2023年12月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
無料ブログはココログ

« ・高画素機だとJPEGの8bitでは足りない | トップページ | ・バランスは大事 »

2014年12月20日 (土)

・サジタル方向、メリジオナル方向

MTFについて以前に書きましたが、
その中の項目でサジタル方向、メリジオナル方向の向きがよくわからない、という
ご指摘を受けました。

Sajitaru_2


というのも、ニコンのMTFの説明のページには以下のように記載されているためです。

S方向(サジタル方向:放射方向)とM方向(メリジオナル方向:同心円方向)

上の図の説明と比べると逆になっています。
リコーイメージングの説明でも下記のように記されています。
S方向(サジタル方向、放射方向)のMTFを実線で表し、
M方向(メリディオナル方向、同心円方向)のMTFを破線で表しています。

更に、パナソニックの説明だと
サジタル(同心円方向)の「S」とメリジオナル(放射線方向)

こうなるとどっちが正しいのか分かりません。
メリジオナルは放射なのか同心円なのか。
レンズ収差などの定義では、
物点と光軸を含む面をメリジオナル面と定めています。

直感的に理解するためには、像の流れを考えると分かりやすいです。
Imgp9217
上の写真は放射方向に像が流れています
別の言い方をすれば、同心円方向の解像が悪い
とも言えます。
下の図は同心円チャートです。(テキトウな図ですが)
Photo
この時、同心円方向の解像が悪い、と
下の図のようになります。
Photo_2
放射方向に像が流れる = 同心円方向のチャートの解像が悪い

つまり、各メーカのMTFの説明では向きの説明が足りないのが原因です。
放射方向に像が流れる          → サジタル方向(ニコン、リコーイメージング)
同心円方向のチャートの解像が悪い → サジタル方向(パナソニック)


放射方向のチャートの解像が悪い    → サジタル方向(ニコン、リコーイメージング)
同心円方向に像が流れる         → サジタル方向(パナソニック)

これでは混乱しても仕方がない。
MTFのSが悪い時はサジタルコマフレアが発生。
同心円方向に羽が広がる、とでも覚えましょう。

※2017/6追記
逆だった記載を修正しました。
MTF曲線の話をしているので、パナソニックより、ニコン・リコーの方が
より正確な表記といえます。

« ・高画素機だとJPEGの8bitでは足りない | トップページ | ・バランスは大事 »

写真講座」カテゴリの記事

コメント

>MTFのSが悪い時はサジタルコマフレアが発生。
>同心円方向に羽が広がる、とでも覚えましょう。

え、え、え?
放射方向に彗星のように尾を引くことが原因で、同心円方向のチャートを解像しなくなる。
この「点光源が放射方向に彗星のように尾を引く」現象を「サジタルコマフレア」と呼んでいるのでは?

あ、逆ですね。
同心円方向に彗星のように尾を引くことが原因で、放射方向のチャートを解像しなくなる。
この「点光源が同心円方向に彗星のように尾を引く」現象を「サジタルコマフレア」と呼んでいる。

つまり例として挙げられた三つの画像、
「放射方向の像の流れ」、「同心円チャート」、「解像が悪化した同心円チャート」、
は、「メリディオナルコマフレア」の症状を説明していますね。

だから
>放射方向に像が流れる          → サジタル方向(ニコン、リコーイメージング)
>同心円方向のチャートの解像が悪い → サジタル方向(パナソニック)
これは「メリディオナル方向」の間違いですね。

コメントありがとうございます。
たしかに最後の二文が間違っていました。
一番最初の図中の表記と逆になっている…。

ご指摘ありがとうございます。

すみません、私自身もこの件は正直どちらが本当かわかってないのです。
ですので本記事は大変参考になりました、ありがとうございます。

光軸(レンズの中心軸)を内部に含む放射方向の平面(同心円方向を法線ベクトルとする平面)、
これを「メリディオナル面」と呼ぶのは間違いないようです。

それで
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/interview/722664.html
ここのページのキヤノンの説明(ページ内を"サジタルハロ"で検索)を読むと、
やはり同心円方向に彗星の尾がたなびく方向がサジタルコマ収差でよいようです。

でも現実には放射方向のコマ収差が出るレンズも多いような気がしますが、
「メリディオナルコマフレア」って言葉はあまり聞かないのが不思議です。

「メリディオナルコマフレア」という言葉が使われないのは
おそらくですが、
「コマ収差」という言葉自体が彗星が尾を引くような収差を表すので、
わざわざ、メリディオナルを付けないのではないかと思っています。
また、画像周辺部で放射方向に像が流れるのは
比較的よくある現象なので、単に「像が流れる」と言ってしまうので
特別な言葉が現れていないのかと。
最近はデジタル高画素になり、サジタルコマフレアも
気になるようなレベルになったために、
よく言われるようになったのではなかろうかと考えています。
(今までは放射方向の像の流れ≒コマ収差)のほうが問題点とされていた。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ・サジタル方向、メリジオナル方向:

« ・高画素機だとJPEGの8bitでは足りない | トップページ | ・バランスは大事 »