・白飛びは何故救えないの?
写真をやっていると発生する失敗写真、
それが露出設定ミスです。
白飛びしたり、黒つぶれしたり。
白飛びは救えないけど、
黒つぶれは救えるので、なるべくアンダーで撮りましょう
とよく言われます。
何故白飛びは救えなくて黒つぶれは救えるのか。
簡単に概念を説明します。
デジカメのセンサの1画素をビーカーにたとえます。
水が光の量。
255mlまで測れるビーカーです。
このビーカーにどれだけ水が入っているかで
画像の明るさが決まります。
ビーカーが空ならば黒つぶれ状態、
満杯ならば白飛び状態。
しかし、白飛び状態は、2パターンあります。
・ちょうど目いっぱい入っている状態、
・水があふれ出てしまっている状態。
どちらも同じ白飛び状態として認識されます。
どれだけ水があふれたのかが分からないので、
白飛びした場所は後から画像処理で救うことができません。
では黒つぶれはどうなのか。
ビーカーが空ならばそれも救えないのでは?
実際には、ビーカーが空になる事はありません。
センサ上には光を当てなくても暗電流と呼ばれる
電流が流れています。
ビーカーで言うと、
蛇口を締め切ったのに水がぽたぽた垂れている状態です。
また、ビーカーの水は振動で波打っていると
イメージしてください。
この波打っているのはセンサに潜在するノイズです。
この光を当てていなくても存在する微小な水と振動、
これは「黒レベル」などとも呼ばれます。
センサ特有の黒レベルが分かれば、それを減算することで
完全な黒を得られます(ビーカーを空にできる)
この減算をOB減算とか呼んだりします。
一見まっ黒に黒つぶれしているように見えても、
微小に電流が流れているため、これを増幅(増感)すれば
暗い部分が見えてきます。
ノイズも同時に増感されるので、
ノイジーにはなります。
ノイジーになるとはいえ、白飛びよりは情報が出来るだけましです。
ただし、どんな場合も救えるかというとそうではありません。
信号レベルがノイズレベルよりも小さいと
ノイズに埋もれてしまいます。
こうなるとノイズなのか信号なのか分からなくなってしまいます。
黒つぶれがどこまで救えるかは、
センサの素性によるところが大きいいです。
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