・動画で使うログとは
映画の撮影は長らくフィルムで行われてきました。
フィルムで撮影し、デジタルデータにてCG加工を行い
映画館で上映する為にフィルムに焼きつける。
上記の流れの過程で、
フィルムで撮影されたものをデジタルにする際に
フィルムの濃度とコンピュータで扱うRGBの色域変換する時
それぞれ皆が別々の方式や機材でやっていると
映像のシーンごとにコントラストや色合いが変わってしまいます。
デジタル化する際の基準としたのがシネオンと呼ばれるものです。
ネガフィルムの濃度とデジタルデータの数値を対応付けしています。
この対応付けを「Log」と呼ばれます。
対数のLogです。
写真用語のアペックス値ではよく数式にLogが出てきます。
対数を使うと光の入力量と撮影画像の明るさが線形(リニア)に
表現できるので扱いやすくなります。
写真でよく出てくるガンマは指数に関する事なので
似たようなものです。
デジタル動画撮影時に
このLogに合わせた方式で記録すると、
映像制作が楽になります。
Logの曲線はメーカによって異なり、
キヤノンはCanonLog、ソニーはS-Log
パナソニックも最近V-Logとして対応しました。
カメラの機能で白飛び軽減の
ハイライト補正とか、オートライティングオプティマイザとか、
これらの機能はダイナミックレンジを200%拡大(2倍)にしますが
キヤノンのLogだと800%拡大です。
ネガフィルムのラティチュード(ダイナミックレンジ)が広いので
それに合わせた感じです。
白飛びがしにくくなりますが、画像全体のコントラストが低下し
眠い映像になります。
また、ダイナミックレンジを拡大すると実質感度が高くなるので、
ISO100のカメラなら、ISO800相当の感度になります。
ダイナミックレンジが広い画像を元に、グレーディングと呼ばれる
映像のレタッチ作業を行い、いい感じの動画に仕上げます。
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