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2020年1月27日 (月)

・デジタルゲインはアナログゲインより画質劣化

以前の記事、
アナログゲイン、デジタルゲインの差

上の記事ではRAWにおいてはあまり差がないと記載しました。
しかし、星景画像や夜景シーンのように極端なシーンにおいては
その差分が出てきます。

Resize172236
ISO 800で撮影した画像

Resize172235
ISO25600で撮影した画像

ISO以外のシャッター速度などはすべて同じにしているので、
当然、ISO 800のほうが暗くなります。
この画像をRAW現像で明るくします。

(元ISO 800,デジタルゲインISO25600相当)

Resize172237

(ISO25600,アナログゲイン)

Resize172235

比較
左:ISO800デジタルゲイン 右:ISO25600アナログゲイン
Iso800_all
明るいところはそれほど差がないように見えます。

Iso800_all1
暗部では
ディティールがISO25600で撮影した画像のほうが残っています。

これにはいくつかの原因が考えられる。

まずはデジタルデータは離散データであるということ。
14bitのRAWであれば、画像は0-16384の諧調で作られています。
ISO800の元の画像のヒストグラムはこんな感じ

3

ISO 800の画像にデジタルゲインをかけて明るくするということは
下の図のように、暗部に集まっていた情報を引き延ばすことになります。

2_20200127233901
ISO 800で暗く撮影しているということは、
ヒストグラムの右側の部分を全くの無駄にしています。
つまり、情報量としては実質12bitくらいしか使えていません。
対して、元からISO25600で撮影した画像は14bitの諧調を無駄なく使えています。
これだけでも、デジタルゲインのほうが不利であるということがわかります。

ISO25600で撮影した画像のヒストグラム
1_20200127233901

シャドーからハイライトまで、階調が無駄なく使えているのがわかります

次にガンマの問題。

実際表示される画像にはガンマがかかります。
ガンマの入出力関数は下の図

5_20200127234001

横軸が入力で、縦軸が出力です。
グラフを見ると、入力が64くらいのところでは
出力が256ほどになっています。
つまり、暗部ではガンマによって諧調不足に陥りやすい。
これが、最初のほうに述べた、
暗い部分ではデジタルゲインの画質が特に劣化する理由です。


最後に、これは本質ではありませんが
カメラの設定でISO25600などの高感度を選んだ場合
カメラ内で、RAWにノイズ処理をかけたりする場合があります。
こういったことを行っている場合、
後処理でISO 800のRAWにゲインをかけても
ISO25600の画像のほうがきれいに見えます
(ただし、ノイズリダクションを行った分、解像度は落ちたりする)

RAWって生データじゃないの?そんな事やってもいいの?
と思うかもしれません。
例えば像面位相差画素を使ったカメラの場合、
位相差用画素は欠陥となるので画素欠陥補正をRAWにかけています。
こんな感じで、RAWにも実は様々な画像処理がかけられていることがおおい。

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