・HDRモニターは輝度じゃなく表現できる色が広がる
以前にHDRモニターについて、簡単に記事を書きました。
HDRモニタになると扱える輝度が
これまでのディスプレイ(SDR)の数十倍にもなります。
扱える輝度が広がる、つまりダイナミックレンジが広がるので
HDRディスプレイといわれます。
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なんでそのようなディスプレイが必要かというと、
自然界で人間の眼に入ってくる光の輝度差に合わせるためです。
今まではせいぜい300カンデラ/㎡くらいの輝度しか出せず、
太陽など明るいものが映し出されたときには
脳内で「太陽だから明るいはず」と補正されていた状況です。
そのため、HDRディスプレイで映像を見ると
補間が必要ないので脳がつかれません。
(最近だとヨドバシやビックカメラにもHDRディスプレイが売っているので見れます)
ただし、単純に液晶パネルの輝度を上げただけでは
白とびしたところは戻ってきません。
これを救うためには、ハイライト補正と同じような原理で、
アンダーで撮影して、後で持ち上げる
「専用のγカーブ」が必要です
代表的な二つのカーブがHLG(ハイブリッドログガンマ)とPQカーブです。
HLGはNHKなど放送系が規格したもので、下方互換を重視しています。
PQカーブは絶対値方式でドルビーなどの映画関係が規格化しています。
ただし、一般的な画像や映像の8bit情報を、HLGなどで、
無理に持ち上げると、暗い部分のノイズや諧調破綻が発生します。
東京タワーが白飛びしないようにアンダーで撮影。
カーブで持ち上げたが、お寺の部分がノイジーかつ色がなくなっている。
空の階調も破綻している。
そのため、10bitや12bitの映像で処理をする必要があります。
10bitでの映像データを出力したり、扱えるPCやソフトやディスプレイが必要になります。
ここのシステムを組むのがレベルが高い。
また、HDRの規格では色域がsRGBではなく、BT.2020と呼ばれる
広色域です
HDRモニタでは輝度だけでなく色域も広がります。
ただし、色域が広がるのと同時に、輝度も広がるので
表現できる色がものすごく広がります。
三次元的に表現できる色が広がるのです。
この、今までのモニターではカバーできなかった部分に
自然界の「きれいな色」がたくさん存在します。
太陽光越しのほのかな桜の色や、玉虫の色、オーロラの色とか。
HDRディスプレイの規格では、この領域に、たくさんの情報を持つため、
輝度値が200以上の部分だけで写真が成り立ちます。
光で写真を作ることができます。
この写真は輝度200位上だけの値しか無いが、
海のきれいな青が表現できていない。
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