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2019年4月12日 (金)

・シネマレンズと写真レンズの違い

最近は、シグマやサムヤンから
シネマ用のレンズが発売されています。
これらは写真用レンズの設計を流用して
基本的には鏡筒を変更しただけです。

では、これまでツァイスやフジノンなどから発売されていた
超高価なシネマ用レンズとは何が違うのか。
(ハリウッド映画撮影などでも基本はレンタル)

まず、シネマ用レンズは性能が非常に高いです。
これは像性能などはもちろんのこと、
求められるのは
 バリフォーカルじゃないこと、
 ブリージングがないこと
です。

・バリフォーカル
ズームレンズにおいて、焦点距離によって
ピントがずれてしまうレンズのことです。

Pentax DA16-85
T端でピント合わせ(等倍拡大)
Tele

そのままピントリングをいじらず
W端にして撮影
Wide

W端にするとピントが合っていないことがわかります。
写真ではその都度ピントをあわせるので
大きな問題になりません。

しかし、動画ではカメラワークの関係上
Rec中にズームをしたりすることがあります。
このときにピントがずれてしまっては台無し。

また、写真撮影をするときに厳密にピント合わせをする際は
ライブビューで拡大表示をしてピントを合わせます。
しかし、ビデオグラファーは
ズームした状態でピントを合わせます。
バリフォーカルではこの方法が全く使えない。

 

・ブリージング
ブリージングとはピント位置によって
像倍率が変わってしまうことです。
近いものと遠くのものを移したときに
微妙に焦点距離が変わる、とも言えます。

そんなこと起こるの?と思うかもしれません。
起こります。

手前にピントを合わせたとき
Resize168426

奥にピントを合わせたとき
Resize168427

右上の端をみてみると

Bri1

手前にピントを合わせたときのほうが、画角が狭いことがわかります。


これが起こると、Rec中にピント位置を変えると
不自然になってしまいます。

これらが起こらないような光学設計にすると
どうしても高価に、大きく重くなってしまいます。

しかし、最近の大口径フルサイズミラーレスのレンズ
(ニコンとか)はかなりよく、
ブリージングがほとんど起こりません。


 

 

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