・光と分光感度 第5回:カメラのセンサと色分離
第1回:光の色
第2回:光の三原色は間違い
第3回:カメラのセンサの分光感度
第4回:幻覚の色マゼンタ(ピンク)
ようやく本題です。
第4回までで、人間の目には
色は光の波長ではなく
RGBの混ざる比率で表されることを書きました。
カメラも同じ仕組みで色を判別しています。
下の図があるベイヤーセンサーの分光分布図です。
人間と同じようにRGBを認識するセンサがあり
それぞれに反応する光の波長があります。
人間と同じようにRGBで重なっている所があり、
この重なりの割合を計算することで正しい色(ヒトが見たときと同じ色)
を求めることができます。
ところで、もう一度ヒトの視覚の分光分布図をみると
ずいぶんと赤と緑に重なりがあることが分かります。
これはビタミンCを多く含む果実の
熟れ具合(緑ー黄色ー赤)の変化を敏感に感じ取るために
緑と赤の錐体が多く重なっているのではないかと考えられています。
しかし、この特徴をそのままカメラに引き継いでしまうと
緑ー赤の間の色の変化を、制御が難しくなります。
特に一番重なる黄色系の色の表現が難しくなり
色再現が悪くなります。
よくあるシーンとしては、夕暮れや電球色光での撮影です。
シグマのフォビオンセンサは積層型とよばれる特殊なセンサですが
下の図の分光分布のように色分離があまり良くありません。
そのため、正確な色再現が難しくなります。
データ量自体は通常のベイヤセンサに比べて沢山あるので
RAW現像で正しい色を出してやれば素晴らしい写真になります。
次回結論予定。
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