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LED照明が主流になり始めてしばらく経ちます。
最近では無段階調光が可能なLED照明装置も出てきています。
電球で明るさを変えるには、加える電圧を変化させるだけなので
仕組みが簡単でした。
しかし、LEDでは安全のために定電圧電源が
入っていることが多く電圧による調光は大変です。
そこで、よく使われるLED調光がPWM制御です。
PWM制御は発光時間間隔で調光する仕組みです。
ストロボの調光と似ている。
ここで気になるのが、この仕組みだと
周期性を持った発光のため、フリッカーが発生しうるということ。
点滅間隔が非常に短ければ無視できるが
100Hz程度だと、撮影時にフリッカーによる横縞が発生しうる。
EIZOの色評価用のLEDスタンドを使っていますが
暗くするとフリッカーが発生してしまいます。
上の写真は一眼レフのフォーカルプレーンシャッターですが
暗いところと明るいところの差が明確に出てしまっています。
かなり点滅間隔が長いものと思われる。
これではライトを明るさを暗くして、
高感度でのノイズ評価が正しく行えません。
以前にレビューをしました。
![]() LAOWA 15mm F4 Wide Angle Macro with Shift ペンタックスKマウント [LAO008] 《納期約1週間》 |
フルサイズ広角レンズとしては
解像はそれほど高くありませんが
マクロやシフトなどユニークな機能が特徴です。
広角レンズはふつう、被写界深度が深くなるため
背景をあまりぼかせませんが、
このレンズは等倍マクロができるため背景をぼかすことが可能です。
上の式で、焦点距離が分母にあるため、
焦点距離の短い広角レンズではぼけにくい。
ただし、被写体距離が分子にあるので
近くに寄れるマクロではぼけやすい。
となると気になるのはボケ味です。
広角マクロなので、前ボケはほぼ入れられませんが
後ボケは発生させることができます。
ボケ確認チャートで見てみました。
等倍拡大
後ボケが輪郭がカチッと出ていて、硬い感じであることが分かります。
これはちょっと嫌な予感。
ボケ確認チャートと実写画像での相関がまだ十分に取れていないので
実写画像を確認。
超広角マクロとしてとても面白いレンズなのがわかる。
マクロでありながら、十分に背景も入る。
ここまで背景を大きくぼかせばボケの硬さはそれほど気にならなそう。
その他、ボケとは直接関係ないが収差は以下のよう。
画像右端
周辺部でのコマ収差が大きい。
2段絞ればそれなりに少なくなります。
歪曲収差は陣笠状でとても目立つ。
シフトレンズだと建築物などに使用することが多いが、
これだけ歪曲していると建築物にはつらい。
自然の中で新しい発想でシフトを使うのが良いかも。
ボケや解像がイマイチでも、
超広角の等倍マクロでシフトもできるレンズは
唯一なので、持っていて面白いレンズです。
ペンタックスのK-1セミナーに行った後
今話題の豊洲新市場野のあたりに行ってきました。
あのあたりは埋立地なので新しい建物とだだっ広い土地しかありません。
東京湾に面しているので景色もいい。
レインボーブリッジもきれい。
LAOWAの15mmで撮影しましたが、
歪曲収差やコマ収差が大きく結構癖があります。
以前の記事で書いたティルトアダプタで撮影
カメラ:パナソニックGM1
![]() Panasonic デジタル一眼カメラ ルミックス GM1 レンズキット 標準ズームレンズ付属 オレンジ DMC-GM1K-D/送料込! |
アダプタ:K-m4/3変換アダプタ
レンズ:シグマ15mmFisheye
![]() シグマ 15mm F2.8 EX DG DIAGONAL FISHEYE ペンタックス用 |
以前からこのブログでは自作評価チャートで
いろんな確認をしてきました。
このチャートは100均で買ってきたものや、
電塾チャート(←別サイトに飛びます)などを
いろいろ貼り付けたものです。
ノイズや解像度などはこのチャートで確認ができます。
しかし、写真というのは平面被写体を撮ることは少なく
実際は立体物を撮ることのほうが多いものです。
立体物だと、ボケ味等もレンズの性能としては重要な要素になります。
なので、ボケ評価チャートを作ってみました。
こんな感じ。
