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2014年2月

2014年2月27日 (木)

・横収差図の見かた

レンズ設計を設計するときや
レンズの収差やボケのきれいさを知るためのあしがかりが
横収差図です。

そもそも収差とは
レンズに入射した光束がレンズを出た後
一点に収束しないことをいいます。
仮に単波長の光が収束するとしても
RGBのように波長の異なる光が
全て同じ場所に収束するとは限りません。

この収差がどのようになっているのかをしめす
ダイアグラムが収差図です。
収差図には縦収差図と横収差図があります。
縦収差図は本とかWebに資料がたくさんありますが
難しくてマイナーな横収差図はほとんどありません。

横収差図はレンズの瞳像高と像面での像高が
軸になりますが、
この軸は2次元平面で縦横どちらを表すかによって
収差図の性質が変わってきます。
そのため、収差図の軸が何を意味するのか
間違えないようにしなければいけません。

1
x,y,z軸

また、像面で下の図のような
赤矢印の方向を放射方向(メリジオナル方向)、
青矢印の方向を同心円方向(サジタル方向)といいます。

Photo

仮に同心円方向の像性能が良くても
放射方向の像性能が悪いと、
画像周辺部で流れるような画像になってしまいます。

Resize056081

P8250012_2
右上の拡大図

縦収差図では光軸に平行な光線しか表せません。
しかし、横収差図は光軸とは平行でない角度で入射した光も表せます。
入射角が何度かも意識する必要があります。
レンズ下方から角度をつけて入射する場合はこのようになります。

5
二次元平面に描いているので軸に注意です。

横収差図の例を示します
8_2

この収差図の時に光線がどのようになるのかわかると
理解がしやすいです。
上の図では横軸が瞳のy軸、
縦軸が像面のy軸になっています。
像面では放射方向の収差を表します。

分かりやすいようにグラフ上の5点をプロットします。
この5点の光線を描いてみます。
9
5点プロットしてみた

6
下斜めから入ってくる光線を描いているので
レンズの下の方は口径食でケラれます。

y軸で切った二次元平面にするとこうなります

7

この図を見るとレンズ中心を通った光軸(ピンク)より
上の方に光線が集まっていることが分かります。
これを見ると放射方向にコマ収差があるなということが分かります。

こういうコマ
72


横収差図のほかの例です。
11

斜めの直線になっていると光線がこうなります。

10

光線が一点に収束していますが
像面とは異なる位置です。
画像端では像面と異なる部分にピントを結ぶ現象。
像面湾曲です。

ここまでの説明では単波長の光だけ考えていましたが
RGBそれぞれで考えると
倍率色収差なども分かります。

つづく…かも。

2014年2月26日 (水)

・スマホで十分という人は

スマホのカメラ機能以外のカメラを使ったことが無い人で
「スマホで十分」という人がいます。
一眼レフを使ったことが無いのに根拠無くいいます。

一眼レフを使っている人は
「一眼レフで十分」と言う人はあまりいないと思います。
一眼レフ、コンデジ、スマホのそれぞれの良い点を知っているからです。
状況に応じて使い分けています。
そもそも、カメラとしてスマホが下で一眼が上ということはありません。
一眼レフと比べて下だと卑屈になること自体が間違いなのです。
それぞれに代えがたい利点があります。

・スマホ
SNSとの親和性が非常に高い。
撮ってその場で「竹島ナウ」とかできるのはスマホだけです。
また、アプリがたくさんあり、
組み合わせると無限大の表現ができます。
どこにでも持ち歩いていけるのも強みです。

・コンデジ
ズームができたり、水中で撮影できたり
スマホじゃできない撮影を簡単にできるのが強みです。
カメラメーカーが作っているので、スマホに比べて
画質が良かったり、撮影の設定もすぐに変えられます。
ボタンを押すだけなので
知らない人に記念撮影をしてもらう時に一番便利です。
被写界深度も深く、顔認識もあるのであまり失敗しません。
また、被写界深度が深いので
物を撮るときに全体にピントを合わせたい場合などにも
重宝します。

・一眼レフ
センササイズが大きく、レンズが交換できます。
レンズ交換によって他のカメラでは到底不可能な
様々な表現が可能です。
また、スポーツなどの動体を撮るのは一眼レフが必須です。
電池持ちもとても良い。
しかし、大きくて重いので気軽に
どこにでも持っていくというのはつらい可能性があります。
レンズの値段もばかにならない。

・ミラーレス一眼
センササイズも大きく、レンズ交換も出来ます。
液晶を見て写真を撮るスタイルなので初心者が取っ付き易く
画質も良いという、いいことずくめです。
しかし、センサが常に稼働しているため
電池持ちが一眼レフより悪い、
センサが熱を持ちやすいなどの欠点もあります。

2014年2月25日 (火)

IRカラー写真(新宿御苑)

改造Qで赤外線写真を撮ってみました。
日本だと赤外線写真というと、
盗撮とか透けるとかそんなことばかり出てきますが
天体とか植物とか自然のものを撮るのが本当の使い方です。

木の葉っぱは赤外線をよく反射するので白くなります。
空は赤外線を含まないので真っ暗になります。
異世界のような写真に。
本来、赤外線の写真はモノクロで撮影されるのですが、
SC62などの近赤外の620nm付近のフィルターを使うと
うまく色を分離して赤外線でもカラー写真になります。

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2014年2月24日 (月)

・なぜセンササイズが小さいと超望遠になるのか

Qやニコン1はセンサが小さいので超望遠撮影ができると
以前に書きました。
その仕組みを簡単に図で説明します。

レンズは円なので映し出される像も円の中に
表示されます。

Bouen_2

この円のことをイメージサークルといいます。
例えばAPS-C専用レンズでは
イメージサークルぎりぎりにセンサが入ります。

Bouen_3

もしAPS-C専用レンズをフルサイズのカメラにつけると
下の図のように周辺がけられて黒くなります。

Bouen_4

なので、同じマウント(同じメーカ)でも
フルサイズ機種はフルサイズ用レンズでなければいけません。
逆にAPS-C機種はフルサイズ用レンズを使えます。
フルサイズ用レンズをAPS-C機種で使うと
イメージサークルの中心部分だけを使うので
収差が少ない部分だけを使えます。

