・白色点とは
写真をやるにあたって、色の基準になる「白」
を決めることはとても大事なことです。
しかし、この白を決めることはなかなか難しい。
白っぽいじゃなく、明確な「白」を定義しなければいけない。
紙の場合は、何も印刷していない状態が白と言えます。
紙の種類によって、この白も様々な種類があることが
感覚的にわかると思います。
液晶ディスプレイのような発光体は、
経年劣化や製造ばらつき、パネルの種類などによって
色も変わるので、視聴環境によって「白」が異なってしまいます。
左右のディスプレイで全然色が違うことが分かる。
(キャリブレーションしても同じ色に合わせられないから、そろそろ買い替えかも)
いまは、ネットなどでいろいろな人がいろいろなディスプレイで
同じ画像を見ます。
なのに基準の色が異なっていると困るので、規格が設けられています。
主に用いられる白色点はD50やD65と呼ばれるものです。
D65の記事
白色点の変換には行列演算で数値的に変換ができます。
絶対的な色空間として(X,Y,Z)空間がありますが、
なぜ3軸かというと、人間の眼がRGBの三色で反応する細胞を持っているからです。
そのため、色空間の変換はたいてい、3×3の行列演算で求めます。
(高校数学Cで習う分野)
現在位置版一般的な色空間である
sRGBやAdobeRGBの白色点はD65で規定されています。
D65の数値的な座標は(X,Y,Z) = (0.95046 , 1.0 , 1.08906)です。
人間の眼の特性に近い色空間Labでは白色点はD50です。
(人間の眼の特性に近いとは、
この記事の楕円がどの色でも同じくらいの大きさになる色空間)
Lab空間だと
二つの色が座標上でどの程度離れているかと、
人間の視覚的にどの程度違って見えるかが大体比例します。
白色点をD65(5000Kを白とする)からD50(6500Kを白とする)への変換式は以下になります。
D65→D50 |
|
|
1.047886 |
0.022919 |
-0.05022 |
0.029582 |
0.990484 |
-0.01708 |
-0.00925 |
0.015073 |
0.751678 |
白色点の変換計算はXYZ空間で行われることに注意。
« ・イルミネーションを幻想的にする画像処理 | トップページ | ・皆既月食と建物を同時に撮る »
「写真講座」カテゴリの記事
- ・グローバルシャッターって何が凄いの(2023.11.14)
- ・写真に枠を付けて正方形にするプログラム(2023.10.30)
- ・レンズ光学性能とセンサー解像度(2023.10.11)
- ・フィルターに最適なガラス素材は?(2023.10.05)
- ・コンピュテーショナルフォトグラフとは(2023.09.21)
コメント