黒テープのしわとか、見栄えは悪いですが…。
雪の結晶の部分がボケて、ぼけ味がわかります。
とりあえず試しに、2本のレンズを比較してみました。
Tamron 18-50mmF2.8
![]() 《新品》 TAMRON(タムロン) SP 17-50mm F2.8 XR DiII LDI(ペンタックス用)[ Lens | 交換レンズ ] |
PENTAX FA 50mm F1.4
![]() FA50/1.4【税込】 ペンタックス FA50mm F1.4 [FA5014]【返品種別A】【送料無料】【RCP】 |
条件をそろえるために、FAの方もF2.8に絞って比較しました。
Tamron 17-50mmF2.8
FA50mmF1.4
同じAPS-Cの50mmで撮影していますが、画角がかなり異なります。ズームレンズとかだと、
被写体距離によって焦点距離変動が大きく発生する場合があるためです。
(50mmのレンズでもマクロ撮影の時で実焦点距離が40mmになったりする)
焦点距離は基本的に無限遠の被写体を撮影した時が基準になっています。
ピント位置での等倍比較
(クリックで拡大、左:FA50mm 右:tamron17-50mm)
タムロンのレンズはブルーのフリンジ(軸上色収差)がかなり目立ちます。
FA50mmも軸上色収差は大きいのですが、F2.8だと2段絞っていることもあり
ピント位置ではほぼ目立ちません。
ピント位置より後ろの部分
タムロンのズームレンズは後ボケが滑らかでなく、
硬い感じになっています。
また、緑色の軸上色収差が発生していることが分かる。
雪の結晶模様の横の円のボケに
同心円状のムラが発生していることもわかります。
球面収差によるものです。
ピント位置より前の部分
FA50mmは紫のフリンジが発生しており、
タムロン17-50mmはブルーのフリンジが発生しています。
前ボケについても、単焦点であるFA50mmのほうが滑らかでよい。
開放F値も違う単焦点とズームレンズの比較なので、
FAの方が有利なのは当然ですが…。
立体チャートなので置き場所が結構困りますが、
同条件でいろんなレンズの評価ができそうです。
先日、ペンタックスオフミーティングに参加してきました。
ペンタの中の人と密にコミュニケーションがとれる貴重なイベント。
開発、品証、マーケ、企画など様々な部署の社員さんが来ていました。
レンズが借りれたのでDFA★70-200mmを借用。
![]() 《新品》 PENTAX (ペンタックス) HD D FA*70-200mm F2.8ED DC AW[ Lens | 交換レンズ ]【下取交換なら¥10,000-引き】 |
目的は持参したシグマの70-200との比較。
ペンタックスの純純正レンズなので欲しいけど、値段と重さが…。
同じ被写体をワイド端とテレ端でF値ごとに撮影しました。
「そんなこと社員でもやらないよ」といった感じですが。
まず、70mmのF2.8での比較
DFA★70-200mm
Sigma 70-200mm
等倍比較
左:シグマ 右:ペンタックス
色再現はシグマのほうが若干青め、
ペンタはアンバーめ。
(ホワイトバランスは太陽光固定です)
ペンタは暖かい感じと言われるのがここでも出ています。
背景のボケは意外なことに、シグマのほうが滑らかです。
ペンタックスは若干二線ボケの傾向があり、うるさい。
F8での比較
DFA★70-200mm
Sigma 70-200mm
シグマちょっと後ピンになってます。
ボケについても、絞るとペンタのほうが素直になります。
200mmのF2.8での比較
DFA★70-200mm
Sigma 70-200mm
等倍比較
左:シグマ 右:ペンタックス
ピント位置が若干違うので厳密な比較はできませんが
ペンタのほうが芯のシャープさとデフォーカス部分の柔らかさが
出ている気がします。
というか、AF(コントラストAF)で狙ったところに
ちゃんとピントが来ているのがペンタックス。
200mmのF8での比較
DFA★70-200mm
Sigma 70-200mm
等倍比較
左:シグマ 右:ペンタックス
シグマピント合わないな…。
それを差し引いても、
ペンタックスのほうが色乗りとヌケが良いです。
レンズC.C.I.が全然違うんじゃないかというくらい色が違う。
ただ、背景のボケはシグマのほうがいいなぁ、という印象。
解像チャートとかは別として