Qのように極端に小さいセンサだと
下の図のようにイメージサークルの中心の一部だけしか使いません。
そのため撮影された画像は望遠と同じような効果になります。

Bouen_1

しかし、この小さい面積の中に1200万画素もあるため
レンズでしっかりと像が映し出されていないと
ぼやけた感じになってしまいます。
解像性能が高い高性能なレンズでなければ力を発揮できません。
ペンタックスの純正レンズは解像性能がそれほど高くないので
あまりお勧めできません。
ニコンの最近の設計のは解像度が高くオススメです。
シグマは解像性能重視の設計なのでお勧めです。安いし。

2014年2月23日 (日)

・その写真どうやって撮ったんですか?その12

今回は露光間ズーム+回転です。

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Resize056008
これはズームレンズでだけできる技です。
シャッター速度を1/4ss~1/25ss程度の
ちょっと遅めにします。

左手でレンズのズームリングをおさえます。
右手でカメラ本体のグリップを握ります。

Resize056015

レンズを回転軸にするイメージで、
左手は動かさずに
右手のカメラを回転させます。
その間に、シャッターボタンを押します。
画像の中心に写したいものがくるようにするのがコツです。

回転させる速度や、
シャッターを押すタイミング
シャッター速度で
イメージが結構変わるので
自分の表現したいイメージに
何回も撮影して近づけてみてください。

2014年2月22日 (土)

・お手軽超望遠撮影のレンズジレンマ

最近は各社から超望遠ブリッジカメラが
発売されています。
50倍ズームとかで35mm換算1200mm相当とか。

FinePix S1

COOLPIX P600

OLYMPUS STYLUS SP-100EE

サイバーショット DSC-HX400V

ニコンとオリンパスの製品サイトには
望遠で鳥を撮影した作例があります。
しかし、両方とも羽の細かい模様などが
つぶれてしまって、解像していません。
これならトリミングして拡大で十分です。
(電子ズームのこと)

あまりお金をかけないで
超望遠ズームで解像度がいい写真が撮れないか?
ミラーレス機種で考えてみよう。
そこにはいろいろな要素がからんできて
どこを妥協するかなど複雑になります。

1:センサーの画素数
センサーの画素数が高いほどトリミング(一部切り出し)できるので
さらに望遠ができます(擬似的に)。
しかし、画素数が増えるとレンズの解像度が要求されるため
性能の良い高価なレンズが必要になってしまいます。


2;センサーのサイズ
ミラーレス機種にマウントアダプターを使うことで
一眼レフのレンズを超望遠レンズにすることができます。
ミラーレス機種には様々なセンササイズがあります。

PENTAX Q / Q10  1/2.3inch      換算倍率5.53倍
PENTAX Q7    1/1.7inch    換算倍率4.6 倍
ニコン1シリーズ        1inch    換算倍率2.73倍

センサが小さいミラーレスだけ記載しました。
一番小さいQでは5.5倍くらいになるので、
焦点距離100mmのレンズが550mm相当になり
超望遠レンズとして使えます。
センサが小さいほど、望遠になるので
良さそうな気がしますが、
センサが小さいとノイズも多くなります。

また、画素ピッチも狭くなり
レンズの性能と回折限界が厳しくなります。
Qだと回折限界がF2.8位なので
望遠ズームキットレンズの300mmF5.6だと
回折限界を余裕で超えているので
全然シャープに写りません。

このことは、最初に書いた50倍ズーム機でも同じことが言えます。


・レンズの焦点距離
ミラーレスカメラに取り付けるレンズの焦点距離は
長いほど良いです。
しかし、300mmの望遠レンズだと
回折限界の考えよりF2.8のレンズが必要になります。
そんなの高くて買えません。

まとめ
お手軽に超望遠撮影をするなら何をそろえればいいのか
回折限界やレンズの結像性能、レンズの値段をいろいろ考えると…。

手持ちの一眼レフレンズに200mmF2.8とかがある

ペンタックスQを買う(中古なら1万円しない)

マウントアダプターを買う(自分の持ってるレンズのマウントに合わせて)

10000円くらいで1100mm超望遠キットができちゃった!


手持ちの一眼レフレンズに300mmF5.6がある

ニコン1を買う(J1なら安い。回折限界約F5.6)。

マウントアダプターを買う

10000円くらいで819mm超望遠キットができちゃった!

2014年2月21日 (金)

・Qを天体撮影用にIRカットフィルタ赤外改造

ペンタックスQはセンサが小さい小さいと
さんざん言われていますが、
この小ささを活かして超望遠撮影ができます。
値段もボディだけなら安いし。
なので、QのIRカットフィルタ外しの改造をしました。

赤い星雲の光の波長Hα線は
センサの前にあるIRカットフィルタによって
さえぎられてしまいます。
そこでこのIRカットフィルタを取り外す改造を
天体撮影ではよく行われます。
Resize055998

注)改造は完全自己責任です。
 メーカーの保証を受けられなくなるばかりか
 無限遠にピントが合わなくなることもあります。
 ゴーストが盛大に出るようにもなります。
 分解改造するときにストロボコンデンサーに触れて
 感電死しても私は知りません。

改造前
Resize055995
改造後
Resize055993

ちなみにQはIRカットフィルタをわざわざはずさなくても
Hα線の656nmの波長はよく通すので(85%位)改造しなくてもいいです。

以下は私がPENTAX Qを赤外線改造した方法です。

・用意するもの
PENTAX Q か Q10

ガラスカッター

精密ピンセット

センサクリーナー

HCL クリーナーセット(ケース付)

HCL クリーナーセット(ケース付)
価格:1,680円(税込、送料別)

エアダスター

植毛紙

・やり方
写真を撮り忘れたので文章だけで説明します。

1
ガラスカッターでがりがりIRCFに傷をつけていきます。
けっこう力入れてOKです。
がりがり。
傷だらけになって悲惨なことになりますが
ここまで来たからにはやります。

2
そのうちパキっとIRカットフィルタが割れます。
ガラスカッターでその下のセンサを傷つけないように注意。
フィルタがSRユニットに張り付いているので
ピンセットでつまんで引きずりだします。
センサのカバーガラスまでは2mm位は空間があるので
ピンセットを入れる隙間があります。
力任せに引きずりだしますが、
センサのカバーガラスは傷つけないように注意。
IRカットフィルタに
ダストリムーバルのための回路が接続されていますが
ちぎります。

3
IRカットフィルタをきれいに全部外したら
センサ面の掃除をします。
IRカットフィルタを割った時に
細かいガラスの粉などがセンサ表面のカバーガラスに付着しています。
このままだと、撮影時に少しでも絞ると見えてしまいます。
エアダスターで吹き飛ばしてください。
そのあとレンズをつけてF8などで白い壁とかを撮影し、
ゴミが写り込まないかを確認します。

