・ファインダー倍率とは
前回:ファインダー視野率とは
一眼カメラのファインダーの性能の一つにファインダー倍率があります。
ファインダー倍率は大きいほど
ファインダー像が広く見え、覗いたときの感覚が良くなります。
ファインダー倍率が低い一眼だと、像が見えにくく
「井戸底」などと呼ばれたりします。
ファインダー倍率の大きいカメラと小さいカメラ
ファインダー倍率は、フルフレーム一眼レフでは0.75倍とか、
APS-C一眼レフでは0.95倍とか、そんな感じの数値になっています。
この数値だけ見ると、フルフレーム一眼レフのほうが
ファインダーが小さく感じますが、実際は逆です。
APS-Cサイズのセンサのカメラでは焦点距離が1.5倍になるため、
ファインダー倍率も1.5倍になっています。
APS-Cで0.95倍のファインダーの場合、フルフレーム換算すると
0.63倍になります。
そもそも、センサの大きいカメラのほうが、
ミラーもプリズムも大きくなるので
ファインダー倍率も大きくしやすいです。
ペンタプリズムの大きさ比較
左:APS-C 右:35mm版フルフレーム
ところで、このファインダー倍率、
レンズの焦点距離に依存しますが
カタログを見ると、どのレンズを使ったときか等の
条件が記載されています。
( 50mmレンズ・∞・-1m^(-1) )
上記が一般的によく使われる条件です。
ここが違うと、メーカー間でどれだけ性能が違うのか比較できません。
ここで記載されている50mmのレンズというのは
文字通り、焦点距離が50mmのレンズを付けたとき、という事です。
大体は50mmF1.4の単焦点レンズです。
次の∞は
ピント位置が無限遠にいるときを表しています。
これは、ピント位置(被写体距離)によって
若干焦点距離が変わってしまう為です。
花を多重露出で撮る記事のように、
イルミネーションを多重露出で撮影するとよくわかります。
この写真はピントが合った画像と、
わざとぼかした画像を重ねています。
中心付近はぴったり一致しているのですが、
周辺になると、ボケた画像のほうが
外側になっていることがわかります。
これはピントをずらした画像のほうが
像倍率が大きいため(焦点距離が少し長い)です。
そのため、
ピント位置が無限遠のときのファインダー像が
実際に見える被写体の何倍の大きさで見えるかを定めています。
-1m^(-1)は視度調節を-1m^(-1)にした時を示しています。
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