・アトムレンズの黄変を直す
世の中にはアトムレンズと言われているレンズがあります。
このレンズは、ガラス硝材に放射性物質を使っているのでアトムと言われます。
(現在ではその危険性から製造されていない)
危険とはいっても、使用する側としては、
四六時中ポケットに入れているわけでもないので人体への影響はほぼないです。
たぶん飛行機にたくさん乗るほうが被ばく量が多い。
撮影時はカメラボディによってある程度遮断されるし。
でも、デジカメのセンサに与える影響があると思うので
ずっとカメラにつけておくのは心配。
(ピクセルマッピングは宇宙線によって
ホットピクセルが発生したものを補正する機能)
なぜ放射線を発するのかというと、
酸化トリウムというものがガラスに混ぜられていて、
これにより高屈折率で収差が補正しやすくなります。
しかし、酸化トリウムが出す放射線がガラスに影響を与え、
時間がたつとガラスが黄色っぽくなってしまうという問題がある。
黄変してもAWBならそれを踏まえて補正してくれるので
そんなに問題は発生しないですが。
黄色系の被写体の色再現が若干悪くなるかも。
この黄変は紫外線に当てると減少するらしい。
今回、ペンタックスのスーパータクマー55mm F1.8 後期型を
手にしたので、これで確認してみました。
あんまり黄変しているようには見えませんが…。
反射の色が黄色いのはコーティングの色です。
黄色の光を反射するので、センサ面やフィルム面には少し青みがかった色が届くはず。
(もしかしたら、黄変を考慮してのこのコーティングの色なのか?)
このレンズを夏の日向に一日置いておきました。
外観では違いが判らない。
撮影画像で確認してみます。
紫外線に当てる前に、このレンズをつけてグレーカードを撮影。
撮影時はワンプッシュWBでグレーカードがグレーになるようにしておく。
ホワイトバランス設定はそのままで、
紫外線を当てた後に同様にグレーカードを撮影。
違いが判るでしょうか?
画像の色情報を取得し、ab平面にプロットしました。
beforの状態でホワイトバランスをとったので、ほぼグレーの原点付近にいます。
その状態でafterをとると、
黄色みが抜けるので反対色の青方向にシフトしているのがわかります。
とは言え、Δabは1以内なので、ほとんどわからないレベル。。
確かに紫外線に当てることで黄変を除くことができますが、
もっとたくさん日に当てないとだめかもしれない。
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