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2017年6月14日 (水)

・BT.2020とは

色空間という言葉がデジカメ業界や印刷業界にはあります。
色空間とは色の種類を座標平面上に配置し、
数学的に計算ができるようにしたものです。

そもそも色というものは、見る人によって異なるし
同じ人だとしても気分で異なります
(落ち込んでいるときは色が薄く見えるとか)
その為、色を定義するのはとても難しい。

ただ、色とは可視光線のことなので光の波長とも言えます

そして、データとして色を扱うには定義をする必要があります。
一般的なものが三原色の赤緑青で3次元のRGB空間です。

パソコンのモニターなどはRGBの画素を光らせて
様々な色を作り出しています。

しかし、安いテレビと高級なテレビで発色が違うように
表示デバイスによって再現できる色が異なります。

それを統一するために様々な色空間が規格されました。
いちばん有名なものがsRGBです。
そして、写真をやる人の中で二番目に有名なものがAdobeRGBです。

色域の関係は下の図。
3
黄色の線がAdobeRGB。広い色空間を持っています。
馬蹄形の色が塗ってある部分が、色をx-y平面という
平面上にプロットしたときの可視光領域です。

sRGBもAdobeRGBも三角形の色域ですが、
これはディスプレイの画素がRGBからなるからです。

Rの画素だけ光らせた時に三角形の右下の頂点に来ます。
AdobeRGBが表現できるモニタと、sRGBのモニタの大きな違いは、
緑の画素をめいっぱい光らせたときの色の違いです。
AdobeRGBモニタのほうが緑画素が鮮やかに光らせることが可能。

最近(2017年)だと、このAdobeRGBも古い規格になりつつ有り
iPhone7では更に広いDCI-P3です。

そして、最近流行りのHDRディスプレイでは
BT.2020という色空間です。
2
ピンクの線がBT.2020の色空間。
ピンクの線を見ると、可視光の単色波長までくっついています。
(馬蹄形の図形に接している)
つまり、光そのものです。
これは印刷物では再現できません。
(蛍光塗料とか使えばいけるかもしれないが…)

こうした規格が出てくるということは、
写真がプリントから次のステージに進んだともいえます。
ただ、BT.2020は現状では動画でのみ用いられている規格で
静止画では存在しない。
HDRディスプレイで用いられるガンマのハイブリッドログガンマと
BT.2020をあわせてBT.2100という規格もできました。

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コメント

>『BT.2020は現状では動画でのみ用いられている規格で、静止画では存在しない。』

EOS R3 カメラでは、静止画・HDR (HEIF) 撮影では、BT.2100の色域 (=BT.2020の色域) が使われています。

コメントありがとうございます。
この記事を書いた時点では動画規格でようやくBT.2020が普及し始めた時期でした。
2022/4ではコンシューマ機で静止画にも使われていて、進歩が早いなと感じます。

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