・ナローバンドフィルターを購入
天体撮影用のナローバンドフィルターを購入しました。
ナローバンドとはバンドパスフィルタの一種で
通す波長域が非常に狭いものです。
通す光の量が非常に少なくなるので、
フィルターなしと比べると露光時間が長くなります。
同じ露出にするのに4.5段分ほども明るく撮影する必要あり。
露光時間はとても長くなりますが、
明らかにフィルターありでは星がたくさん写っています。
特定の光源である波長域に強く光が出ていることがわかります。
今回使用したナローバンドフィルターの分光透過率は以下です。
|
このフィルターを通すと、夜空の分光分布は
下のグラフの緑線のようになります。
都会の空の邪魔な波長域をほとんどカットしてくれている。
ただし、ナローバンドフィルターは
通す光の色が極端に偏るため、カラーバランスが著しく崩れます。
左下に写った建物が真っ赤になったり、
星の周りに赤いハロが生じたり。
ではこのフィルターはなんのために使うのか。
赤い星雲を都会でも強調して撮影する事ができます。
下の写真のような赤い星雲は
656nmの波長で光っています。
ただし、この光はかなり弱いので、都会の光害に埋もれてしまいます。
しかし、このフィルターを通したあとだと、
赤い656nmの光と、青い星雲の約500nmの光しか通さないので
赤い星雲を強調表示することが可能です。
露光時間以外の設定は変えていません。
(ホワイトバランスだけは変更)
白枠で囲った部分にフィルターありだと
赤い星雲が浮かび上がっていることがわかります。
この赤い星雲は非常に淡く、都会で撮影するのは
非常に困難なものですが、しっかりと
赤い星雲を強調してくれている。
よしみカメラで販売しているクリップタイプは
マウント側に入れるフィルターのため、
角度依存が少なく、広角でも使えるのでお勧めです。
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多彩な有用な情報を公開していただき、感謝しつつ拝見しております。
STC社のマウント内に入れるクリップタイプのフィルターを、K-1MarkIIで使用することを検討しています。
レンズとしてSamyang 14mm/2.8とSigma 50-500を使いたいのですが、前者は後玉が出っ張っているためにフィルターと干渉することを危惧し、後者はwebの製品紹介ページで200mm以上のレンズを使用した場合ケラレが出ることが指摘されています。
もし、この組み合わせを試されたことがあるなら、使用可能かどうか教えていただくことは可能でしょうか?
投稿: | 2021年5月 5日 (水) 22時43分
こんにちは。
上記コメントについて検証しました。
まずsamyang14mmですが、装着できそうです。
私の場合後玉に無理やりソフトフィルターを挟んでいるのですがそれがあってもつけられました。
また、200mm以上だとけられる問題ですが、
70mmくらいでも周辺光量落ちが非常に激しくなります。
(ギリケラレていないじょうたいですが)
また、レンズによっては迷光が気になることもあります(Sigma70-200F2.8で検証)
APS-Cであればほぼほぼ問題なくつけられます。
が、DA★11-18は後玉が干渉してつけられませんでした。
投稿: 管理人 | 2021年5月 6日 (木) 13時23分
返答ありがとうございます。
前玉でのフィルター使用が不可能なSamyang14mmでも使用が可能であるというのは、非常に朗報です。
200mm以上でのケラレ問題ですが、APS-Cでは問題ないが、フルサイズでは厳しい場面がありそうですね。
最近になって星撮影に興味を持ち、光害フィルターについて調べていた中でSTC社アストロ マルチスペクトラのマウント内クリップタイプを第一候補にしていたのですが、気になった点を質問させていただきました。
一番使いたい広角レンズであるSamyang14mmがとりあえず問題なしであり、望遠レンズの場合は周辺減光やケラレがあってもレタッチとトリミングで補えそうかなと判断しました。
DA 10-17 fish eyeは所有していますが、DA★11-18は所有しておりません。今後の購入の際には干渉することを気に留めておきたいと思います。
ご返答をいただき、ありがとうございました。
投稿: | 2021年5月 6日 (木) 15時02分