・被写界深度を計算する
被写界深度について、以前に記載しました。
ピントが合って見える範囲の事です。
これを理解すると、背景をうまくぼかすことができます。
被写界深度の計算式は以下です
参考としたサイト
http://www.asahi-net.or.jp/~YD8S-HMD/others/camera1.htm
前方被写界深度は、
前ボケになるまでの距離です。
後方被写界深度は
後ボケになるまでの距離です。
式を見ると分かる通り、
前方被写界深度の方が浅いです。
もし、うつる全ての範囲を被写界深度内に入れるなら
前方被写界深度の方が浅いので、
気持ち手前側にピントのピークを持ってきた方が良い。
上式で問題となるのが許容錯乱円径です。
許容錯乱円と画素ピッチの関係の記事で
許容錯乱円が画素ピッチより小さければ
ピントがあったと言えると書きました。
しかし、実際に写真を見る場合は
等倍拡大なんかしないのが普通なので
一般的な許容錯乱円はもっと大きくなります。
これは写真をプリントした時の見た目、
最適なテレビ鑑賞距離、等で決めることができます。
この最適な距離は視力1.0の人を基準に決められているようです。
テレビの最適鑑賞距離はテレビの縦の長さの3倍の距離です。
テレビの縦が50cmならば150cm離れた所から見るのが良いです。
この距離で画像を見たときにボケた部分が分からなければ
被写界深度内と言えます。
視力1.0とは
ランドルト環(視力検査のCのマーク)の1.454mmの隙間を
5mの距離から見ることができることです。
これを角度で表すと1/60°となります。
ただ、一般的に許されるのは2/60~3/60°と言われています。
つまり視力1.0の人の目の解像度限界の2~3倍まで許されます。
40inchの4Kテレビモニタを視力1.0の人が見たときに、
モニタのドットが分かる距離が計算できます。
40inchのテレビは縦が50cmです。
4Kモニタは縦に2160ピクセルあるので
一画素の大きさは0.23148mmです。
5000:1.454 = x:0.23148
x = 79.57
大体8cmまで近づけば
40インチの4Kモニタの画素が判別できます。
でも実際はそんな見かたしないので、
解像限界の2~3倍を許容するとします。
3倍を許容するとすると
上記 xは 約240mmとなる。
ところで、最適鑑賞距離は40inchのテレビの場合150cmの距離なので、
下の図のような画素ピッチAの撮像素子で撮影された4K映像を
40inch 4Kモニタで見る場合に許容される画素ピッチは…
150:24 = x:A
x = 150*A / 24
このxが許容錯乱円径と言えます。
いろいろ難しい事を書きましたが、
どうやら、撮像素子の対角を1000~1500で割ったものが
許容錯乱円として使われているそうです。
上の計算でもそれほど大きな差にはなっていないとは思いますが。
厳密に被写界深度を求めようとすると難しいです。
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