・フォビオンセンサ
最近、ソニーが垂直分離型のセンサを作ってるとか
うわさが絶えません。
デジタルカメラで色を表現する為には
光の三原色であるR,G,Bの三色の情報を
それぞれ別々に得る必要があります。
通常のセンサではR,G,Bのカラーフィルタを
別々の画素に貼り付けることで三色を得ています。
赤の色を得る画素は四画素に一つなので
1600万画素のカメラでは400万画素しかありません。
これはカメラの解像度を落とす原因の一つになります。
垂直分離型は一つの画素でRGBの色を分離します。
そのため、通常のセンサに比べて
画素数が3倍相当の解像度を持ちます。
1600万画素センサでも4800万画素相当です。
また原理的に色モアレが発生しません。
この垂直分離型は光の波の特性を
うまく利用して実現しています。
垂直分離型のさきがけがSIGMAのフォビオンセンサです。
赤い光の方が波長が長く
青い光の方が波長が短いです。
センサの光を受光するフォトダイオードは
シリコン製ですが
シリコンの分子に青い波長はすぐにぶつかりますが
赤い波長はなかなかぶつからずに奥までもぐりこみます。
このどこまで光が奥まで入り込むかによって
色の分離を行います。
この垂直分離型センサは非常に素晴らしいのですが
現在主流になっていないのは欠点があるためです。
まず色分離が通常のセンサに比べ性能があまり良くありません。
少しの色の差で大きくセンサの出力値が変わるので
扱いが難しいです。
色のダイナミックレンジが広いといえば聞こえがいいですが、
ホワイトバランスを含め、色再現は
とても難しい作業になります。
つぎに、高感度性能です。
現状のフォビオンセンサでは
基本的に最低感度で撮影するのが前提となります。
最近の高感度性能が良いセンサが多いので
それに対してかなり不利になります。
また最新のMerrilセンサは電気をたくさん食います。
DP1merrillを買ったら電池二個入ってた!
太っ腹、と思ったらすぐに電池がからになります。
こういった欠点を改善すれば
垂直分離型センサによってセンサ性能が
劇的に進化すると思われます。
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