4
ゴミが写り込む場合はセンサクリーニングキットで
センサ表面の汚れを取ります。
傷つけないようにやさしくやります。
詳しくはクリーニングキットの説明書を読んでください。

5
各種動作を確認する。
ダストリムーバルは使えなくなるのでメニューでOFFにします。
使用するレンズで、フレアやゴーストが盛大に発生しないか確認します。
明るい所に向けて撮影してチェック。
もし発生するなら6番の対策を

6
ガラスカッターでがりがりやった時に
SRユニットの部分が傷ついている可能性があります。

Resize055997
傷が付いているとそこにあたった光が乱反射して
フレアやゴーストの原因になります。
内面反射防止のための植毛紙を張ればある程度解決できます。

Resize055993_2
貼りました。
これである程度は軽減されましたが完全ではありません。
センサのカバーガラス表面で反射する光があるためです。
これはどうしようもないので、
強い光源に向ける撮影をしないようにするしかありません。
(天体用なら強い光源基本ないし)

以上で改造完了です。
改造すると
Qマウントレンズでは遠い所でピント合わせられなくなる、
色がめちゃくちゃになる
フレアゴーストが増える
ダストリムーバルが使えなくなる
メーカ保証外になる
これらを承知の上で行ってください。

最後に改造カメラで撮影した画像を何枚か載せます。
フォトショップとかで後処理していません。

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2014年2月20日 (木)

・非点収差とは

レンズの収差には様々な要因によるものがありますが
非点収差はいまいち発生要因が分かりにくい収差です。

非点収差はコマ収差と同様に
画像の周辺部に発生する収差です。
本来ならば焦点で一点に光が集まるはずなのですが
非点収差があると一点に集まらなくなります。

非点収差は光軸外に発生する収差、
つまり、レンズに斜めから入ってきた光線によって発生します。
下の図はレンズした方向斜めから入射したときです。

10

斜め方向から光が入射すると
口径食によって
レンズ鏡筒によって光束の一部がけられます。
レンズ下斜めから入射すると
図のようにレンズの下部がケラれて光が入りません。

Hiten_2_2

するとレンズの中心は本来のレンズの中心と
ずれてしまいます。
この図では上方向にずれています。
すると、光束をレンズの縦方向に見たときと
横方向に見たときで曲率半径が異なってしまいます。

Hiten_3
上の図で青と赤の部分は円の一部だが
元の円の半径が異なる。
(青の方が半径が小さい)

縦方向の光線と横方向の光線というイメージが
分かりにくいですが、
レンズの縦軸で構成される像と
横軸で構成される像という意味です。

Hiten_4
縦軸で構成されるとき

Hiten_5
横軸で構成されるとき

縦と横でレンズ球面の半径が異なると
当然結像位置も異なってしまいます。

Hiten_1

縦を表す赤の結像位置と
横を表す青の結像位置がずれています。
これでは光が一点に収束しません。
これが非点収差です。

2014年2月19日 (水)

・Pモードでの絞り、シャッター速度、ISO感度の決まり方

デジタルカメラでPモードを使っていると
カメラが自動でにF値やシャッター速度が決めてくれます。
ISO感度もオートにしてあるとISOも自動で決まります。
この自動で適正露出にしてくれる仕組みは
プログラム線図と呼ばれるグラフに沿って決めています。

下の図はプログラム線図(以下P線)の例です。

Lxp

P線の書き方はいろいろありますが
上の図では
縦軸を絞り、
横軸をシャッター速度、
斜め軸をLV(撮影対象の明るさです)
色分けでISO感度を表しています。

LVは数字が大きくなるほど明るいです。
なので右に行くほど明るく
下に行くほど明るくなります。
つまり、左上が夜景とか。
右下が夏の炎天下とか。

P_1

P線は設計者の性格がよく現れます。
例:感度が上がってもいいから手ぶれしたくない
例:背景をぼかすより、解像を重視したい

上のP線図は
パナソニックの高級コンデジLX-7を解析した結果です。

LX-7は三種類のP線が選べますが、デフォルトのこのP線で
設計者の思わくを考えていきたいと思います。

P6

左上から見ていきます。
LV1という暗い場所でもデフォルトでは
このカメラはISO400までしか上がりません。
シャッター速度は0.3秒位。ブレます。
設計者は
「ぶれてもいいから、ISO400より上のノイジーな画像を見せたくない」
と考えているのかと。
逆に考えると、ISO400まではノイズが許せる範囲ということです。

P5
線がずっと右に進んでいき、
明るくなるにつれシャッター速度が速くなります。
シャッター速度が1/60秒の所でISO感度が下がっていきます。


このカメラの手ぶれ限界速(手ぶれしないであろうシャッター速度)は
1/60秒ということが分かります。
「手ぶれ補正機能の性能や、レンズの焦点距離、画素ピッチなどから
おおよそこのくらいのシャッター速度であればぶれないだろう」
という思想です。

P4
そのあとはシャッター速度1/200前後で絞りが入ります。
F2.8でいったん絞りが入るのが止まり、
シャッター速度で適正露出に調節しています。
P3
設計者の考えはたぶんこんな感じ

「このカメラのレンズはF1.4より絞った方が性能がよくなる。
 だが、F2.8が回折限界だからこれ以上絞ると
 像性能が逆に悪くなってしまう。
 なるべくF2.8を使うようにしよう」

このセンサでの回折限界が分かります。

P2
そのあとは最高シャッター速度1/1600に突き当たってから
少しずつ絞りを入れています。
なるべく絞らないようにという考えが見えてきます。

こんな感じで、P線を見ると
そのカメラの設計者の性格だけではなく
レンズやセンサの性能まで分かってしまいます。

しかし、普通はP線は公開されていません。
P線を推測する必要があります。
定常光とNDフィルタがあれば推測することが可能です。
やり方は
定常光にカメラを向けてNDフィルタを一段、二段と
順番にNDを入れていきます。
その時のシャッター速度、絞り、ISO感度を
プロットしてつないだものがP線になります。

2014年2月18日 (火)

・明るいレンズって何?

