・横収差図の見かた
レンズ設計を設計するときや
レンズの収差やボケのきれいさを知るためのあしがかりが
横収差図です。
そもそも収差とは
レンズに入射した光束がレンズを出た後
一点に収束しないことをいいます。
仮に単波長の光が収束するとしても
RGBのように波長の異なる光が
全て同じ場所に収束するとは限りません。
この収差がどのようになっているのかをしめす
ダイアグラムが収差図です。
収差図には縦収差図と横収差図があります。
縦収差図は本とかWebに資料がたくさんありますが
難しくてマイナーな横収差図はほとんどありません。
横収差図はレンズの瞳像高と像面での像高が
軸になりますが、
この軸は2次元平面で縦横どちらを表すかによって
収差図の性質が変わってきます。
そのため、収差図の軸が何を意味するのか
間違えないようにしなければいけません。
また、像面で下の図のような
赤矢印の方向を放射方向(メリジオナル方向)、
青矢印の方向を同心円方向(サジタル方向)といいます。
仮に同心円方向の像性能が良くても
放射方向の像性能が悪いと、
画像周辺部で流れるような画像になってしまいます。
右上の拡大図
縦収差図では光軸に平行な光線しか表せません。
しかし、横収差図は光軸とは平行でない角度で入射した光も表せます。
入射角が何度かも意識する必要があります。
レンズ下方から角度をつけて入射する場合はこのようになります。
この収差図の時に光線がどのようになるのかわかると
理解がしやすいです。
上の図では横軸が瞳のy軸、
縦軸が像面のy軸になっています。
像面では放射方向の収差を表します。
分かりやすいようにグラフ上の5点をプロットします。
この5点の光線を描いてみます。
5点プロットしてみた
下斜めから入ってくる光線を描いているので
レンズの下の方は口径食でケラれます。
y軸で切った二次元平面にするとこうなります
この図を見るとレンズ中心を通った光軸(ピンク)より
上の方に光線が集まっていることが分かります。
これを見ると放射方向にコマ収差があるなということが分かります。
斜めの直線になっていると光線がこうなります。
光線が一点に収束していますが
像面とは異なる位置です。
画像端では像面と異なる部分にピントを結ぶ現象。
像面湾曲です。
ここまでの説明では単波長の光だけ考えていましたが
RGBそれぞれで考えると
倍率色収差なども分かります。
つづく…かも。
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