・非球面レンズとは
3000円とかの格安メガネ屋さんで眼鏡を作ると
「+2000円のオプションで非球面レンズにできます」
と言われたりします。
非球面レンズにする利点は、
レンズが薄くなる、周辺部の収差が減って
見やすくなる、等が挙げられます。
カメラのレンズにおいても同じようなことが言えます。
球面レンズの場合、どうしても避けられない球面収差が
一枚のレンズで補正が可能です。
球面レンズだけを複数用いたレンズ設計だと収差の補正に
何枚ものレンズが必要になり大きく重くなってしまいます。
いいことづくめに思える非球面レンズですが
欠点もあります。
最大の欠点が製造が難しいことです。
球面レンズであれば研磨で容易に作成できますが
非球面を研磨で精密に製造するのは
とても難しいです。
大学の時にアクリルを研磨して作った
非球面レンズ。
小さいながら、虫眼鏡としての倍率は大きい。
アクリルですら、研磨で非球面を作るのは大変。
ガラスで研磨で量産するとなると
専用の機械も大掛かりになるし、
時間当たりの数もたくさん作れません。
でも、眼鏡の非球面レンズはたくさん作られているし
やすいよね?
最近は非球面でも追加料金かからなかったり。
メガネレンズは素材がガラスではなくプラスチックです。
プラスチックは融点が低いので研磨じゃない方法が使えます。
金型を使って作る方法です。
じゃあ、ガラスも同じように金型作れば簡単じゃない?
と思うのですが、それが難しいのです。
金型を作ってプレスする方法を
ガラスモールドと言われます。
プラと同じような方法でもガラスだと難しい理由として
まず、ガラスの融点が高いことが挙げられます。
完全に液状にならなくとも、
ある程度柔らかくならなくてはいけません。
金型もその高温に耐えられつつ、温度による形状変化は
許されません。
高温なので、劣化も早い。
ガラスを高温から冷やしたときなどに
レンズ内部のガラスの密度が偏っていてもいけません。
更に、ひとえにガラスと言っても沢山の種類があります。
それぞれに金型との相性があり、相性が悪いと
ガラスの表面がはがれたりしてしまいます。
プラとは比べ物にならないくらい難しいです。
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プラスチックだと温度とか湿度で形状変化しやすいという欠点が
ありますが克服したのだろうか??
そのほかの方法として、
プラスチックの加工のしやすさと
ガラスの温度変化耐性の両方のバランスを考えた
複合非球面レンズと言われるものもあります。
球面ガラスの表面に紫外線で硬化する様な樹脂や
プレスしやすい樹脂で
非球面を形成する方法です。
樹脂を使う分、ガラスモールドに比べると
性能は若干落ちると思います。
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