・絞りでピント位置がずれる
カメラのレンズはF値を変えると
微妙にピント位置が変わります。
ピント位置が変わるとは、
例えば絞り開放で月にしっかり合わせたつもりでも
二段とか絞ると微妙にピントがあっていなかったり。
これは球面収差が原因で起こります。
また、F1.4のレンズでファインダーではピントがあっているのに
F8で撮ると微妙にピントがずれてたり。
下の図は球面収差が発生しているレンズの
収差図と光線です。
(縦収差図の見かたはこちら)
この図は虫眼鏡のレンズなど
最も単純なレンズの場合です。
この時ピント位置は下の図の位置になります。
(右の方のグレーの円はボケの形状です。)
一番光線が収束している場所です。
絞りを入れるとこうなります。
明らかにピント位置が右の方にずれています。
このピント位置がずれる問題を解決するために
複数のレンズを組み合わせたり
非球面レンズを使ったりして
球面収差を補正した例が下の図です。
瞳像高1の時の光線がプラス側にいます。
これを「オーバーコレクション」といいます。
先ほどの状態は
「アンダーコレクション」です。
オーバーコレクションの時、絞り開放と
絞った時のピント位置は…
先ほどに比べてピント位置の移動が少ないです。
一眼レフのレンズはこのように設計されることが多いです。
しかし、ボケの形は、二線ぼけになり、綺麗とはいえません。
そこで、少し改善した設計が
「フルコレクション」です。
像高1でピント位置が0になるように設計されたレンズです。
このように補正されたレンズであれば
ピント位置の移動をほとんど気にせず使えます。
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