするために露出を上げると
今度は空が真っ白になってしまいます。
この暗い部分と明るい部分がどの程度表せるかが
ダイナミックレンジの広さです。
フィルムの時はラティチュードと呼ばれていました。
ネガフィルムが広く、ポジフィルムが狭いです。
しかし、単純にダイナミックレンジが広いだけだと
コントラストがあまりない、眠い画像になってしまいます。
しかし、デジカメであればガンマ(トーンカーブ)を
適切にかけることでしっかりした画像にできます。
逆にダイナミックレンジが狭いと明るい部分はすぐに真っ白になり
暗い部分はすぐにまっ黒になってしまいます。
ダイナミックレンジがとても狭いセンサだと写真は非常に見た目が悪くなってしまいます。
ダイナミックレンジはセンサの大きさが大きいほど広くなる傾向があります。
また、画素数が低いほど広くなる傾向があります。
高画素数≠高画質です。
(技術の進歩で一概には言えませんが)
高級コンパクトではわざと画素数を抑えている機種が多くあります。
1万円くらいのコンデジでは画素数が1600万画素などあったりしますが、
これは、デジカメに詳しくないユーザは
画素数が多いほど画質がいいと思い込んでいる為です。
メーカとしても高画素化はあまり歓迎しないのですが
1000万画素のコンデジと1600万画素のコンデジでは
1600万画素のコンデジが売れるので商売上仕方がない部分もあります。
コンデジで1600万画素もレンズの解像度が追いつかないし…。
そもそものデジカメのセンサはダイナミックレンジがフィルムに比べ狭いので
できる限り広いほうが有利になります。
また、センサは明るい方向には弱いが、暗い方向には強いという特性もあります。
白飛びした所はどうしても復活しませんが
黒つぶれしたと思っていた所は明るくすると諧調が残っていることがあります。
そのため、デジカメでは後で編集する場合、少しアンダーで撮影する傾向があります。
もちろん、暗い所を持ち上げるとノイズが増えますのでご注意ください。
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