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2017年3月 9日 (木)

・ナイキスト周波数とは

デジカメのモアレの話になるとよく
「ナイキスト周波数」という言葉が出てきます。
このナイキスト周波数とは、信号処理の分野の言葉です。
(大学で信号処理の授業を受けると出て来る用語)

デジタルカメラでは、
空間をデジタルの画像データに切り抜きます。

実空間は連続的なものですが、
デジカメでの画像データは、ピクセルごとの
離散的なデータになります。

例:六本木ヒルズから見た景色
Resize159702

実空間のイメージ
_imgp6480__
超望遠レンズで実空間を拡大して撮影。
どれだけ拡大しても連続した空間になっています(当たり前だけど)。

デジカメでのデジタル画像のイメージ
2
最初の画像をどんどん拡大していくとブロックが見える。
各画素が格子状に並んでいます(離散的)。

この、連続した値を離散した値にすることを
サンプリングといいます。
どれだけの周期でサンプリングをするかが
サンプリング周波数です。
デジカメだと撮像素子上に画素が規則的に並んでいるので
画素のサイズが周波数になります。

たとえば下の図のような細かい周期的な模様があったとします。
3

これを正確に再現するためには、二倍より大きい周波数で
サンプリングをする必要があります。
この周波数をナイキスト周波数といいます。
(上の図でいうと、画素ピッチ5μm未満,
ベイヤー配列ではなくモノクロセンサとする)
なぜ二倍かは、「フーリエ変換 ナイキスト周波数」などで検索してください。

こんなに細かい模様を写真で写すことなど無い、
と考えるかもしれませんが、
柵などの被写体をレンズを通して撮像素子に写される像だと
これくらい細かくなることもあります。
1

ナイキスト周波数より高い周波数の被写体を映すと
折り返しひずみが発生し、本来の画像と、
折り返しひずみによるものなのか区別が不可能になります。

Resize159703
拡大
Imgp0421_

PENTAXの画素ずらし技術、RRSで撮影しているので、
色モアレは発生しないが、輝度モアレが発生している。

APS-C機種で1600万画素の機種より
2400万画素の機種のほうがモアレが発生しにくいとよく言われます。
これは、画素ピッチが狭くなり、ナイキスト周波数が大きくなるため、
より細かい模様じゃなければモアレが発生しないためです。

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