・シネマでのシャッター速度表示
シネマ業界ではシャッター速度表示が角度であらわされます。
360°,180° など。
写真で使われるシャッター速度であらわすと、
24fpsの動画ならば、
360°= 1/24 秒
180°= 1/48 秒
90° = 1/96 秒
となります。
24fpsの動画では1秒間に24フレーム必要なため、
基本的にはシャッター速度を1/24より長くすることができません。
そのため、フレームレートを基準とした表現で
シャッター速度を扱うと、動画では理解しやすい。
ではなぜ角度での表記なのか。
これは、シネマフィルムでの記録の仕組みを理解する必要があります。
動画フィルムでは、パラパラ漫画のように
静止画の連続です。
たくさんのコマからなるフィルムを使います。
露光して、次のコマへ、また露光して、次のコマへ
といった動き。
24fpsだと一秒間に24コマのフィルムが感光することになります。
ただ、フィルム送りしている最中も露光し続けると
余計なものが映り込む
フィルム送り中はシャッターで遮光する必要があります。
ここで使われるシャッターが、静止画系のカメラとは全く異なる
回転式のシャッターが使われます。
こんなような半円の板が軸を中心にぐるぐる回ります。
露光中は回転シャターの開口部分を光が通ります。
フィルム送りが終わると、回転シャッターの
開口部にちょうどなるので、これで次のコマを露光することができます。
昔のシネマカメラはこんな感じのシステムでした。
回転シャッターが1回転するのに1/24秒のため、
これまでの図で説明してきた場合のシャッター速度は
1回転の半分の時間なので 24fpsの場合は1/48秒になります。
また、回転シャッターの光が通る空いている部分は180°です。
これが一番最初に述べた 180° = 1/48sec につながるのです。
ちなみに90°のシャッターや45°のシャッターはこんな感じです。
シャッターの回転自体はどれも同じ速度なので、
シャッター開角度が狭くなるほど、シャッター速度が早くなることがわかります。
シネマではコマ速の半分とかでシャッター速度を表記するのが
直感的にわかりやすいというのが過去からの歴史としてあります。
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