2024年11月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
無料ブログはココログ

« ・レンズ情報から簡単に補正できる収差 | トップページ | ・Qと望遠レンズのマッチングその2 »

2014年3月31日 (月)

・Qと望遠レンズのマッチングその1

なぜこんなにもQを取り上げているのかというと
おもちゃとして非常に面白いからです。
ちゃんとした写真も撮れますが、
センササイズが小さいがゆえにいろいろ遊べます。
値段も安いし。

最初に考えられる遊びが超望遠撮影です。
35mm換算で5.5倍の焦点距離になるため
300mmのレンズで1650mm相当になります。
天体とか、鳥とか撮るのに最適。

Imgp7817 Imgp7738_2

土星や木星も写ります。

しかし、センササイズが小さいので
画素ピッチが狭く、レンズの解像性能に大きく影響されます。
また、回折限界がF2.8なので
回折による像性能の悪化も無視できません。

どのレンズでどう撮影すれば一番解像度が良くなるのか。

そこで、35mm換算1000mm以上になる
さまざまな望遠レンズで比較撮影を行いました。
絞りが変えられるKマウントレンズのみです。

回折限界がF2.8ですが、望遠レンズで開放F値が2.8というのは
あまりありません。
あっても非常に高価。
開放F値が4だとしても絞ると像性能が良くなることも有ります。
それは、回折で悪くなる分よりも
絞ることによる収差の改善が上回った時です。


そのあたりも踏まえて実写します。
等倍トリミング画像を以下に載せます。

注意点として、空気の揺らぎ(かげろう)の影響を
もろに受けてしまっています。
なるべく、かげろうの少ない朝に撮影しましたが…。
画像のもやもやは評価対象から除外して考えます。


・DA50-200mm

中古なら7000円くらいで買えます。
開放だと色収差が大きく、像性能もあまりよくありません。
一段絞りだと改善されます。
F11までいくと回折の影響が大きくなり解像が下がります。
開放
50200f58
F8
50200f8
F11
50200f11


・DA55-300mm

ペンタ純正の一般的な望遠レンズです。
開放だとフレアーでコントラストが低下。
絞るほどフレアーが改善します。
一段絞れば像性能的には十分。
二段絞ってもそこからあまり改善しない。
開放
55300_58
F8
55300_8
F11
55300_11


・DA18-250mm

 PENTAX DA18−250mm F3.5−6.3ED AL【中古】

 PENTAX DA18−250mm F3.5−6.3ED AL【中古】
価格:29,800円(税込、送料別)

旧式の高倍率ズームレンズ。
タムロンのも同じです。
開放は使い物になりません。
一段絞ってようやくまともになります。
二段絞るとコントラストもよくなります。
開放
18250_f58
F8
18250_f8
F11
18250_f11


・DA18-270mm

3年延長保証付[PENTAX]DA 18-270mmF3.5-6.3ED SDM

3年延長保証付[PENTAX]DA 18-270mmF3.5-6.3ED SDM
価格:60,720円(税込、送料込)

高倍率ズームレンズ。
タムロンのも同じです。
開放はフレアっぽくてだめですが
同系のDA18-250よりも良いです。
一段絞るとこのタイプのレンズとは思えないくらいの描写です。
開放
18270f63
F8
18270f8
F11
18270f11


・DA★200mm

高性能スターレンズ。
開放ではけっこう解像していますが、
軸上色収差がとても気になります。
F4は撮影ミスりました。
二段絞りで色収差も抑えられて、像性能も
さすが単焦点という感じです。
開放
200f28
F4
200f4
F5.6
200f56

・DA★300mm

一般の人が手に届く価格であろう
純正レンズで一番の長玉。
開放から十分使える性能です。
絞った時の画像がもろにかげろうの影響を受けてしまい
評価できません。
開放
300f4
F5.6
300f56
F8
300f8


・SIGMA70-200mmF2.8

解像性能に自信のあるシグマレンズ。
開放は若干フレアっぽいですが
ズームレンズであることを考えると十分な性能。
一段絞れば一気によくなります。
開放
70200f28
F4
70200f4
F5.6
70200f56


・SIGMA150-500mm

一般的になんとか買えるであろう価格での超望遠レンズ。
開放はフレアも解像もひどい状態。
二段絞ってようやく落ち着いてくる感じです。
しかし二段絞ると回折の影響も受けます。
500mmの望遠は魅力的ですが、
300mmくらいで撮影してトリミングした方が
細かい所まではっきり写りそうです。

開放
150500f63
F8
150500f8
F11
150500f11

・BORG コ・ボーグ36ED
解像性能を求めたアポクロマート天体望遠鏡。
200mmF5.6。絞り固定。
小さい筐体からは考えられないほどの解像度。
200mmの大きいレンズをF5.6まで絞った時と同等か
それ以上かと思います。

Borg

こうしてみると、50倍ズームのデジカメとか、
いかに無謀なレンズなのかがよく分かると思います。
Qは1200万画素ですが、
最近のコンデジだと1600万画素です。
1600万画素あっても、ぼやけて映ってしまっては意味が無い。

次回、それぞれのレンズにおける最適な絞りと
試した中で最も良いレンズをまとめます。

« ・レンズ情報から簡単に補正できる収差 | トップページ | ・Qと望遠レンズのマッチングその2 »

写真講座」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ・Qと望遠レンズのマッチングその1:

« ・レンズ情報から簡単に補正できる収差 | トップページ | ・Qと望遠レンズのマッチングその2 »