・ミラーレス専用レンズならではの優位点
近年、各カメラメーカが本格的にミラーレスに参入し
ミラーレス専用レンズも次々とリリースされています。
ミラーレス専用設計レンズだと
今までの既存の一眼レフ用レンズと何が違ってくるのか。
一眼レフとミラーレスの一番の違いは
フランジバックの長さです。
ミラーレスはミラーがない分、
レンズマウントとセンサの距離が近い。
この距離が近いと、特定のレンズは小さくすることができます。
そのレンズとは、広角レンズ。
一眼レフでは広角レンズを作るために
レトロフォーカスという特殊な設計をする必要がありました。
レトロフォーカス設計のレンズは
レンズの左右が非対称で、収差が大きく発生しがち。
ミラーレスでは焦点距離が短い広角レンズを
レトロフォーカスにしなくても作りやすいので
小さく、性能を上げることもできます。
ミラーレスならではのレンズ設計として
ミラーレスカメラで写真を撮る場合、
画像処理をした映像しか見れないという特徴があります。
一眼レフではレンズから入ってきた光を直接
ファインダーで見ることができます。
一方ミラーレスではレンズから入ってきた光は
センサーにのみ届き、ディスプレイや電子ビューファインダーでは
ホワイトバランスなどの各種画像処理が終わった結果を出力しています。
最近のミラーレスは画像処理にレンズ補正も含まれています。
特に、倍率色収差と歪曲収差、周辺減光は画像処理でかんたんに補正可能。
ミラーレスでは画像補正された状態でしか画像を見ないので、
倍率色収差、歪曲収差、周辺減光はレンズ側で
光学的に頑張って補正する必要がありません。
その分、画像処理で補正するのが難しい、
軸上色収差補正などに光学的設計を割り当てられます。
収差の補正が程々で良ければ、
レンズの玉を少なくして軽量コンパクトなレンズに設計することもできます。
一眼レフ用のレンズでも魚眼レンズはコンパクトなレンズが多いのは、
歪曲収差をあえて残している(補正しない)ためです。
シグマの45mmF2.8レンズ
|
レンズ構成図は下の図のようになっています
ミラーレス用で焦点距離45mmのレンズなので、
後玉の3枚の部分は一眼レフだと、
ミラーボックスに相当するスペースです。
このレンズでは、
この空きスペースにインナーフォーカス用のレンズや
収差補正用のレンズを入れています。
こうすることで、レンズの使い勝手を向上させている。
このように、ミラーレス専用レンズでは
フランジバックだけでなく様々な要因で
レンズを一眼レフ用とは違った観点で設計することができます。
« ・星と近景を同時に撮影する | トップページ | ・Spyderのアクセサリが良い »
「写真講座」カテゴリの記事
- ・クアッドピクセルのさらに上をいくセンサー(2024.11.02)
- ・彗星を撮った時の設定2(2024.10.30)
- ・彗星を撮った時の設定(2024.10.05)
- ・面内ブレ(ブラー)を防ぐ(2024.09.12)
- ・星をより輝くように見える現像方法 (疑似ソフトフィルター)(2024.09.01)
コメント