明るい電球、暗い電球。
明るい未来、暗い未来。
明るいレンズ、暗いレンズ。

明るいレンズと言われてすぐにイメージできる人は
少ないと思います。
明るい写真が撮れるのか?
デジタルカメラでは、適正露出になるように
自動で明るさを決めてくれるので
レンズによって明るくなったり暗くなったりはしません。

実際に明るいレンズと暗いレンズで撮影した
比較写真が以下です。

Resize055974
明るいレンズ(F1.4)
Resize055975
暗いレンズ(F4.5)

だいたい同じぐらいの明るさです。
しかし、暗いレンズのほうがノイズが多い。
これはISO感度が高くなっているためです。
Photo_2

明るいレンズとは、光が沢山取り込めるレンズのことです。
暗いレンズでは光があまり取り込めないので
ISO感度を高くして写真を明るくする必要があります。
ISO感度が高くなるとノイズが増えます。

明るいレンズがいい理由は
感度をあげなくてもきちんと撮影できるので
ノイズが少なくなることです。

2014年2月17日 (月)

・反射率18%グレー(色の基準)

前回、反射率18%グレーは
露出の基準になると書きました。
このグレーは露出だけでなく色の基準にもなります。
色の基準とはホワイトバランスのことです。

日中の屋外と家の電球の下では
同じ白い紙でも全く異なった色で照らされます。

日中に白とカメラが判断した紙は
電球の下でオレンジ色に染まった同じ紙も
白で撮影しなければいけません。
それをコントロールするのがホワイトバランスです。

では基準にする白い紙は何でもいいのかというと
そうではありません。
白いと思っていても古い紙だと若干黄色に変色しているかもしれません。
また、白い紙は日中屋外ではまぶしいですが
カメラで撮影した時にセンサーの出力値が飽和していては
本体の色が分かりません。

Imgp0450
この写真で木の幹の部分は
強い光があたって真っ白になっています。
本来の色は茶色っぽい色です。
こういう部分では正しい色が分かりません。

逆に光が当たらない真っ暗な部分でも
正しい色が判別できません。
そのため、ホワイトバランスを決める際は
グレーの部分を使うことが一番正確です。

ただし、ほんとに正確に色を出すときは
注意しなければいけないこともあります。
一見グレーに見えてもグレーではない被写体もあるためです。
紙も白く見えてあまり白くない可能性もあります。

Up

この写真はグレーの印刷物を拡大したものです。
様々な色のドットによって構成されていることが分かります。
正確なグレーを必要とするなら
可視光線のどの波長でも18%の反射率を持つグレーが最適です。
そんなものあるのか!?という気がしますが
カメラ用品として販売されています。

このグレーのテープは貼ったり剥がしたり簡単に出来て、
貼り跡も残りません。
手でも簡単にちぎれるので愛用しています。

カメラのレンズのピント位置の固定や
ちょっと三脚に何かをはりつけるときなど重宝します。非常に便利。

2014年2月16日 (日)

新宿御苑に行ってきました

天気が良かったので新宿御苑に行ってきました。
雪の重さのために折れた木が大量に。
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池の畔にあったきれいな桜の木が完全に折れてしまっていました。
雪の重さで曲がってしまった枝などの伐採をしていましたが、
元の状態に戻るまで相当掛かりそうです。

最盛期には15匹ほどいた猫ちゃんも
今では最後の二匹らしいです。
10歳と14歳位とのこと。
のんびりひなたぼっこしていました
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K-3になって、いままでは殆ど成功しなかったメジロが
結構ジャスピン来るようになりました。
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ただ、やはりまだAFが遅いと感じます。
今日はレンズがDA★50-135だったので、
DCモータのやボディ内モータのであれば多少は良くなります。
シャッタータイムラグも若干。
やはり動きモノはキャノニコか。

だけど、この画像仕上げ「雅」の色は他社のカメラとは代えがたい。

エビフライみたいなのもいました。
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・反射率18%グレー(露出の基準)

露出、ホワイトバランス
このカメラの基本部分に関係するのが
反射率18%グレーと呼ばれるものです。

反射率とは光をどれだけ反射するかです。
100の光が入ってきて100の光を反射すれば
反射率は100%です。最強の鏡みたいな。
普通にある鏡だと80%ぐらいです。
合わせ鏡すると奥の方が暗くなる原因の一つ。
Resize055947
ある程度の先までしか見えません。

普通のガラスが10%位、
水面が2%位
白い紙が80%位
黒い紙が5%位
アスファルトが18%位

普段生活する世界の周りにある物の反射率の平均は
18%です。
カメラの自動露出機能(AE)では反射率18%のグレーの被写体を
適切な明るさで撮るように設計されています。
夜でも18%グレーの物が適切な明るさになるようにします。
昼間でも18%グレーの物が適切な明るさになるようにします。

夜に撮ると真っ暗になる、ということは基本しません。
Resize055950_2

このように明るさの基準は18%グレーとなっています。


明るさの基準が反射率18%グレーになっているということは、
反射率が違うものを撮ると、カメラの自動露出機能が悪さをします。
例えば黒猫。
黒猫は反射率がとても低いのですが
カメラはそんなこと知らないので18%グレーとして判断します。
グレーの毛色の猫だと判断して、
撮影された写真はしらっちゃけた黒猫になってしまいます。

Resize055948

黒猫を撮影するときは露出補正をマイナスにします。

_resize055948

逆に白猫の場合は反射率が高いのですが
カメラはそんなこと知らないので18%グレーとして判断します。
グレーの毛色の猫だと判断して、
撮影された写真は暗い感じになってしまいます。

Resize055949

白ネコを撮影するときは
露出補正をプラスにします。

_resize055949

こういう仕組みで写真が明るく写ってしまったり
暗く写ってしまったりします。
最近のデジカメの自動露出機構で
分割測光とかマルチ測光というモードを選べば
シーンや被写体をうまく判別して失敗が少なくなるようになっています。
ただし、絶対に完璧ということは無いので
どういう時にプラス補正するかなどは覚えていて損はありません。

2014年2月15日 (土)

渋谷

荒廃した世界っぽく表現してみました。
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2014年2月14日 (金)

・SIGMA dp2 Quattroをさわってきた

すごい気になるデジカメ
SIGMAのdp2 QuattroをカメラショーのCP+でさわってきました。
04_2
開場してすぐにシグマブースに行ったのですが15分位待ちました。
触れるのが3台しか用意されていなかったという理由もあります。

Resize055948
結構大きいです。
手に持った感じは、グリップ感が思ったよりも悪かったです。
私の手は日本人の平均的だと思いますが、
上の写真のように小指が前面下部の角にあたって、
ずっと持ってると痛くなりそうです。
人にもよりますが、ペンタックスのK-01と同じような印象。

