・天の川のあぶり出し方
SNSではよくこのような、
天の川がすごい写真を見かけることがあります。
この場所はこんなにも星が見えるの!?
と思うかもしれませんが、実際にはこれほど肉眼では見えません。
肉眼では「ここに薄っすらと天の川があるかも?」程度です。
しかし、写真で撮るとかなりたくさんの星が写ります。
とはいえ、カメラからの撮ってだしの画像だとこのくらいです。
(このくらいは映っていないとあぶりだせない)
ここからRAW現像と画像処理で天の川を目立たせる処理が
あぶりだしです。
「こんなの、写真じゃない!」
という人もいると思いますが、写真表現の一つだと思っていただければ。
今回用いる画像は、千葉で撮影したものです。
撮影時には、光害カットフィルターとソフトフィルターを用いています。
焦点距離は50mmのレンズ。
天の川を写すときに、50mmくらいだと星がある程度大きく映るし
50mmの明るいレンズは安価なのでよく使います。
広角もいいけど。
処理に使うソフトはLightroom(CameraRAW)です。
※星空の現像方法は人によって好みも違ったり、
手順も違うので、あくまで私が現像したときの例です。
これ以外にももっとすごい現像方法はたくさんあります。
まずは、レンズ収差補正を行って、周辺減光と色収差を軽減します。
次に露光量で、画像全体の輝度をあげます。
明るすぎるくらいで問題ありません
ヒストグラムを見て白飛びしない範囲で持ち上げる。
コントラスト、ハイライト、シャドウ、白レベル、黒レベル
を調整して、天の川が濃く見えるようにします。
コントラストは強めが良いですが、
その他の項目は、空の状態にもよるので
一概にこうしたほうが良い、というのはない。
次に、テクスチャ、明瞭度、霞の除去をプラスにふって
天の川を強調します。
かなり効果があるパラメータですが、やりすぎは良くない。
特に「かすみの除去」は強くかけすぎると、色が偏ってしまい
後で赤い星雲の色などを出そうとしても出なくなるので注意。
かすみの除去はあぶり出し効果が強いですが弱めに。
トーンカーブを調整して、天の川の薄い濃淡を強調します。
また、全体の明るさをここで整えていきます。
ここも一概に正解はないので、微調整をトライアンドエラーです。
露出関係の処理が終わったら、色を調整します。
ホワイトバランスと彩度で赤い星雲の色が出るように。
彩度は上げすぎるとギトギトになるので注意。
これはおまけですが、画像の上の端っこ部分の光量落ちが大きいので
段階フィルターで明るくしました。
これもおまけですが、最後に明暗別色補正で
少しだけ色を整えました。
これでこのシーンは完成
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