・キングスレートという現象があるらしい
今回はカメラにあまり関係ない記事です。
天体撮影時における誤差の話です。
いろいろ調べてみたのでそれをまとめます。
間違っているかもしれない。
地球は自転を一日1回転(360°)します。
そのため、星のみかけ上の動きも1日で360°です。
春分の日や秋分の日のように
昼と夜の長さが同じ日であれば、
夜の時間に星が移動する範囲は180°になります。
また、だだっ広い場所で空を眺めれば
西から東180°、南から北180°の範囲の星が見えるはずです。
それ以上は地平線や水平線の下になって見えません。
地球上の一点として、もっと広い視点で見ると
下の図のようになります。
しかし、実際には地平線のすぐ下の星も見えているそうです。
これは大気の層による屈折の影響が理由です。
つまり、屈折の影響で実際には180°以上の範囲が見えています。
天頂付近では屈折の影響があまり無いので、
大気の影響は関係しません。
地平線付近や水平線付近の星は浮かび上がって見える為、
星が沈む時は地平線に近いほどゆっくり動くように見えます。
ある天体が昇りはじめてから沈むまで、
実際には180°以上動いていることになります。
そう考えると、天体を追尾する赤道儀は
一日で1回転するのでは実際の天体の動きと誤差が生じます。
この誤差がキングスレートと呼ばれているらしい。
1日の秒数は普通は86164秒、キングスレートは86200秒。
ごく微小な差ですが、赤道儀は地球の自転より
少しだけ遅く回転しています。
屈折の影響が無い天頂方向と地平線付近では
速度が異なるのですが、全体を平均した数値が
キングスレートということです。
星の位置が大気の影響で浮かび上がるので
星が沈む時に動きが遅くなるのは理解できます。
しかし、大気の影響で地平線近くだと
水平方向の星の移動でも動きが遅くなります。
なぜ。
上の図は日本(北緯35°)での天球図です。
中学二年の理科で習います。
星が水平方向に動く南方向の空で考えます。
地平線近くでは真の星の位置より、
見かけの星の位置は浮かび上がります。
この図の人の位置から見た視点が下の図です。
星が二時間の間に動く角度は30°(=360÷24×2)です。
星は大気の影響で浮かび上がりますが、
浮かび上がった位置で本来動くべき回転角30°よりも
動いている移動量が小さくなります。
なので、水平方向の移動でも、大気の影響で動きが遅くなります。
遅くなるのは見かけの位置だけなので、
星が沈んだ後も考えると一日でちゃんと360°動きます。
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