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2014年8月 7日 (木)

・ISO102400とか超高感度の意味

最近のデジカメはセンサの技術が発達して
ひと昔前では考えられなかった超高感度撮影ができるようになりました。

Resize115735 ISO102400

しかし、ISO102400が設定できるとはいえ、
使えるかどうかは別です。
上の画像を見ても分かる通り、ノイズだらけです。
実は、超高感度が設定できるから使えるとか
使えないとかあまり意味のない事です。

ここで、デジカメのノイズについて簡単に説明します。
下の図は低感度でのデジタル信号
1010010
を表しています。
Kando_1

デジタルでの信号は0と1、つまり
電圧がかかっているか、かかっていないかの二進数です。
電圧が一定以上より高い部分が1、低い部分が0です。

ノイズには主に二種類あります。
ランダムノイズと固定パターンノイズです。
上の図では、ランダムノイズは小さな波(高周波成分)に相当します。
固定パターンノイズは暗電流(オフセット)に相当します。
固定パターンノイズはセンサーの個体によってある程度、発生量が決まるので
減算をすることで消すことができます。
センサの種類ごとに差もあるし、同じ種類のセンサで個体差も有ります。

下の図は感度を上げたときです。

Kando_2

信号が増幅されるので、微細な信号も感じ取れるため
暗い所でも明るく写すことができます。
しかし、それと同時にノイズ成分も増幅されます。
この図では最初の信号がノイズの影響を受けています。

さらに感度を上げた図が以下です。
Kando_3
当然、暗電流も増幅されています。
暗電流は減算によって消せますが、
ここまで増幅されると暗電流の比率が大きく
また、誤差も生じるので、暗電流の引きすぎや、減算不足が
発生することもあります。

同じISO6400でもノイズが少なければ
もともとのセンサのノイズが少ないということなので、
ISO100などの低感度でもきれいに写真が撮れるといえます。

PENTAX Q のISO6400

Resize115736
Q
カラーノイズが特に多い。
輝度ノイズはノイズ処理によって潰されている。
そのためディティールが失われる。

K-5のISO6400

Resize115737 K5
カラーノイズが少ない。
ホコリ等のディティールが残っている。

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コメント

ノイズの説明、わかりやすいです。

図では2ビットですが、実際には12ビットのAD変換なので、
固定パターンノイズを押さえることが重要ですね。
シグマのクワトロが、基板を一枚にして
(フィールドグラウンドの共通化とパターン最適化?)
ノイズを押さえ、かつ処理を高速化したことを謳っていたような記憶があります。

素人理解ですが、、、

12bitで説明すると4096段階になって、わかりづらいので2bitにしました。
クワトロのノイズ軽減対策はちょっと勉強不足ですが、
メリルに比べて、ノイズはかなり減っているので
何かしらハードウェアで対策を講じているとは思います。

CP+でシグマの方に質問した時は、下の階層を1/4の画素数にすることで
総画素数を減らして処理速度を上げたと言っていました。

CP+での山木社長の”今のデジカメは、コンパクトにまとめるために
基板が複数になり、ノイズが凄いんだ”、、この話が印象に残っておりました。

電気関係は素人ですが、以前、光通信のルーターに使われるBiDi(光、電気変換)のパッケージに
関係したことがあり、基板材料の誘電率が問題になっていました。
ギガヘルツ領域では、材料特性も問題なのだと、感心しきりでした。

昔のCCDデジカメは今に比べてノイズがとても多かったので
山木社長のコメントは対外用トークのような気もします…

でも、ギガヘルツ帯の信号を扱う世界では
物理学だけでなく化学も重要になってきますね。

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