・マクロレンズにクローズアップレンズをつけても意味がない
クローズアップレンズはお手軽価格でマクロ撮影ができる
便利なアイテムです。
しかし、マクロレンズをもっていて、
そこにクローズアップレンズをつけてもほとんど意味が有りません。
なので、マクロレンズをすでに持っている方は注意が必要です。
クローズアップレンズに像倍率を大きくする力はありません。
最短撮影距離を短くするだけです。
もともと被写体に近づけないレンズにつければ
被写体に近づいて撮影できる分、像倍率が上がります。
ただ、マクロレンズはそもそもが被写体に近づけるレンズなので
そこからさらに近づけるようになる距離は小さいので
像倍率はほとんど変わりません。
そもそも、クローズアップレンズは倍率1倍とか2倍という
計算ではないので分かりずらいです。
下の図は最短撮影距離が80cmの
レンズの場合のピントの合う位置です。
右がクローズアップレンズのNo2をつけた時の
ピントの合う位置です。
No2では50cmより手前でピントが合うようになります。
どこまで近づけるかは元のレンズの最短撮影距離に依存します。
最短撮影距離80cmのレンズだと
100/80 = 1.25
100/( 2 + 1.25) = 30.77
大体30cmまで近寄れるようになります。
近寄れる分、大きく写せます。
下の図は最短撮影距離が10cmのマクロレンズの場合です。
右がクローズアップレンズのNo2をつけた時の
ピントの合う位置です。
100/10 = 10
100/( 2 + 10) = 8.3
大体8cmまで近寄れるようになります。
もともと10cmまで寄れるレンズなので、
8cmまで寄れてもあまり像倍率は変化しません。
つまり元から寄れるレンズには
クローズアップレンズをつける必要がありません。
さらに、
No10のクローズアップレンズをつけるとどうなるだろうか。
100/10 = 10
100/(10+10) = 5
5cmまで寄れるようになります。
No2からNo10に変えても3cmしか最短撮影距離が短くなりません。
つまり、もともと寄れるレンズの場合、
ナンバーが大きいクローズアップレンズをつけても変化が小さいです。
下の図を見ると、ピントの合う範囲が非常に狭いことも分かります。
また、ピントの合う範囲がレンズ内にめり込んでいます。
最短撮影距離はセンサからの距離なので、
計算上はレンズ先端より内側にピントが合うという
わけのわからないことになってしまいます。
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