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2014年3月 1日 (土)

・マゼンタ浮きの発生原理

デジカメで高感度で撮影をすると
暗部が紫っぽく色づくことがあります。
写真が汚く見える原因の一つです。

マゼンタ浮きなし
Resize056084

マゼンタ浮きあり
Resize056085

これをよく
「黒浮き」とか「マゼンタ浮き」と呼びます。
天体撮影とか長秒撮影で更に目立ちます。
なぜマゼンタになるのかというと、
センサの特性とホワイトバランスの関係によるためです。

デジカメのセンサは光が当たるとそれを電気に変えて
映像を記録します。
光が当たらなければ電気が流れません。
また、カラーで記録する為に
光の三原色のRGBそれぞれの画素があります。

Uki_3
上の図のように理想的には
光が当たらない状態では電気の流れる量はほぼゼロです。
しかし、実際は暗電流と呼ばれる電流が流れます。
この電流は熱が多いほど多く発生するので
暑い夏などの方が発生しやすいです。
適度な白い光をあてると、センサの出力が下の図ようになります。

Uki_1

センサの出力はグリーンが一番高い特性を持っています。
そのため、ホワイトバランスを取るときには
基本的にブルーとレッドにゲインをかけます。

Uki_2

ホワイトバランスをかけた後は
RGBそれぞれが同じぐらいの値になります。
しかし、最初にノイズ成分としてRGBにオフセットが乗っていると
適正なゲインをRとBにかけても
RとBはゲイン過剰になります。

通常は暗電流分を考慮して
ゲインをかけます。
そのため、このような問題は起こりません。
しかし超高感度になると
暗電流によるノイズ成分が大きくなりすぎて
RとBのゲインによってマゼンタ浮きが発生します。
天体撮影では特に問題になる現象なので
ダーク減算という手法を行うことがあります。

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