大きさがわかりやすいように、ボールペンと一緒に撮りました。
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同じサイズでiPhoneとペンタックスQも撮影。
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重ねるとこんなかんじです。
Resize055943
Resize055951
うーん、大きい。

センサについてもちょっと突っ込んで聞いてみました。
技術担当の方ではなかったようで、詳しいことはわからないようでした。
Quattro_solution_image

Q:なぜブルーだけ4分割なのか。
A:全てを4分割だと画像処理エンジンの負担が大きく、時間がかかる。
 処理速度との兼ね合いで今回はこのような構成にした。

Q:将来エンジンの性能が上がれば、全て4分割になるのか
A:将来的にはそれを考えている。

Q:なぜブルーのところで輝度情報を取り込んでいるのか
A:最表面層は全ての光の波長において感度が高いので、そこをうまく使うことにしている。

Q:Quattroセンサでは補間をどのようにやっているのか
A:ちょっと言えません

Q:光の波長によって表面からブルー、グリーン、レッドと色分離をしているが
 センサに斜めから入射した光は層を透過する距離が違うから
 色分離がうまくいかないのではないか
注)下の図で黒とグレーの矢印の長さが異なるので、色が変わる。
  夕方になると太陽光が斜めに入ってくるのでオレンジになるイメージ。
Quattrosencer

A:周辺部ではマイクロレンズをシフトして、色分離がうまくいくように工夫をしている。

Q:マイクロレンズは上の4分割に合わせて2000万画素?
A:そのとおりです

ここで時間切れ。

カメラのファームはまだ完成していないと思いますが
触った時点ではホワイトバランスがちょっと変でした(やはり色再現が難しいのか?)
あと撮影した後のタイムラグがかなり長かったです。
2-3秒位?
やはりすべて4分割にすると画像処理エンジンの性能が足りないのかもしれないです。

シグマの気になったことのレポートでした。

・その写真どうやって撮ったんですか?その11

今回は月の撮影上級者編。

__imgp6473
ぜひクリックして拡大表示してください。

クレーターの凸凹まで
くっきり写っているのが分かると思います。
望遠鏡とか使っていません。
一眼レフの望遠レンズで撮影しています。

使用機材
・三脚
・2ハンドル雲台
・ペンタックスQ
・SIGMA 70-200mmF2.8
・KQマウントアダプター
・フォトショップ

Resize055942

なぜQ(Q10)を使うかというと、
センサが小さいのでレンズの35mm換算が
5.5倍程度になるためです。
なので200mmのレンズでも1100mm相当の
超望遠レンズになります。

マウントアダプタを使うとどのメーカのレンズでも
つけられる所も強みです。
当然ニコンやキヤノンの望遠レンズでもOK。
Q10自体は値段も下がっていてお手頃です。


Qは1/2.3inchのセンサで1200万画素のため
画素ピッチがとても狭く、
使用するレンズの解像性能が求められます。
キットレンズでついてくる望遠ではなく
ニコンであればナノクリスタルコートの物
キヤノンであればLレンズ
ペンタであればスターレンズが望ましいです。

また、画素ピッチが狭いので回折限界がF2.8です。
それよりもF値が大きくなると回折の影響で
像が甘くなってしまいます。
ただ、レンズの収差が少なくなる2段くらいは
絞りたいのでF2.8のレンズであればF5.6位にした方が
細かい所まで良く写ります。
その点でもちょっと高い望遠で明るいレンズが望ましいです。

カメラの設定はISO100でマニュアル露出にします。
絞りは絞りレバーの部分に何かはさんでF5.6相当にします。
(キヤノンレンズは絞りレバーがないので開放で撮るしかありません)
シャッター速度は月の状態にもよりますが1/1000とか1/2000とか
けっこう高速。
白飛び部分がないように。

フォーカスもマニュアル。
ライブビューである程度合わせた後は
撮影→ピント微調整→撮影
の繰り返しでベストのピント位置を探します。
非常にシビア。
∞マークはあてになりません。

記録はRAW
手ぶれ補正OFF
ハイライト補正、シャドー補正もOFF
電子シャッターの併用:許可
タイマー設定12秒。

この設定なら電子シャッターになり
シャッターショックもなく、
カメラ内要因によるぶれはゼロになります。

撮影したRAWデータを現像ソフトに入れます。
使用したのはフォトショップCameraRAW

最初はこんな感じです。
Moon01

ホワイトバランスなんかも適当です。
100%拡大表示にして、明るさやコントラストをいじります。
シャープネスを強力にかけます。
不自然にならない程度にパラメータを微調整。

Moon02

JPEGに現像したあと、更にそこに
シャープネスをかける。

Moon03_2
最後に画像のモードをカラーからモノクロにします。

 

これで完成。

2014年2月13日 (木)

・その写真どうやって撮ったんですか?その10

今回は月の撮影です。
太陽の次に身近な天体。

Resize055918 ※月食の時に撮影

望遠レンズを持っていて
満月を見ると写真を撮りたくなる人もいると思います。
しかし、オートの設定では下の様な写真になります。

Resize055917
月失敗例

月は思っている以上に明るいので
カメラのオートの設定では周りの暗い空との関係で
月が真っ白になります。

設定を一か所変えるだけでちゃんと撮れるようになります。
メニューの中に測光方式という項目があります。
わからない時は説明書などを確認してみてください。
ここでスポット測光を選びます。

Resize055938
スポット測光を選ぶことで
画面の月の部分だけの明るさで判断するようになるので
月の模様などがちゃんと映るようになります。

2014年2月12日 (水)

・球面収差と縦収差図の見かた

球面収差とは

上記項目で、球面収差によって
レンズの性能が下がることを書きました。
その球面収差がどの程度発生しているかを示すのが
収差図です。

今回は光軸と平行な光だけを考えた
縦収差図について説明します。
光軸に平行な光(レンズに対して垂直)は
画像では画像中央部に写る画質になります。


横軸が光軸との交点座標
縦軸がレンズの瞳像高を表します。

Brog2_2
下の図は球面収差が発生しない理想的なレンズの場合です

18_2

どの像高からでた光も一点に集まっています。
次に、瞳像高が高くなるにつれ手前に結像してしまう場合です。
下の図はレンズの下半分も描き足しました。

19

20
下側の収差図の様な球面収差を持つレンズの場合
被写体の後ろのボケはリングボケになってしまいます。

21

こういうボケになると
2線ボケが目立ったりして、ボケがうるさく、
汚いボケと言われます。

収差図を見るとレンズの性能だけでなく
ボケの味などもおおざっぱに分かるようになります。

2014年2月11日 (火)

