・特定の光の波長をカットするフィルター
カメラに使うフィルターには、
NDフィルターやソフトフィルターなどのほかに
特定の波長の光をカットするフィルターもあります。
入門者が最初に手にするであろう物がUVカットフィルター。
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効果としては、夏などに遠景などで遠くの山を
わずかにすっきり見せることができます。
色かぶりがないので、保護フィルター代わりに使っている人もいる。
ただし、個人的にはデジカメにUVカットフィルターの意味は
ほとんどないと思っている。
なぜなら、撮像素子の前にUV-IRカットフィルターがついているからです。
分解したカメラから取り出したUV-IRカットフィルター。
ガラス自体に色がついている吸収型と、
コーティングによる干渉型の2つを合わせたハイブリッドタイプです。
このフィルターは単にIRカットフィルターということもあります。
特性としては以下のような感じです。
紫外線のほかに赤外線もカットします。
このように特定の波長域だけを通すフィルターをバンドパスフィルターという。
なぜカメラの中にこのフィルターが入っているのかというと、
人間の目に見えない波長(紫外線や赤外線)が写ってしまうと
色再現が変なことになるためです。
人間の目に見えない光が写ると違和感が生じる。
UV-IRカットフィルターを外したカメラで撮影した画像。
赤外線による影響で全体的に赤かぶりしている。
UV-IRカットフィルターを外したカメラで
赤外線だけを撮影するフィルターもあります。
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このように、赤外領域だけを通過させるフィルターです。
こういったを用いて撮影した写真
真っ赤になってしまいますが、
画像処理を施すと葉っぱが白くなる不思議な写真となる。
特定の波長を通すフィルターとして
比較的有名なものが、光害カットフィルターです。
光害カットフィルターは人口光でよく使われる
ナトリウム灯や水銀灯の波長だけをカットするフィルターです。
星の写真を撮る際に人口光を減らすために使用することが多い。
こんなに複雑な分光特性を持っています。
効果はこの記事に比較を載せています。
特定の波長をカットするフィルターの究極が
ナローバンドフィルターです。
特定の波長「しか」通さないフィルターです。
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特殊すぎて、使うシーンも限られます。
産業用途か天体用途くらい。
上記のフィルターは天体用で、
主に赤い星雲を撮影する際に使います。
このフィルターは分光が特殊すぎてカラーバランスが
おかしくなっています。
(赤とシアン系の色しか出ていない)
しかし、星空の中の赤い星雲が強調されていることがわかる。

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