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2016年3月26日 (土)

・カラーチェッカーの新旧の検証

業界で標準とされているカラーチェッカーが
いわゆる「マクベスチャート」です。

昔はグレタグマクベス社が製造していて、
人間の肌や、自然界の緑、空の青、RGBとCMY
主要な色をひとつのチャートにまとめています。
マクベスチャートを画像のどこかに一度写し込んでおけば
正しい色再現が可能です。

現在マクベスチャートはx-rite社が販売しています。
(マクベス社が吸収された)
カラーチェッカーパスポートという名で
小さいサイズが発売されていますが、
顔料が変わったのか、以前と色が若干異なります。

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色の違いを確認してみました。

マクベスチャート(旧)
Reseize152891

カラーチェッカーパスポート(新マクベス)
Reseize152892

こういった評価の時の撮影の注意点。
・ライティングは左右45°から2灯で照らす。
・演色性が高いライトを用いる
・ピントを少しずらす(偽色の発生などを抑えるため)
・適度に絞り、収差を軽減させる。
・周辺光量落ちの影響が無い中心部分だけに被写体がくるようにする。
・ライティングおプティマイザやシャドー補正などオフにする。
・露出、ピントなどなど、全てマニュアル。
・ホワイトバランスはマクベスのn5のパッチで合わせる。


自分の持っている設備の都合上、ライトは一灯です。
各パッチのY値(輝度)と色差a*b*をグラフにプロットしました。

Macbeth_3

輝度を見ると、グレースケールがかなり異なっているのが分かります。
新マクベスはWhiteの輝度が高いが、n5やn3.5のグレーのパッチは暗い。
グレーのリニアリティは新マクベスのほうが高そう。

bluish greenも新マクベスのY値が若干高いです。

Macbeth_2

この色座標グラフは、中心が無彩色です。
グレーパッチは全て中心に集まっています。

色のパッチは
全体的に一致していないのは気になります。
light skinblueが特にずれています。
いやなことに全体がばらばらの方向にずれているので
簡単には補正できなそうです。

会社の大先輩のアドバイスで、
富士フイルムの色温度変換フィルタLBB1をかませてみました。
(もうディスコンになってしまった商品です…)

その結果。

Macbeth_1

フィルターを挟んだ分、全体的に露出が落ちてしまいました。
ただ、落ち方が色によって違う。
露出が一致していない場合、ガンマ後のJPEG比較ではリニアリティがないので
正確な色比較はできません。
とは言え念のためグラフにしました。

Macbeth_4

Blueのパッチはフィルタを挟むことで新マクベスにかなり近づきましたが、
一方で、アンバー系等のパッチは離れてしまっています。
どうにも、一致させるのは難しそうです。

あと、昔のマクベスはベースが紙でその上に顔料が乗せてありましたが、
X-riteのはプラ系の樹脂がベースになっているので
それによる反射率の違いなどがありそうな予感。
個体差もあって、なかなか信用ならない。

もっと本格的に調べるには各パッチの分光反射率を測定したいですが
そこまでの機材は持っていない。

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