・球面収差とは

いままで散々パープルフリンジとかで話題に出しましたが
とりあえず原点に戻って、
レンズの収差について。

一番簡単、かつ初歩的な球面収差を説明します。
レンズは巨大な球の一部を切り出した形になっています。
Kyumen_1_2
各社のカメラレンズの説明文を見ると
「非球面レンズを採用することにより
 収差を良好に補正」
といった言葉が謳い文句になっています。
つまりほとんどのレンズは巨大な球の一部である
「球面レンズ」です。
なんでかというと、加工が簡単だからです。

そして球面レンズであると
球面収差
と呼ばれる収差が絶対に発生してしまいます。

下の図が球面収差の発生しているレンズです。
Kyumen_2_2
この球面収差は光軸と平行な光線
(無限遠から来た光線)に対して描いています。
レンズの端(瞳像高の高い所)に入射した光と
レンズ中心付近に入射した光が
同じ場所で結像してくれないことが分かります。
これではどう頑張っても解像度があがりません。
ちょっとぼやけてしまいます。

球面収差を解決する為の方法で手っ取り早いのが
レンズを二枚使う方法です
Kyumen_3
凹レンズは光を広げる特性を持つので
凸レンズとの組み合わせで球面収差を補正することができます。
また、名前の通り球面レンズで発生するので
非球面レンズにすることでも補正が可能です。
Kyumen_4
非球面レンズを使うとレンズを1枚減らすことができるので
軽くすることができます。
しかし、非球面レンズは製造が難しいのでコストが高くなります。
なので、軽くて性能が良いレンズは値段がとても高いです。15万以上とか。

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2014年2月10日 (月)

・SIGMA FoveonX3 quattroセンサーの謎

シグマから興味深い製品が発表されました。
http://www.sigma-photo.co.jp/new/new_topic.php?id=626

新世代Foveon X3センサー採用の「dp Quattro」
04 特異な形が目を引きますが、
それ以上に気になるのがセンサー。

シグマは以前にも紹介した垂直分離型のFoveonセンサを使っています。
今回発表されたquattroセンサは下の図のような構造になっています。

Quattro_solution_image
シグマのページの説明より

撮像素子はAPS-Cサイズ相当の
Foveon X3ダイレクトイメージセンサー「Quattro」(23.5×15.7mm)。
従来のMerrillセンサー(4,800×3,200×3層)と異な り、
輝度情報はトップ、色情報はトップ、ミドル、ボトムの3層で取り込む新構造を採用。。

この説明だけでは色々と疑問がわきます。

1:最表面でなぜ輝度情報が取り込めるのか?
 Foveonセンサは光の波の性質を利用して波長ごとに色分離を行っています。
 それなのに、輝度情報を取り込めるわけは?

2:なぜ最表面だけ4つに画素を分割しているのか。

3:なぜ青が4分割なのか


これらの疑問について考察してみました。

1:シグマのFoveonセンサの分光感度は下の図のようになっています。
44 これを見るとブルーは幅広い波長に反応することが分かります。
そのため青の部分を輝度情報として用いることにしたのではないかと
予想ができます。

2:なぜ最表面だけ4つに画素を分割しているのか。
最表面で輝度情報を取り込むということですが、
人間の目は色情報より輝度情報を細かく読み取れるという性質が有ります。
Yuv444_2 Yuv420_2 044 上:元画像  中:色情報を1/4  下:輝度情報を1/4

この三枚の画像を見ると輝度情報がいかに大切かが分かります。
そのため、輝度情報を取り込む最表面だけ画素数を細かくして
2000万画素にしているのだと考えられます。

むしろ、色情報は500万画素くらいなので、
以前のMerrillセンサの1500万画素の1/3に減っています。
色を取り込む画素ピッチが以前よりも大きくなっているので
カラーノイズが減ってるんじゃないかと予想できます。


3:なぜ青が4分割なのか
Foveonセンサは波長が短い順に表面から色分離を行っています。
7 この図の通り、最表面が青になるには光学的な理由があります。
そして、光の波の性質として回折現象があります。
絞りによって回折の影響が大きくなると画像の解像度が失われます。

回折の影響は波の波長が長くなるほど大きくなる性質が有ります。
つまり赤い光が一番回折の影響が大きく
青い光が回折の影響が小さいです。
そのため、青の取り込み部分だけ画素数を増やしているのだと考えられます。

ここまで書いたことはあくまで現在でている情報からの予測にすぎないので
木曜から開催されるカメラショーのCP+でシグマの人に聞いてみたいと思います。

2014年2月 9日 (日)

・光路と屈折

カメラのレンズは光の屈折をうまく用いて実現しています。
光の通る道を光路、
光が通る道の長さを光路長といいます。
光路長は物理的な距離(メートル単位)とは厳密には違います。

例えば、アスファルト舗装された道を2km歩くのと、
雪の積もった山道を2km歩くのでは
どちらの方が長く感じるでしょうか。

どちらも同じ2kmですが雪道の方が長く感じると思います。
光路長も光が感じる距離と思ってください。
ガラスとか水の中とか屈折率の大きい場所の方が
光にとっては進みづらい場所です。
光はできるだけ楽な道を辿ろうとする性質があります。

22
例えば上の図でA点からB点へ行くとき、
距離的には直線の緑の道を通れば最短です。
しかし、じゃり道は歩きたくないので、
できるだけ避けるとオレンジの道になります。
じゃりの部分で曲がるわけです。
これが光の屈折です。
ガラスや水の面で曲がるのとおなじ。

また、下の図のように、距離が同じでも
ガラスがあるのとないのでは光路長が異なります。
23

最近の一眼レフでローパスフィルターが無い機種でも
ローパスフィルターの代わりのガラスを入れているのは
光路長が変わらないようにするためです。
こうすることでピント位置がずれることがありません。

ガラスを入れないとAFが合わないどころか、
遠くにピントをあわせることが絶対にできなくなることもあります。

2014年2月 8日 (土)

・その写真どうやって撮ったんですか?その9

今日は関東は大雪です。
雪が降っている中でストロボを炊くとこんなになります。

Resize055892

雪にストロボが反射して明るく写ります。
ここでストロボにフィルターを付けるとカラーになります。
Resize055891
カラフルスノー。

Resize055890

そして更に応用として、
以前紹介したハートボケの方法を使うと…
ハートの降る街に

Resize055900



 

