・アナログゲインとデジタルゲインの差
デジカメのISO感度は
信号を増幅(ゲインをかける)することで決まります。
元の信号をどれだけ増幅するかがISO感度に関係します。
例えばISO100からISO400にするには
信号を4倍に増幅します。
信号を増幅させることで少ない光でも
明るく写すことができます。
しかし、ノイズも増幅されるので
感度が高いほどノイジーな画像になります
ゲインをかけるタイミングは2回あります。
ひとつはデジタルになる前のセンサの電荷を増幅する方法です。
アナログ値にゲインがかけられるのでアナログゲインといいます。
もう一つはデジタルに変換された後に画像処理でデータ値を増幅する方法です。
こっちはデジタルゲインといいます。
デジカメのISO感度設定ではほとんどアナログゲインです。
デジタルゲインはシャドー補正や周辺減光補正、ホワイトバランスなどに
使われています。
また、アンダーに撮影した画像を
後で画像処理で明るくする手法もデジタルゲインです。
この手法では白飛びを軽減させることができます。
どちらの方が結果的に綺麗な画像になるのか
簡単に実験をしてみました。
二枚画像を撮影しました。
カメラでISO感度を上げて適正露出で撮影した画像です。
ISO感度を上げずに-4Ev分、アンダーで撮影した画像です。
アンダーで撮影した画像をフォトショップでほぼ同じ露出にして
画質比較を行いました。
まずは14bitの情報量が多いRAWでの比較です。
上がデジタルゲインで下がアナログゲインです。
アナログゲインの方がノイズの質がきれいな気がしますが
このシーンではあまり差はなさそうです。
つぎにJPEGでの比較です。
パソコン上で取り扱われる写真データは99.999%はJPEG形式のデータです。
下のアナログゲインはISO感度に応じて
適切にノイズ処理などが行われているため
ノイズが少なくなっています。
デジタルゲインでは自分で持ち上げているだけなのでノイズ処理はかかりません。
ただし、ノイズをつぶすと同時に解像感も無くなります。
このシーンでは上のデジタルゲインで階調飛びが目立ちます。
階調飛びとは、グラデーションがなだらかにならずに
汚くなってしまう現象です。
写真で階調飛びが起こると非常に見栄えが悪くなります。
JPEGのデジタルゲインで階調飛びが起こる原因は
JPEGは8bitしか情報量がないためです。
そのため、空などのグラデーション部分では
階調飛びが起こりやすいです。
結婚式のアルバムで階調飛びを起こしていて
残念だった経験があります。
結論:白飛びとかを防ぐ用途や、
ノイズ階調飛びを画像処理で何とか出来ないのであれば
Jpegでのデジタルゲインはオススメしない。
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