・AIは万能ではない
最近は、AI(DeepLearning)を使えばこんなに凄いことができる、
みたいな記事をいくつか書きました。
しかし、何かをやるときにAIを使うのが楽かというと、そうではありません。
AIにも弱点があります。
まず、学習させるためのデータセットを集めるのが大変。
例えば顔検出器を作る場合は、大量の顔データが必要になります。
ネット上に顔が写った写真はいくらでもありますが、
勝手に使うと肖像権や個人情報の問題が生じます。
権利が問題ない画像データを集め、
また、顔位置がどこにあるか、というラベル付け作業も生じます。
GoogleやFaceBookのようにすでに利用可能なデータをたくさん持っている会社は強い。
また、AIを使うと何か想像以上のことができる、というのは間違いです。
人間が認識できないことはできません。
深度推定ネットワークの出力結果
上側のシーンのように、人間が見て手前と奥がわかる写真なら
推定も正しくできています。
しかし、下の写真のように、手前と奥が人間でもわかりにくいシーンだと
AIもわからない。
AIができるのは、特徴量やパターンを認識して、それを識別することです。
写真を見て、
「この写真は300mmくらいの望遠でとられているな」と判断できれば
その画像に何らかの特徴量があるので、
AIもそれを識別して焦点距離算出することはできる。
AIを使えば確実に解ける問題でも、何でもかんでもAIを使う必要もありません。
AIを使うことが目的になってはいけない。
求める性能にもよりますが、従来のアルゴリズムベース(ルールベース)で
十分に解ける問題であれば、わざわざAIにする必要もない。
学習データを集めるのも大変だし。
例えばライブカメラ映像から天気を判断する問題であれば、
空領域が水色だったら晴れ、白かったら曇り、という簡単なルールでいい。
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