これまで各社の吸収型光害カットフィルターを確認してきました。
NiSiのNatural Nightフィルターを確認
KANIのLPRFフィルターを確認
Kenkoのスターリーナイトフィルターを確認
今回は吸収型で一番性能が良いと感じたKANIのLPRFとの比較を行います。
本当はC-700を使って分光測定をしたいのですが、手元に無いので
グレーカードを撮影して比較します。
まずは、減光が少ないほうが良い、太陽光下でのグレーカードの撮影。
(中央重点測光、周辺減光の影響を受けにくいように3段絞る、ピントは無限遠)
フィルターなし シャッター速度1/2000

KANIフィルター シャッター速度1/1250

マルミフィルター シャッター速度1/1600

KANIの光害カットフィルタは0.7段暗くなり
マルミフィルターは0.3段暗くなります。
都市光害の主な原因の高圧ナトリウムランプ下では。
フィルターなし シャッター速度0.5sec

KANIフィルター シャッター速度2.0sec

マルミフィルター シャッター速度1.0sec

ナトリウム灯下では
KANIの光害カットフィルタは2段暗くなり
アストロMSフィルターは1段暗くなります。
太陽光下での減光を考えると、
KANIの光害カットフィルタは1.3段分の光害カット効果。
マルミは0.7段分の光害カット効果です。
KANIのほうがナトリウム灯のカット効果が大きいことがわかります。

実際にフィルターの色を比べてみても、マルミのものは色が薄く、
そもそもの減光効果が少ないのがわかる。
星自体の光の光量を落としたくないときや、
光害の少ない空ではマルミのフィルターを使うなど使い分けができそうです。
今までの光害カットフィルター確認では、同条件で比較できていないのですが、
KANIのLPRFと相対比較すると
KANI ≧NiSi > Kenko ≒ マルミ
となりそうです。
KANIは光害カット効果は一番強いですが、その分恒星自体の光量も落とすので
空の条件を見て、使い分けるのがよさそうです。
ナトリウム灯による光害が強い場所ではKANIは有利です。
実際に星空を撮影して効果を確認しました。
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