・ナイキスト周波数とは
デジカメのモアレの話になるとよく
「ナイキスト周波数」という言葉が出てきます。
このナイキスト周波数とは、信号処理の分野の言葉です。
(大学で信号処理の授業を受けると出て来る用語)
デジタルカメラでは、
空間をデジタルの画像データに切り抜きます。
実空間は連続的なものですが、
デジカメでの画像データは、ピクセルごとの
離散的なデータになります。
実空間のイメージ
超望遠レンズで実空間を拡大して撮影。
どれだけ拡大しても連続した空間になっています(当たり前だけど)。
デジカメでのデジタル画像のイメージ
最初の画像をどんどん拡大していくとブロックが見える。
各画素が格子状に並んでいます(離散的)。
この、連続した値を離散した値にすることを
サンプリングといいます。
どれだけの周期でサンプリングをするかが
サンプリング周波数です。
デジカメだと撮像素子上に画素が規則的に並んでいるので
画素のサイズが周波数になります。
たとえば下の図のような細かい周期的な模様があったとします。
これを正確に再現するためには、二倍より大きい周波数で
サンプリングをする必要があります。
この周波数をナイキスト周波数といいます。
(上の図でいうと、画素ピッチ5μm未満,
ベイヤー配列ではなくモノクロセンサとする)
なぜ二倍かは、「フーリエ変換 ナイキスト周波数」などで検索してください。
こんなに細かい模様を写真で写すことなど無い、
と考えるかもしれませんが、
柵などの被写体をレンズを通して撮像素子に写される像だと
これくらい細かくなることもあります。
ナイキスト周波数より高い周波数の被写体を映すと
折り返しひずみが発生し、本来の画像と、
折り返しひずみによるものなのか区別が不可能になります。
PENTAXの画素ずらし技術、RRSで撮影しているので、
色モアレは発生しないが、輝度モアレが発生している。
APS-C機種で1600万画素の機種より
2400万画素の機種のほうがモアレが発生しにくいとよく言われます。
これは、画素ピッチが狭くなり、ナイキスト周波数が大きくなるため、
より細かい模様じゃなければモアレが発生しないためです。
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