・画像重ね合わせによるノイズ低減処理
暗いところなどでISO感度を上げて撮影すると
画像にノイズが多く乗ります。
ISO 20000
ノイズが増えても、ノイズ処理の技術が上がっているため
ディティールをつぶさずにきれいにノイズだけを除去することが
出来るようになりました。
ここまでは、一枚の画像でのノイズ低減の話です。
スマホのカメラでは、一枚画像でのノイズ低減に
限界があるため複数の画像を用いることがあります。
また、天体の世界ではノイズを非常に嫌うので
数十枚の画像を重ねてノイズを除去する手法も用いられています。
なぜ複数枚の画像を合成するとノイズが少なくなるのか。
意図的にランダムノイズを加えた画像を4枚用意しました。
4枚を平均化するとこうなります。
ランダムに発生しているノイズは重ねることで
平均化されて、ノイズ成分としては少なくなります。
実際のシーンでのISO25600の画像4枚を重ねてみた。
一枚
4枚
拡大
左:1枚 右:4枚平均
原理的には4枚重ねるとISO感度でいうと1段分良くなります。
2枚だと1/√2段
ISO12800
ISO25600×4枚
左:ISO12800 右:ISO25600x4
16枚重ねてみた。
左:ISO25600 右:ISO25600x16
最近のスマホでは、暗い場所だと
一枚撮影に見えて12枚ほど連写したのを重ねてたりします。
重ねれば重ねたほうがいいじゃん、と思いがちですが、
重ねると動きのある被写体だと正しく合成できなかったり、
手ブレの影響を受けたり、撮影時間が長くなったり、
画像処理時間が長くなるなど、デメリットもあります。
また、マイナス側のノイズはないため、
暗部はノイズが蓄積されることで、黒浮きが発生します。
暗部はノイズが蓄積されることで、黒浮きが発生します。
上記の16枚重ねた画像も、撮影中の微妙なブレが蓄積されて
ディティールが少し失われてしまっています。
また、スマホではRAW撮影できる機能が出てきていますが、
RAWから作った画像(1枚撮影)と、
通常のカメラアプリでの撮影(複数枚重ね)では画質が全く違ったりします。
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