・MTF曲線の見かた
レンズの性能を表すグラフとしてMTFがあります。
レンズの性能紹介ページに行くとグラフがあります。
このグラフの見方を簡単に説明しようと思います。
MTF(=Modulation Transfer Function)は
コントラストがどの程度まで表せるかを示す関数です。
下の図がMTFでのコントラストのおおざっぱな概念です。
sin波の白と黒の1セットで1本として数えます。
被写体のパターンは白と黒の差が大きく、
コントラストが高いといえます。
レンズを通過して写し出された像は
若干ぼやけてコントラストが低くなります。
数値で表すと以下のようになります。
この図ではコントラスト比でみると
レンズ通過後は50%まで落ちています。0.5でも良いです。
MTF曲線のグラフの縦軸はこういう意味です。
横軸については何種類かパターンがありますが
一般的にレンズのMTFで示される時は像高になっています。
大抵、実線と破線の二つで一組で表されます。
サジタル(ラジカル)と
タンジェンシャル(メリジオナル)
を表しています。
サジタルコマフレアの項目でも同じような事をかきましたが
この図のような感じです。
対角線の端が像高1。
つまり、MTFグラフは左が画像中心で
右に行くほど画像の端になります。
上で示したMTFグラフのレンズだとすると、
撮影画像はこんな感じになります。
中心はしっかりと描写されますが周辺がぼやけています。
周辺の描写が悪いレンズです。
下のMTF曲線はサジタルは非常によいですが、
タンジェンシャルが周辺で落ちています。
このようなレンズだと下のような写りになります。
周辺が流れるような描写になります。
実際のレンズのMTF曲線を見てみましょう。
ツァイスの otus 85mm F1.4のグラフを借りてきました。
解像性能が非常に高いと評判のレンズです。
お値段も高いですが。
このMTF曲線では、サジタルとタンジェンシャルのペアの曲線が
3組かかれています。
これは異なる周波数の数値がかかれています。
上から10本/mm、30本/mm、40本/mmです。
イメージ的には下のように周波数が異なっています。
本数が増えても(模様が細かくても)MTFが高い数値を維持しているならば
細かいディティールまでもしっかり解像ということです。
上記のことが分かっていると
レンズを比較するときの性能の
目安のひとつになると思います。
ただし、MTFは平面チャートでの性能です。
実際に写真を撮るときは奥行きのある被写体で
ボケ味が重要になります。
ボケ味はMTFからは読み取れません。
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