一般被写体ではどっちが勝っている、とかはなく、
好みの問題になりそうです。
フォトマスター検定のエキスパートに合格しました。
去年の11月に1級を受けてからのストレート合格です。
フォトマスターEXは1級合格による高度な実用知識を前提に、
作品創作力や写真活動実績、
あるいは指導(リーダー)性などを評価し、
いわば写真の達人として認定するものです。
EXは試験ではなく、
小論文、作品提出、写真活動経歴
で判断されます。
小論文はテーマが決められていて、
それに沿った内容を道筋立てて説明する、というもの。
テーマは「良い写真とは何か」「写真の役割は何か」みたいな
結構抽象的なものです。
普段考えていることや、写真仲間とワイワイ話したりしている内容を
しっかりまとめられれば大丈夫かと思います。
それよりも、規定の紙に手書きで書かなければいけないのが面倒くさい。
書き間違えとかもできないし…。
予めPCとかで文章をまとめておいて、
それから紙に清書するのが良いです。
作品提出は各テーマ5枚ずつ提出します。
私の場合は風景だけにしたので、5枚ですが
「総合」を受けるためには3テーマで15枚必要です。
この際、3テーマが、風景、花、夜景みたいに
似てるのが被るとNGになるようです。
また、5枚の組み合わせも似た写真よりも
こんな撮影もできる、こんなのも撮れる、みたいに
いろんな種類があったほうが良いです。
ワイド4つ切りでクリスタルプリントで提出しました。
写真活動経歴は今まで自分が関わったことを
とにかくたくさん書くことが良いです。
私の場合
・グループ展に展示
・小さなコンテストで佳作
・勤めている会社の投資家向け冊子の表紙に採用
・SNSで人を集めて写真教室の開催
・カメラ関係会社に勤務
・このブログ
などを記載しました。
証明するための資料を集めなければいけないので
結構時間がかかります。
PENTAXのK-1にファームアップで
電子シャッター機能が搭載されました。
(電子先幕ではない)
メカ的に動く部分が無いので、
シャッターブレなど気にせずにきっちり止めることが可能です。
ただし、電子シャッターだと静止物限定。
電子シャッターで高速シャッターを切ってみました。
1/1000ss
フリッカーが写っています。
これは、電子シャッターの読み出しスピードが遅いため
点滅する光源の影響を受けてしまうことで
縞模様が発生します。
横軸が時間で、縦軸が実際の画像の位置を表しています。
フリッカーの点滅により、暗い瞬間に読みだした部分は暗くなり、
明るい瞬間に読みだした部分は明るく映ります。
シャッター速度と電子シャッターの読み出しスピードの違いに注意が必要です。
同じシャッター速度でも、幕速が速いメカシャッターならば
フリッカーが映りません。
幕速は大体ストロボ同調速と同じくらいです。
1/180とか。
電子シャッターでも、シャッター速度を長くすればフリッカーが発生しません
大体、1/100秒より長い場合(関東)
図で見るとこんな感じ。
これらの図を見ると、メカシャッターでも高速シャッターだと
フリッカーの影響を受けることが分かります。
フリッカーの点滅で暗い瞬間に露光した場合
真っ暗画像になる。
フリッカーで切り替わる瞬間に露光した場合
画像半分が暗くなる。
キヤノンやニコンの上級機種で採用されている
フリッカー補正機能は、
連写時などにフリッカーの影響を受けない瞬間にシャッターを切るような
制御を行っています。
チャートの結果がどんなに良くても、
DxOのスコアがどんなに良くても、
実際に撮影してみないとわからないのがカメラです。
部分拡大
左:iPhone6 右:iPhone7
レンズの収差で周辺が悪くなっています。
方向性を持ったコマ収差が出て、さらに
2線ボケの傾向が強まっています。
F値を2.0から1.8にしたことによる無理が出ているのだろうか。
個人的にはiPhone7になってカメラ画質は悪くなったと思っています。
部分拡大
左:iPhone6 右:iPhone7
松の葉っぱなどのディティールが失われて
塗り絵画質になっています。
ほかの画像でもそうなのですが、拡大すると
絵画のような画質で写真っぽくありません。
部分拡大
上:iPhone6 下:iPhone7
曇天では露出がかなり異なっています。
この点ではiPhone7のほうが適正に近い印象です。