・周辺光量落ちとは

周辺光量落ちとは
写真を撮影した時に
中心部よりも四隅が暗くなる現象です。
空など明るさが均一で平たんな被写体があると目立ちます。
周辺減光とかシェーディングとか呼ばれます。

Resize055885

レンズの味の一つともいわれることが多く
一概に周辺光量落ちが発生するのが悪いとは言いません。
ただ、トイカメラなどレンズ設計の甘いレンズに
多く発生することから
周辺光量落ちが少ないレンズの方が優秀なレンズともいえます。

周辺光量落ちの原因にはレンズ起因とセンサ起因があります。
センサ起因については こちら にまとめたので
参考にして下さい。

レンズ起因の場合、原則としてコサイン4乗則という法則に従います。
この法則による周辺光量落ちは絞っても改善しません。

また、レンズ起因の原因には口径食によるものも大きいです。

口径食とは

最近のレンズはコサイン4乗則を
うまく回避する設計であることが多いので
口径食による周辺光量落ちのほうが支配的です。
こっちは絞れば改善します。

2014年2月 7日 (金)

・コサイン四乗則とは

レンズ起因の周辺光量落ちは、
原則としてコサイン4乗則という法則に従います。
下の図は光学系を横から見た図です。

Cos4_02

光軸外からレンズに入射した光と光軸とがなす角をθ
像面上の中心からの距離(像高)をh、
レンズの焦点距離をfとします。
このとき角度θと中心部と比較した光量は
以下のグラフのようになります。
角度θは像高hとほぼ同じ意味になることを注意。

Cos4graf_3

このグラフはコサインの四乗です。
焦点距離が短いほどコサイン四乗則による
光量落ちは少なくなります。
三角関数の数式で表すとこうなります

θ = arctan(h/f)
シータ イコール アークタンジェント エフ分のエイチ

arctanは単調増加関数なので
焦点距離が短いほどθは大きくなります。

なぜ4乗になるのか。
光は放射状に広がるので
光源からの距離が3倍になると
単位面積あたりに当たる光量は1/4になってしまいます。
距離が3倍だと光量は1/9です。
距離の二乗に反比例します。

Cos4_03

単純に近いほうが明るいということです。

レンズの射出瞳位置≒レンズの焦点距離
といえます。
射出瞳が像面に近いと、
軸上の光線と像高が高い光線の距離の比が
大きくなります。
Cos4_5

Cos4_01

オレンジの矢印と赤の矢印の長さは
焦点距離が短いほうが比が大きい。


この図より、角度θにおいて
光量はcosθの二乗に比例するといえます。
(cosθは0°≦θ≦90°で減少関数)

次に、斜めから入射した光についてです。
真夏の昼間の太陽が天頂付近にいるときと
夕方では、太陽の強さは同じでも
夕方の方が日焼けしにくいイメージ。

Cos

単位面積あたりに照射される光量は
角度θによって変動します。
つまりcosθに比例します。

ここまでで、周辺部では
画像中央に入射する光に比べ
コサインの3乗に比例して光量が落ちることが分かります。


ここで、レンズの大きさは
有限であることを考慮する必要があります。
上の図では垂直に入ってくる光も
斜めに入射する光も、光量としては同じです。
(青矢印の長さが同じ)

しかし、下の図のように、
斜めから入ってきた光はレンズの幅の分しか通れません。

Cos4

この幅の減少は角度に依存します。
ここで更にcosθがかかる。

最終的に全部でコサインの4乗になります。

画像中心から周辺に行くにつれて
コサインの四乗に比例して光量が落ちます。
これは非常に極端に落ちることを意味します。

最近のレンズの設計では
レンズの開口を広げるなどして
コサイン四乗則のように落ちないように設計してあります。

2014年2月 6日 (木)

・フォビオンセンサ

最近、ソニーが垂直分離型のセンサを作ってるとか
うわさが絶えません。

デジタルカメラで色を表現する為には
光の三原色であるR,G,Bの三色の情報を
それぞれ別々に得る必要があります。
通常のセンサではR,G,Bのカラーフィルタを
別々の画素に貼り付けることで三色を得ています。

53

赤の色を得る画素は四画素に一つなので
1600万画素のカメラでは400万画素しかありません。
これはカメラの解像度を落とす原因の一つになります。

垂直分離型は一つの画素でRGBの色を分離します。
そのため、通常のセンサに比べて
画素数が3倍相当の解像度を持ちます。
1600万画素センサでも4800万画素相当です。
また原理的に色モアレが発生しません。

この垂直分離型は光の波の特性を
うまく利用して実現しています。
垂直分離型のさきがけがSIGMAのフォビオンセンサです。

6

赤い光の方が波長が長く
青い光の方が波長が短いです。

センサの光を受光するフォトダイオードは
シリコン製ですが
シリコンの分子に青い波長はすぐにぶつかりますが
赤い波長はなかなかぶつからずに奥までもぐりこみます。

7

このどこまで光が奥まで入り込むかによって
色の分離を行います。

この垂直分離型センサは非常に素晴らしいのですが
現在主流になっていないのは欠点があるためです。

まず色分離が通常のセンサに比べ性能があまり良くありません。
少しの色の差で大きくセンサの出力値が変わるので
扱いが難しいです。
色のダイナミックレンジが広いといえば聞こえがいいですが、
ホワイトバランスを含め、色再現は
とても難しい作業になります。

つぎに、高感度性能です。
現状のフォビオンセンサでは
基本的に最低感度で撮影するのが前提となります。
最近の高感度性能が良いセンサが多いので
それに対してかなり不利になります。

また最新のMerrilセンサは電気をたくさん食います。
DP1merrillを買ったら電池二個入ってた!
太っ腹、と思ったらすぐに電池がからになります。

こういった欠点を改善すれば
垂直分離型センサによってセンサ性能が
劇的に進化すると思われます。

2014年2月 4日 (火)

