・都心での新星景写真 現像方法
前回は撮影方法を記載しました。
今回は撮影したデータを仕上げる手順です。
この方法は人によっても違うので、あくまで私がやっている方法。
もっといい手順があるかもしれない。
これらを高速に動かせるハイスペックマシンがあると
イライラせずに済みます。
参考までに私のマシン(2022/1)
windows11
Corei7-11700
32GB
GeForce GTX1650
●Step1 最初の現像
私はRAW状態でコンポジットするのではなく、
最初に現像を行ってしまって、ノイズ処理や赤い星雲の炙り出しを
ある程度行います。
Photoshop CameraRAWで撮影したRAWデータを一括で開く。
(ここはLightroomでもよい)
天体改造機だと赤っぽく色被りしているので
最初にホワイトバランスをいじります。
ホワイトバランス調整アイコンにして、
赤い星雲がいないあたりを選択して大まかに合わせる。
光害とかの影響で色被りがある場合はいくつかのポイントを選択して
一番バランスが良さげなところに合わせておきます。
次に大まかな露出の決定。
露光量はちょっとオーバーになる程度に上げて、
ハイライトと白レベルを思いっきり落とします。
ハイライトを落とすのは、
例えばオリオン大星雲の中心付近が白飛びしないようにするためです。
歪みと周辺減光は補正してしまうとコンポジットしたときに補正痕が出るので
ここはいじらないでおきます。
カーブを細かく調整して赤い星雲が浮かび上がるようにします。
またこの画像で言うと画面の上部の暗い部分を少し明るくなるように、
画面下部の明るい部分の輝度を下げてフラットに近づけます。
このカーブを調整する際は諧調が破綻しないように気を付ける必要があります。
トーンカーブのいじり方でも記載しましたが、
極端にしすぎると諧調が破綻して写真としておかしなことになります。
ここまで来たらテクスチャと明瞭度をいじって
星を強調します。
もし空の状況が良くて、星が写りすぎている場合は、
明瞭度を逆に下げてもよい。
ダークとフラットも撮っている場合は、それにも適用。
(フラットはホワイトバランスを再度合わせなおす)
保存は、情報量を残すために16bitのTIFFにしておきます。
一旦TIFFに仕上げたら、
Sequatorでコンポジットします。
使い方は以前の記事でも記載しました。
枚数が多ければ多いほど、ノイズ除去だけでなく
細かい部分が出てきます。
ダークやフラットを撮っている場合、
ダークは「ノイズ画像」、フラットは「ケラレ画像」
のところに入れればよいです。
ただ場合によっては、コンポジット結果に逆にノイズが載るときがあるので
その際は入れない。
合成方法は「積む」にしておきます。
ソフトフィルターを使っている場合、最適選択にすると
星の位置合わせが失敗して周辺部の解像が劣化することが多い。
光害除去は「複雑」で右から二番目の強さにするとちょうどよいことが多い。
結果が破綻したりした場合はさらに弱めたものも作っておくとよいです。
星空のコンポジットが終わったら、
固定撮影をした地上風景と合成していきます。
星空と地上をレイヤーごとに読み込みます。
まず地上レイヤーを選択し、
選択範囲→空を選択をして、空部分を選択し、Delボタンを押して削除します。
この状態で地上レイヤが問題なければこれでOK。
建物とかがきえてしまう場合、保険で作っておいたコピーした地上レイヤーで
きえてしまう部分などを補間します。
星空部分に発生している色や輝度のムラを補正したり、
全体の色味を地上と揃えたりします。
CameraRAWフィルターを起動
ナローバンドフィルターを使うと
青がシアンや緑っぽくなってしまうので
青の色相を変えます。
次に、輝度ムラを補正します。
ムラになっている部分をマスクのブラシツールで塗っていきます。
この部分だけ、不自然にならない程度に
露光量を下げたりシャドーを下げたりします。
また、単純に下げるだけだと、星の光も弱くなってしまうので、
テクスチャと明瞭度を上げます。
ムラが目立たなくなるまで、この作業を繰り返します。
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