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2014年2月10日 (月)

・SIGMA FoveonX3 quattroセンサーの謎

シグマから興味深い製品が発表されました。
http://www.sigma-photo.co.jp/new/new_topic.php?id=626

新世代Foveon X3センサー採用の「dp Quattro」
04 特異な形が目を引きますが、
それ以上に気になるのがセンサー。

シグマは以前にも紹介した垂直分離型のFoveonセンサを使っています。
今回発表されたquattroセンサは下の図のような構造になっています。

Quattro_solution_image
シグマのページの説明より

撮像素子はAPS-Cサイズ相当の
Foveon X3ダイレクトイメージセンサー「Quattro」(23.5×15.7mm)。
従来のMerrillセンサー(4,800×3,200×3層)と異な り、
輝度情報はトップ、色情報はトップ、ミドル、ボトムの3層で取り込む新構造を採用。。

この説明だけでは色々と疑問がわきます。

1:最表面でなぜ輝度情報が取り込めるのか?
 Foveonセンサは光の波の性質を利用して波長ごとに色分離を行っています。
 それなのに、輝度情報を取り込めるわけは?

2:なぜ最表面だけ4つに画素を分割しているのか。

3:なぜ青が4分割なのか


これらの疑問について考察してみました。

1:シグマのFoveonセンサの分光感度は下の図のようになっています。
44 これを見るとブルーは幅広い波長に反応することが分かります。
そのため青の部分を輝度情報として用いることにしたのではないかと
予想ができます。

2:なぜ最表面だけ4つに画素を分割しているのか。
最表面で輝度情報を取り込むということですが、
人間の目は色情報より輝度情報を細かく読み取れるという性質が有ります。
Yuv444_2 Yuv420_2 044 上:元画像  中:色情報を1/4  下:輝度情報を1/4

この三枚の画像を見ると輝度情報がいかに大切かが分かります。
そのため、輝度情報を取り込む最表面だけ画素数を細かくして
2000万画素にしているのだと考えられます。

むしろ、色情報は500万画素くらいなので、
以前のMerrillセンサの1500万画素の1/3に減っています。
色を取り込む画素ピッチが以前よりも大きくなっているので
カラーノイズが減ってるんじゃないかと予想できます。


3:なぜ青が4分割なのか
Foveonセンサは波長が短い順に表面から色分離を行っています。
7 この図の通り、最表面が青になるには光学的な理由があります。
そして、光の波の性質として回折現象があります。
絞りによって回折の影響が大きくなると画像の解像度が失われます。

回折の影響は波の波長が長くなるほど大きくなる性質が有ります。
つまり赤い光が一番回折の影響が大きく
青い光が回折の影響が小さいです。
そのため、青の取り込み部分だけ画素数を増やしているのだと考えられます。

ここまで書いたことはあくまで現在でている情報からの予測にすぎないので
木曜から開催されるカメラショーのCP+でシグマの人に聞いてみたいと思います。

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