・コーティングの種類

ガラスや樹脂に薄膜を蒸着して
特殊な効果を持たせることを
「コーティング」といいます。
薄膜とはその名の通りとても薄い膜です。

この薄い膜の表面で反射した光と裏側で反射した光は
波の位相の差により干渉して特定の波長の光を消したり
強めたりすることが出来ます。

Nami

素材の異なる薄膜を何層にも重ねると
ほとんどの波長の光が反射しない
「見えないガラス」
を作ったりすることも出来ます。

コーティングの例として次の様な機能があります。

・ARコート
ARコートは反射防止コートのことです。
「写り込み防止」として
液晶保護フィルムでも打っていたりします。
反射防止は光学部品としてとても大事な性能なので
様々な所に使われています。
カメラの液晶画面も、晴天下だと反射がまぶしくて
見えにくいのでARコートがされています。
レンズの表面やセンサのカバーガラスなどにも
ARコートがされていたりします。
カメラ内部で反射が起こると、反射した余計な光が
いろいろな所に散って
フレアやゴーストといった画質低下につながります。

・IRカットコート
赤外線カットコートのことです。
カメラのセンサの前には「必ず」ついています。
赤外線は人間の目には見えませんが
カメラのセンサは反応します。
IRカットコートがされたパーツが付いていないと
赤外線が写ってしまいます。
赤外線が写るとまずいです。
水着とか夏の薄手の服が透けてしまいます。
盗撮に使われます。犯罪です。


・UVカットコート
紫外線カットです。
サングラスにこれがついていたりします。
レンズのフィルターにもUVカットフィルターがありますが
意味があるのかわかりません。
というのも、そもそもレンズ自体(ガラス)が
紫外線をほとんど通さないためです。

・SPコート
汚れ防止コートです。
水滴や油分をはじくので汚れや指紋が付きにくいです。
また、コートが硬いので布で拭いても傷がつきにくいです。

2014年2月 3日 (月)

・写真やる人が言う一段とか三分の一段とかって何?

写真が趣味の人はよく
「1段アンダーで撮った方がいいよ」とか
「手ぶれ補正の効果が4段分もある」とか言います。

こういう「段」という単位はカメラで言うと何なのか。

これは写真の明るさ(露出)の単位です。
正確な単位はEv(エクスポージャーヴァリュー)です。

写真の明るさはセンサに入ってくる光の量で決まります。
例えばシャッター速度を1秒から2秒にすれば
入ってくる光の量は二倍になります。

2秒から4秒にすればさらに二倍になります。
1秒から4秒は4倍です。
入ってくる光の量が2倍になることを
1段分
と言います。
4倍だと
2段分
です。

絞りの段は次の様に遷移します

F1.0 → F1.4 → F2.0 → F2.8 → F4 → F5.6 → F8

絞りの値は倍々になっていません。
√2倍になっています。

Brog2

絞りは光が入ってくる窓の大きさです。
窓が大きいほど光がたくさん入ってきます。

F値が小さいほど窓が大きくなります。
F値が大きいほど窓が小さくなります。

窓の面積が2倍になれば入ってくる光の量も2倍です。
窓の半径は√2倍です。
(円の面積は 半径 × 半径 × 3.14 なので)

ISO感度はセンサに入ってくる光の量は同じでも
どれだけ増幅するかを示します。
ISO100とISO200では2倍増幅します。
2倍増幅するときが1段分です。

まとめとして、
1段オーバーに撮影するというのは
光の量を二倍にすることです。

1段アンダーにするというのは
光の量を1/2にすることです。

手ぶれ補正4段分とは
ONにするとOFFに比べて
2*2*2*2=16倍長くしても同等にぶれないということです。
例えば手ぶれ補正OFFでシャッター速度1/50秒でぶれなければ
1/3秒でもぶれないということです。

2014年2月 2日 (日)

・その写真どうやって撮ったんですか?その8

Resize055855

今回は夕焼け空と地面が両方しっかり写る撮影です。
夕焼けは空の部分がとても明るくて
夕日や雲をきれいに写そうとすると、
地面の部分真っ暗になってしまいます。

今回は地面も空もきれいに写す方法です。
3つの方法があります。

1、カメラのHDR機能を使う。
iPhoneにもある機能です。
明るい写真と暗い写真を連写して
合成してくれます。
明るい所は白飛びせず、暗い所は黒つぶれしないです。
ただし、この機能が入っていないカメラや
風などで動いている花などがあると上手くいきません。

2、アンダーで撮影して画像処理する。
空が白飛びしないようにアンダーで撮影して
地面などの暗い部分を画像処理で持ち上げる方法です。
フォトショップその他画像処理ソフトでは
トーンカーブという項目があります。

1_2

これで下の図のように暗部を少しだけ持ち上げると
暗かった部分が見えてきます。
トーンカーブのいじり方によっては
階調がおかしくなったりするので
微調整が結構難しいです。
2

Resize055854

Resize055853
処理後

3、ハーフNDフィルタを使う
ハーフNDフィルタという半分だけ暗くなるフィルタがあります。

このフィルタを用いると画像処理をせずに
光学的に地面の暗い部分を見えるようにできます。
ハーフNDを使う利点として
HDR合成の様に何枚も撮影する必要がないので
風に揺れるコスモス畑などが地面にあっても対応できます。
また、暗部を持ち上げる方法だとノイズが増えるという問題を
解決することができます。
最初の画像ではこの方法を用いました。
使用したハーフNDの種類は
ND8でケンコーの境目が急峻なタイプです。
Cokinという所から境目がなだらかな
グラデーションになっているものも発売していますが
急峻な方が効果が強く出せて面白いと思います。
ただ、急峻な分扱いが結構難しいです。

ND4という強さが半分の物もありますが
いろいろ試した結果、ND8がちょうどよさそうです。

2014年2月 1日 (土)

・比較明合成とは

このブログの記事の中でも
「比較明合成」という言葉がよく出てきます。
主にその写真どうやって撮ったんですか
の項目で。
KikuchiMagicというソフトを紹介していますが
そもそも比較明合成とは
どんな合成方法なのかをここで説明しようと思います。

Aの画像とBの画像を合成して一枚の画像にすることを考えます。
数値はその部分の値です。

2

比較明との名前の通り、2つの画像を比較します。

3

画像で同じ位置にあたる場所のの画素値を比較します。
コンピュータ上では黒は値が0で白が値255です。
比較 明 なので 値が大きい方を採用します。

合成した結果の図はこんなかんじになります。
曲線が汚いのは作図が下手なだけなので、ごめんなさい。

4

この合成方法を使うと何がいいのかというと
動いているものを写したり消したりできることです。
何十枚も撮影して
黒っぽい被写体が動いていると、そいつは消えます。
他の画像の明るい部分と比較されるので。

明るい被写体は動いた様子が軌跡となって残ります。
星とかの撮影でよく使われます。

もちろん、比較暗合成もあります。

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