・赤外線はなぜ紫に映る?
リモコンなどの赤外線をデジカメで撮ると
紫に写ります。
そもそも光の波長で考えると紫と赤外線は
全く違う光です。
紫は可視光線の中でも波長の短い紫外線寄り。
赤外線は、可視光線よりも波長が長い赤(目に見えない)。
なぜデジカメで見ると紫になるのか。
それはデジタルカメラの画像処理と仕組みが影響しています。
デジタルカメラは色を表現するために
光の三原色の赤青緑の3つの色の画素を持っています。
それぞれの画素の分光感度は
だいたい下のグラフのようになっています。
デジタルカメラではセンサの前にIRカットフィルターという
赤外線を通さないフィルターが入っています。
人間の目には見えない赤外線をカットすることで
デジカメでの色再現を人間の目に近づけています。
IRカットフィルターの分光特性
可視光域だけを通すバンドパスフィルタとなっています。
このIRカットフィルタとデジカメのセンサのカラーフィルタによって
基本的には赤外線はほとんど受光されません。
しかし、安いカメラなどだと、IRカットフィルタの性能が低く
若干赤外線を通してしまいます。
このとき赤外線リモコンの波長950nm付近の分光感度は
下の図のようになっています。
R,G,Bそれぞれのセンサで1:1:1くらいの強度で受光します。
RGBがそれぞれ1ならば、合わせれば白になるのではないか??
赤外線リモコンの光は白にならなければおかしい!
紫になるのはデジカメの画像処理が影響しています。
その画像処理とはホワイトバランス処理。
一般的な可視光の領域では、緑の画素がたくさんの光を受光します。
そのため、人間の目で見て白い光をデジカメで白に表現するためには
赤と青の光を増幅する必要があります。
もともとR,G,Bの光の強度が揃っていた
赤外線の領域にも同様にRとBが増幅されます
すると、紫になってしまう!
これが赤外線が紫に映る理由です。
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