・バブルボケは後ボケにしか出ない
バブルボケといわれる強力な二線ボケが出るオールドレンズを買いました。
二線ボケはボケがうるさくなるので嫌われる傾向にありますが、
それをあえて味としてとらえて使用するという最近の傾向があります。
バブルボケが出るレンズは、トリプレットというレンズの玉を3枚だけ用いた
単純な構成の設計のレンズで出ることが多いです。
以前書いた、縦収差図の記事
開放から解像がいいレンズを作るためには
球面収差を補正するために、フルコレクションという補正を行います。
これは瞳像高が1の光線が焦点を通過するように補正したレンズです。
※ただしこの図ほど理想的な補正のレンズはまだ難しい。
ただし、技術がなかった時代のオールドレンズでは、
こういう設計ができないので、開放での解像性能はあきらめて、
絞ったときに性能が出るレンズが作られました。
この設計がオーバーコレクション(過補正)のレンズです。
そして、この設計のレンズこそがバブルボケの出るレンズです。
この図の、光線が密集している部分は強く光が集まる部分、
光線が少ない部分は光があまり集まらない部分です。
こう見ると、バブルボケレンズでは前ボケは素直なボケになり
後ボケがバブルになるのがわかります。
傘の部分にピントを合わせたので、それよりも手前を飛ぶ
蛍の玉ボケはバブルになっていません。
完全に失敗です…。
久しぶりに登場の玉ボケ評価スティック
後ボケが見事にバブルになっています。
そして、前ボケは非常にきれいで素直なボケ形状。
ちなみに、球面収差をあえて補正していない
ソフトフォーカスレンズでは、前ボケがバブルになります。
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