・Pモードでの絞り、シャッター速度、ISO感度の決まり方
デジタルカメラでPモードを使っていると
カメラが自動でにF値やシャッター速度が決めてくれます。
ISO感度もオートにしてあるとISOも自動で決まります。
この自動で適正露出にしてくれる仕組みは
プログラム線図と呼ばれるグラフに沿って決めています。
下の図はプログラム線図(以下P線)の例です。
P線の書き方はいろいろありますが
上の図では
縦軸を絞り、
横軸をシャッター速度、
斜め軸をLV(撮影対象の明るさです)
色分けでISO感度を表しています。
LVは数字が大きくなるほど明るいです。
なので右に行くほど明るく
下に行くほど明るくなります。
つまり、左上が夜景とか。
右下が夏の炎天下とか。
P線は設計者の性格がよく現れます。
例:感度が上がってもいいから手ぶれしたくない
例:背景をぼかすより、解像を重視したい
上のP線図は
パナソニックの高級コンデジLX-7を解析した結果です。
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LX-7は三種類のP線が選べますが、デフォルトのこのP線で
設計者の思わくを考えていきたいと思います。
左上から見ていきます。
LV1という暗い場所でもデフォルトでは
このカメラはISO400までしか上がりません。
シャッター速度は0.3秒位。ブレます。
設計者は
「ぶれてもいいから、ISO400より上のノイジーな画像を見せたくない」
と考えているのかと。
逆に考えると、ISO400まではノイズが許せる範囲ということです。
線がずっと右に進んでいき、
明るくなるにつれシャッター速度が速くなります。
シャッター速度が1/60秒の所でISO感度が下がっていきます。
このカメラの手ぶれ限界速(手ぶれしないであろうシャッター速度)は
1/60秒ということが分かります。
「手ぶれ補正機能の性能や、レンズの焦点距離、画素ピッチなどから
おおよそこのくらいのシャッター速度であればぶれないだろう」
という思想です。
そのあとはシャッター速度1/200前後で絞りが入ります。
F2.8でいったん絞りが入るのが止まり、
シャッター速度で適正露出に調節しています。
設計者の考えはたぶんこんな感じ
「このカメラのレンズはF1.4より絞った方が性能がよくなる。
だが、F2.8が回折限界だからこれ以上絞ると
像性能が逆に悪くなってしまう。
なるべくF2.8を使うようにしよう」
このセンサでの回折限界が分かります。
そのあとは最高シャッター速度1/1600に突き当たってから
少しずつ絞りを入れています。
なるべく絞らないようにという考えが見えてきます。
こんな感じで、P線を見ると
そのカメラの設計者の性格だけではなく
レンズやセンサの性能まで分かってしまいます。
しかし、普通はP線は公開されていません。
P線を推測する必要があります。
定常光とNDフィルタがあれば推測することが可能です。
やり方は
定常光にカメラを向けてNDフィルタを一段、二段と
順番にNDを入れていきます。
その時のシャッター速度、絞り、ISO感度を
プロットしてつないだものがP線になります。
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