・マゼンタ浮きの発生原理
デジカメで高感度で撮影をすると
暗部が紫っぽく色づくことがあります。
写真が汚く見える原因の一つです。
これをよく
「黒浮き」とか「マゼンタ浮き」と呼びます。
天体撮影とか長秒撮影で更に目立ちます。
なぜマゼンタになるのかというと、
センサの特性とホワイトバランスの関係によるためです。
デジカメのセンサは光が当たるとそれを電気に変えて
映像を記録します。
光が当たらなければ電気が流れません。
また、カラーで記録する為に
光の三原色のRGBそれぞれの画素があります。
上の図のように理想的には
光が当たらない状態では電気の流れる量はほぼゼロです。
しかし、実際は暗電流と呼ばれる電流が流れます。
この電流は熱が多いほど多く発生するので
暑い夏などの方が発生しやすいです。
適度な白い光をあてると、センサの出力が下の図ようになります。
センサの出力はグリーンが一番高い特性を持っています。
そのため、ホワイトバランスを取るときには
基本的にブルーとレッドにゲインをかけます。
ホワイトバランスをかけた後は
RGBそれぞれが同じぐらいの値になります。
しかし、最初にノイズ成分としてRGBにオフセットが乗っていると
適正なゲインをRとBにかけても
RとBはゲイン過剰になります。
通常は暗電流分を考慮して
ゲインをかけます。
そのため、このような問題は起こりません。
しかし超高感度になると
暗電流によるノイズ成分が大きくなりすぎて
RとBのゲインによってマゼンタ浮きが発生します。
天体撮影では特に問題になる現象なので
ダーク減算という手法を行うことがあります。
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