ただし、コキアのディティールが完全になくなってしまっています。
もともと塗りつぶし感が多少あったものがさらに強力になっている。
部分拡大
上:iPhone6 下:iPhone7
雲の部分も、ノイズは少ないのですが、
筆で書いたか絵画のような画像になっています。
部分拡大
上:iPhone6 下:iPhone7
マンションのタイルがiPhone7では
ノイズ処理で消えています。
振幅も小さく、周波数もノイズと同じぐらいのディティールだと
ノイズと区別ができずに消えてしまいます。
iPhone7になって、ノイズ処理が強くなった結果と言えます。
部分拡大
左:iPhone6 右:iPhone7
このシーンではホワイトバランスが
iPhone7が優秀。
iPhone6は茶色のネコに引っ張られて
青方向に転んでいます。
ディティールもこのシーンにおいては
エッジ強調が良く働いていて
見栄えが良い。
ただし、下の拡大部分のように
デフォーカス部分は処理が強すぎる印象があります。
全体的にiPhone7の画質の方向性は
ワタシ的にはがっかりでした。
手ぶれ補正が入ったことで、失敗写真はかなり減ります。
また、拡大しない分にはそれなりの写真ですが、
ちょっと大きくプリントしたりすると、絵画のような感じで立体感が感じられません。
歪むというと語弊があるかもしれませんが、
広角レンズでは歪曲収差とは異なる、
独特の特徴があります。
広角レンズの使い方の記事でも書きましたが、
広角レンズだとパースが強くかかります。
パースが強くかかる被写体だと、消失点も目立ちます。
風景や人工物などでは特に問題ないのですが、
人物が入ったりすると広角レンズならではの
問題が出てきます。
端っこの人の顔が大きくなる。
広角レンズを使って集合写真を撮るときには
なるべく端に行かないほうがいい。
また最近話題の新豊洲新市場。
地下の柱が傾いているなどと騒がれています。
検証されているウェブページもよく見かけます。
ちょっとでもカメラをやっている人なら、
原因などすぐに分かるはずなのに。
ちなみに下の写真を見ると、
グラントウキョウサウスタワーが傾いて見えます。
数年前からCP+のベルボンブースで
ウルトレック(三脚)のカーボン版を作ってくれと言っていたものが
ついに発表されました。
僕が今一番持ち歩くことが多いUT43Qは畳むと27cm位と
とてもコンパクトで普通のショルダーバッグにも余裕で入ってしまいます。
ただし、重さは軽いとは言え1kgほどあるので
常にカバンに入れておくのはちょっとしんどい。
少しでも軽くしたいところです。
個人的にウルトラロック方式は素早く設置できて好きなタイプです。
一時はSIRUI等のトラベラータイプのカーボン三脚に変えようと思っていましたが
待っていてよかった。
チャートを用いてiPhone7の画質を確認しました。
デフォルトのカメラアプリではISO設定ができないので、
iPhone6とiPhone7で同じ条件(明るさ)で確認しました。
iPhone7は色空間がDCI-P3なので、sRGBに変換して
色がちゃんと比較できるようにしています。
暗いとき
露出がかなり違っています。
2Ev以上違います。
特にシャッター速度がiPhone7では1/4になっていて、
暗い場所でも手ぶれ補正の成果が出ている模様。
(このチャートを撮影したときは三脚使用)
露出が違う時点で比較する意味が無い気もしますが
一応気になる部分を確認。
左がiPhone6、右がiPhone7です。
グレーのパッチの階調がiPhone6では
ノイズに埋もれてわからなくなっています。
解像チャートを見ると
感度が1段高いiPhone6も
なんとか解像しているのがわかります。
iPhone7はJPEGの圧縮ノイズなのか、
画像上部の赤い線の色がにじみ出て
不自然なアーティファクトになっています。
平坦部分のノイズはiPhone7になって
かなりきれいに消えています。
しかし、画像処理の比較をするには
高感度側では、露出はISO等の条件を揃えないと
殆どできない。
純正アプリだと撮影時に何もいじれないので
Lightroom等のアプリを入れないとダメかもしれない。
ただ、普通に使う分には明るく撮れて良い印象。
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