・どこまでが合成写真か
フォトコンテストなどでは合成写真はNGというものもあります。
確かに下の写真のような明らかな合成写真は「写真ではない、CGだ」
と感じる。
見かけることも多い、星の軌跡を撮影したものです。
こういう写真は、現在ではほとんどが「比較明合成」という方法で
複数の写真を合成して作られた画像です。
画像合成や画像処理がどこまでOKかは、
フォトコンテストの規約などでもそれぞれ決められていたりしますが、
自分の中でも、「ここまではOKとする」というポリシーを決めておいた方が良いです。
でないと、何でもできてしまう。
どこまでOKかは、写真の使い方や人によっても異なりますが
いくつか例はあります。
・JPEG撮ってだしのみOK
この決め方をしている人も多いと思います。
個人的にはこの決め方はあまりイケてないなと思ってしまいます。
JPEG撮ってだしだと、どうしてもメーカの絵作りに左右されてしまいます。
色の出方だとかコントラストだとか。
また、インターバル合成機能がついているカメラとついていないカメラ等、
カメラについている機能によって撮れる表現の幅も変わってしまう。
※機能ではなく、大判カメラや特定のレンズでしかできない表現とかもありますが…。
・カメラ内でできる処理までOK
これもカメラの機能によって表現の幅が変わってしまう、
また、スマホカメラならアプリで何でもできてしまう、という点で
個人的には無し。
・一枚の撮影画像だけ使う
この考え方は1枚のRAWを自由に現像できて
ありえない合成はできないという観点で比較的良い決め方かなと思います。
天体など特殊な撮影では応用が利きませんが…。
ただ、カメラの内部処理を知っている身からするとうーん、と感じることもあります。
この考え方だと、最近のスマホの写真はほぼすべてNG。
スマホは一回の撮影に見えて、
画像を重ね合わせてノイズを減らしたり
露出を変えた複数の撮影画像を用いてダイナミックレンジを広げたりしています。
最近だと1枚の画像から深度Mapを作ってライティングを変えたりとかもできちゃうから…。
・その場にあるものを消さない、無いものを足さない
私は個人的にこのルールを守るようにしています。
これを守るということは、電線を消したり
その場にはいない動物を付け加えたりはできません。
ただし例外として、時間差で撮影した画像内で現れるものなどは足したりしてもよい。
こういうルールだと、天体の比較明合成もOKになるし、
動く天体と地上を両方止めた新星景写真もOKになります。
明るいうちに背景を撮影して、そのあとに飛ぶヒメボタルを合成
というのもこのルールであればOK。
こういうとり方。
カメラ起因によるセンサーのごみの映り込みや
ゴーストなどは本来そこには存在しないものなので消してもいい。
また、光学的に実現できる方法(PLフィルタで反射を取り除くとか)も
個人的にOKとしています。
ここまで記載したルールはあくまで私が思いつくものなので
そのほかの観点で考えることも当然あると思います。
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